スポーツイラストレーター T.ANDOH の「OUTSIDER’s ReCALL」(190)東大の執念、関学の課題。春の交流戦で見えた現在地

2026年5月27日(イラスト・文/T.ANDOH、写真:Azusa Suzuki

こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
関西学院大学ファイターズ、今回は5月31日に開催された東京大学との一戦をお伝えします。

春の交流戦も残り2戦、次回は春の大一番の関関戦(関西大学戦)となるので、チームづくりの総仕上げに向けて、課題に対しての答え合わせの試合となります。

対する東京大学とは、昨年に続く交流戦となりました。
東京大学といえば、野球部が六大学で勝利を挙げるとニュースになったりしますが、昨年のアメフト部はリーグ戦を4位と大健闘。
春の交流戦では関学が70対0という圧倒的な力を見せつけましたが、東大のリーグ戦の頑張りを知っていたので、ひそかにその成長を楽しみにしていた相手です。
やっぱり東大ですから!
メンバー表には全国の名門校が名を連ねています。

たとえば東大4回生QBの田中昂(こう)選手は灘高出身…!!
文武両道を体現する選手たちが集まるのも、東大アメフト部の魅力です。
それに東大は独特のフォーメーションで攻撃をしてくることでも有名なチーム。
油断はできない相手との対戦となりました。

この試合の関学QB(クォーターバック)は3回生の星野太吾選手が登場!
最初のプレーからパスを多用し陣地を獲得!
2回生WR加島禅選手へのロングパスに、4回生WR小段天響選手とのホットラインが良いリズムを作っていきました。

そして1回生RB(ランニングバック)の星野礼翔(らいと)選手がランプレーで中央を突破して先制のタッチダウンを獲得します!

代わって東大も頑張りを見せてきます。
灘高出身のQB、田中選手は随所にスペシャルプレーを仕掛けてきたり、スピード感あふれる早いパスなどを繰り広げ、ファーストダウンを獲得していきます。
その後、東大の攻撃はあえなくファンブルリターンで関学へチェンジ。
4回生DB(ディフェンスバック)永井慎太郎選手のナイスタックルが決まりました。

しかし、続く関学の攻撃は4thダウンギャンブルを東大がガッチリ阻み、得点ならず!
東大は粘り強さも見せつけてきました。

2Qに入ると関学は星野太吾選手がパスを中心にオフェンスを展開。
プレッシャーもかかる中で4回生WR北村翼選手と、同じくWRの小段天響選手へ良いパスがつながり良い流れを作ると、最後も小段選手がパスをエンドゾーンでキャッチして2つ目のタッチダウン!
関学が2ポゼッションをリードして前半を終了します。

後半になると東大が攻勢をかけてきます。
変わらずQB田中選手を中心にオフェンスを展開。さらにパントリターンがビッグゲインとなって敵陣への侵入を許すと、田中選手から4回生WR山﨑蓮選手へのミドルパスでエンド前まで前進。
そして次のプレーで2回生RB徳岡研一選手が中央に突進してなんとタッチダウンをあげます!!

昨年は関学相手に無得点で70点差をつけられた東大。
しかし秋に躍進したその実力を、この日も存分に見せつけました。
会心の得点劇にスタンドも大歓声が上がりました!!

関学は3Qから2回生の長澤崇夫選手が登場。ロングランで前進するなど追加点を目指し奮闘しますが、この試合2回目の4thダウンギャンブルを止められ、東大もノってきます。

それでも関学はその次の攻撃でフィールドゴールをあげて3点追加。
しかし、直後の東大の攻撃では、QB田中選手から背後に回り込んだ3回生RBの大武幸太郎選手へバックトスのスペシャルプレーを展開。
そのまま大武選手がサイドラインを一気に駆け抜けて独走からのタッチダウン!!
関学相手に2つ目のタッチダウンを決めました!!

そして関学はこの次のプレーからQBの座にリンスコット・トバヤス選手がつきます。

高校時代にはずっとQBを務めていたリンスコット選手。
僕が見ている限りでは、視野も広く動けているし、パスにも安定感を感じました。

そしてリンスコット選手が4回生WR酒井蒼昌選手へのロングパスを決めてエンド前へ前進すると、最後はリンスコット選手が自らランで切り込んでタッチダウン。
このタッチダウンが決定打となり、関学が再びリードを広げてそのまま逃げ切りました。

関西学院大学ファイターズ 24 × 14 東京大学ウォリアーズ

関学は勝利したものの、この試合は東大の頭脳的なプレーと粘り強いディフェンスで関学に対し一矢も二矢も報いた試合となりました。
試合前から東大のアメフトが楽しみだった僕としても、この東大の健闘は面白かったですが、関学目線から見ればオフェンス陣が口を揃えて反省と課題を抱いた一戦となりました。

そんな中でもディフェンス陣は健闘したと思います。
東大の積極的なランプレーでじわじわと攻め込むオフェンスを、キャプテンで4回生LB(ラインバッカー)倉田我琉選手や4回生DB伊東利晃選手が身体を張って止めに行くプレーが印象的でした。

2回生QB 長澤崇夫選手
「自分が出ている時にもっと積極的にオフェンスをしていきたいなと思います」
「とくに(自身の出ている時に)もっとドライブしていかないと、優位に立てるオフェンスができなくて。パスだけじゃなくランでも得点につながるプレーがしたくて、オフェンスとしての自分の課題が見えてきた感じです」

4回生WR 小段天響選手
「前半から(星野)太吾が良いパスを投げてくれていたので、ある程度テンポは掴めたかなと思いましたけど、オフェンス全体ではショートヤードを取り切れなかったことはチームの課題だと思っています」
「ショートの場面を作ってしまっていることは、レシーバー陣としても課題と思っていて、もっとキャッチしてからのランを確実なものにしていき、レシーバーとしてのオフェンスを突き詰めていきたいです」

4回生WR/QB リンスコット・トバヤス選手
「(QBについて)いつ呼ばれても良いように、冬や夏のオフシーズンには身体を慣らす練習はしていました」
「自分がQBをやることはないだろうと割り切っていたのですが、今年は星野太吾に続くQBがまだ若いので、自分の存在が若手QBの刺激にもなればと思って、今後も切磋琢磨できればと思っています」

4回生LB 倉田我琉選手
「前半は僕も地に足がついていなかった感じでしたけど、後半は粘ることができました」
「東大はしっかり研究してきたようで、自分たちの裏をつくような一筋縄ではいかない攻撃をしてきた印象で、前半は苦戦する場面がありました」
「まだまだ攻守に甘い点が多く、ミスも多かったので、残りの関関戦に向けて、あらためてもう一度、自分たちのプレーを見直して仕上げていきたいと思います」

東大戦が終わり、春の交流戦はいよいよ最終章を迎えます。
けが人が多いことも万全ではない要素かもしれませんが、チーム作りにはまだまだたくさんの課題と目標を抱えている関学ファイターズ。
ここまで積み上げてきたチームづくりの成果が、どのような形で表れるのか。
そして、残された時間でどこまで完成度を高められるのか。
伝統の関関戦をどのように戦うかは、そのまま秋のリーグ戦への展望となってきます。

甲子園ボウル優勝に向けても重要な春の最終戦を、たくさんの人に注目してほしい!
ので、今日も言いますよ…

次回はいよいよ春の集大成、6月14日(日)の関関戦。
関西の雄・関西大学との伝統の一戦を、どうぞお楽しみに!!

 

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スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。
プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。
プロ野球選手には、伏見寅威選手(オリックス・バファローズ→北海道日本ハムファイターズ⇨阪神タイガース)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。
名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

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