スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」（78）ほっともっとフィールド神戸改修！日本一のボールパークの原点は僕の原点！

2024年1月26日（イラスト・写真・文／T.ANDOH）

こんにちは！スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
神戸市が、ほっともっとフィールド神戸の改修工事を「ふるさと納税」を活用して実施することを知っていますか？
昨年10月22日から募集を開始して、先日の1月19日まで応募をしておりました。
目標額を大きく上回る約1億7千200万円あまりが集まっており、６億円の予算規模のなか、複数年にわたって改修工事をする予定なんだそうです。

1988年にグリーンスタジアム神戸として開業して35年。
イチロー旋風を起こしたオリックス初優勝も29年前であり、球団合併をしてオリックスが本拠地を大阪に移って今年で20年ともなります。

年々本拠地としての役割が薄らいでいく気配もする一方で、こうして改修をして保存していくという話題が上がっていることは本当に嬉しいですね。
それだけ、ほっともっとフィールド神戸は神戸市民にとってだけではなく、いまだにプロ野球ファン・関係者にも愛されている球場だということなんです！

ほっともっとフィールド神戸は、グリーンスタジアム神戸からネーミングライツでYahoo!BBスタジアムと改称した2001年にも大幅な改修工事を行なっているのですが、その当時のボールパーク化構想に僕も大きく関わっているんですよ。
その当時のことを回顧して、現在のボールパークにつながるほっともっとフィールド神戸の功績を語ってみたいと思います。

2001年、イチローさんがシアトル・マリナーズに移籍した年、当時のオリックス・ブルーウェーブ球団は、グリーンスタジアム神戸を「ボールパーク化」するという構想を実施しました。
そのときに、球場の内野デッキに「ボールパーク」をイメージできる大きな絵を描く「デッキペイントコンテスト」があって、当時大学４回生だった僕は卒業制作のつもりで応募して入選！
この作品が僕のイラストレーターとしても「デビュー作品」です！！

内野デッキコンコースに実際に絵を描いて球場のボールパーク化構想の一躍を担いました。

2月の神戸は寒くって…
小雪が混じって絵の具が溶けることもあり、２月のキャンプ中に完成させるという条件もある中で、2週間をかけて完成させました。

ちなみに落選作も…

駅から球場までのバナーに採用されたので、当時から球場に通っておられる方は、僕の絵を見ていたはずです。

この当時、「ボールパーク化」というコンセプトをどれだけの方が分かっていたのだろう…？
その「ボールパーク化」の実施意図は時を追うごとに球界全体の話題となり、視覚性を重視して低くした防球ネット、内野まで伸びた天然芝、そしてフィールドシートの存在は、その後の野球場建設・改修に大きく影響をしたのは皆さんもご存知のことです。

イチローさんも球団合併を機に「日本一のボールパーク」と発言してくれるようになった気がするんですよ…。
しかし、実際にこの「ボールパーク」に改修されたグリーンスタジアム神戸で現役時代にプレーしたことはないんですよね。
奇しくもイチローさんが抜けることで営業改革を求めたオリックス球団が実施したボールパーク化計画。

「神戸は自分の故郷」
と、日本での拠点を神戸にしているイチローさんにとっても、ボールパークに改修されたほっともっとフィールド神戸は最高の環境となっていて、イチローさん、神戸市、オリックスという３つの存在がこのほっともっとフィールド神戸を通じて結びついています。

だからこそ！
ほっともっとフィールド神戸は、日本野球界の宝として今後も存続をし続けてほしいんですよね。
改修工事はブルペンの扉、ベンチの椅子の交換、スタンド席の修理などで、この当時のような大掛かりな改築工事ではないようです。

僕の絵もかなり剥げちゃっていますが、現在でも内野デッキに残っております。
「僕なりの神戸の街へのオマージュ」としてこのコラムも書かせてもらっていますが、この作品もまた、僕がオリックスを応援し、神戸の街の活性に活動している原点の一つでもあります。
ただ、ハゲハゲになってしまったデッキペイントは、こうした改修を機に消されちゃうかもしれないので、残っているうちにぜひ足元もご覧ください。