スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(126)イチローさん、日米で野球殿堂入り!!
2025年1月22日(イラスト・文/T.ANDOH)
こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
さぁ、やってまいりました!先日の日本野球殿堂に続き、イチローさんがアメリカの野球殿堂にも選ばれました!!
「満票には一票足りなかった!」
やはり満票になるか否か…の期待が高く、満票でなかったことに対して、アメリカでも議論が起きています。
すごいことですね…
満票じゃなかったから不満が出てくる。
一票でも候補になるだけでもすごいことなんですから。
あ、このお話、あらためて次回お話しさせてください。
そんな世論の声に対して、当のイチローさんといえば
「一票足りないのはすごく良かった」
「不完全であるのはいいな」
大物らしい…、いやイチローさんらしいコメントだったかもしれませんね。
あれだけのヒットを量産しても、生涯打率は.311。
一流選手でも10割の打率なんてあり得ない。
完璧ではないことの面白さ。
そんなメッセージにも感じます。
高打率を残したイチローさん。
量産したヒットを「内野安打のセコいヒットばかりやないか」と批判するファンも少なからずいます。
しかし、内野安打だって簡単に打てるものではない。
そんなヒットの概念を、アメリカの野球概念を変えるようなことを、実績をもって示したのもイチローさんです。
オリックスでヒットを量産しだした1994年も、内野安打で駆け抜けるイチローさんをセンセーショナルに報じたことを思い出します。
そうです。
「走・攻・守」の3拍子と言いますが、バランス良くどころか全てが抜きん出たプレーを見せたのがイチローさん。
最多安打はもちろん、「エリア51」という名称までついた守備。
走・攻・守の全てがすごかったから、メジャーでも実績が残せたというのも事実でしょう。
とりわけ純粋な「日本人体型」。身長だって高くない。
そうそう、
いまや速球も160キロなんて言われる時代ですが、これは持論ですが、160キロなんて速球は、それなりの体躯も必要だと思うんです。
だからこそ大谷翔平選手のように、190cmを超える身長とリーチがあってこそ為せるのではと思います。
それに、イチローさんの最後の試合。
2019年のマリナーズの開幕戦を東京ドームでこの目で見ましたが、メジャーリーガーのバッティング練習の打球の軽さ、そして飛距離は格違いだと体現しました。
打ち損じでスタンドイン。
とらえれば上段の看板(長嶋さんのセコムの看板の高さのものですね)はデフォルト。
「日本人のスラッガーが、メジャーでは埋もれてしまうのも仕方がない」
そう思ったものです。
オールスターでは、柵越えじゃなくランニングホームランでホームランを決めちゃうような選手ですから。
もはや古いタイプの時代の選手なのに、やってることが新しい。
そして、イチローさんが築き上げた野球の概念は、現在またアップデートされ、さらに新たな世界の基準ができつつある。
野球の歴史の一時代を感じるイチローさんの殿堂入りです。
アジア人として初。
そして先日も書かせてもらいましたが、助っ人外国人として日本でプレーした選手で、メジャーの野球殿堂に入った選手もまだいない。
日米で野球殿堂に入った初めての選手でもあります。
さらに!
イチローさんの野球殿堂入りを受けて、シアトル・マリナーズが背番号51を永久欠番にすると発表がありました。
51番といえば、マリナーズにとってはランディー・ジョンソンもつけていた背番号。
マリナーズにとって背番号51はチームの歴史を語るうえで重要な背番号。
オリックスファンであり、30年来のマリナーズファンでもある僕としては、嬉しいニュースとなりました。
そこで注目したいのが、オリックスの背番号51はどうなる!?
オリックスは、永久欠番はありません。
永久欠番として確立はしないものの、栄誉を讃えて使わないケースはありました。
たとえば阪急時代の福本豊さんの背番号7。
それでも2001年に7番を進藤達哉選手がつけたことで欠番解消。
近鉄バファローズの永久欠番も、オリックス合併を機に継承はされませんでした。
当時の梨田監督の「今つけているお前たちの背番号はみんな永久欠番や」
この言葉を尊重したのかもしれませんね。
永久欠番を明確にはしていませんが、背番号51はイチローさん以来使われていません。
事実上の永久欠番として空けられている背番号なのですが、野球殿堂が決まり、マリナーズが永久欠番と決定したこのタイミングで、オリックスも永久欠番を明言するのか…!?
もしオリックス球団が永久欠番を明言することがあれば、オリックスの歴史にも新たな風を吹き込むことになります!!
たくさんの夢と希望を見せてくれたイチローさんですが、まだまだこれからも新しい話題を振りまいてくれるかもしれない。
今のヒーローの活躍も嬉しいことですが、やっぱり僕にとってはイチロー選手が活躍した時代が好きで、ライバルだった選手たちも好き。
この時代に生きてこられて良かったなと思う一日です。
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スポーツイラストレーターT.ANDOH
おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。 |
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