スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(30)球界最強投手、山本由伸投手の新ピッチングフォーム!
2023年2月25日 (文・イラスト/T.ANDOH)
WBCのキャンプが連日盛り上がってますねー。
ダルビッシュ有投手の話題が盛んで、一緒に休日練習をした宮城投手や、励ましの会を作ってもらった宇田川投手はラッキーでしたね!
そこにきて、ちょっと気になってるのが山本由伸投手。
キャンプに入ったばかりの頃に注目を浴びたのがピッチングフォームですよ。
ファンの皆さんなら、皆さんも変わったことをご存知かと思います。
すり足っていうのかな?
クイック投法みたいな、振りかぶらないピッチングフォーム。
特にワインドアップ(腕を振り上げる)でもないので、プレートを踏んだらいきなり体重動作に移るようピッチングフォームになりました。
ピッチャーの投げる投球フォームをおさらいしましょう。
ワインドアップ(腕を振り上げて振りかぶる)は、基本的なピッチングフォーム。
クイックピッチは、ランナーがいるときにする、いきなり投球動作に入るフォーム。
ランナーがいるときは、盗塁を阻止するためにワインドアップをせず、クイックで投球動作に入るフォームをしますよね。
牽制球を投げるため、タイミングを読まれないためでもあります。
極端な例でいえば、故村田兆治さんのマサカリ投法は、とっても分かりやすいワインドアップですよね。
野茂英雄さんのトルネードもワインドアップです。
(右投手でいうところの)左脚を上げることで右脚に体重がかかり、踏み出して軸脚となる左脚にしっかりと体重を乗せにいくのがワインドアップです。
(村田さん野茂さんもランナーがいるときはクイックで投げます)
ゆったりと動作をし、足を上げることでテンポをつけるワインドアップ。
ピッチャーにとっては楽であり理想的なピッチングかもしれませんが、人によってはクイックモーションの方が好きで、ランナーがいないときにもクイックで投げる投手もいます。
流行もあります!
誰かが独特なフォームをやってうまくいくと、真似(参考に)する選手もいますね。
バッティングフォームなんかは、けっこう真似が流行るとみんなやったりします(笑)。
さて話を戻すと、脚を上げて振りかぶらないと、勢いがつけられないのとちゃうかな?
そんなふうに思いますけど、ピッチングでもう一つ大切なのは、体重移動と軸足への力のかかり方。
左脚をいかに前に出して、腰を低く落として投げることで、しっかりと軸脚に
体重が乗って、安定した投球ができるんですよね。
そもそも、山本投手は、ほぼ振りかぶらなくても、その体重移動がしっかりとできているフォームで投げています。
左脚を上げたあとに、その反動を使わずに脚を下に下ろして、すり足のように左脚を前に伸ばして体重移動をさせるようなフォームで投げています。
下半身の、横すり足投法とでも言いましょうか(笑)。
単に脚を上げるだけ余計な動作だった…
という結論にでも至ったのでしょうか。
それは、ご本人じゃないと分かりませんが。
しかしすり足のクイックに特化した投球になったため、さらにモーションに入るタイミングが読みづらくなるので、バッターとしては難易度が上がりますね。
それに振りかぶらない分のエネルギーも体重移動に寄せていければ、省エネ投球とも言えるのでしょう。
山本由伸投手といえば、ロケットのような槍を投げたり、独自の練習方法も持っているこだわり派。
やり投げ練習も最初はコーチに止められたそうですが、「有言実行」でしっかりと球速を伸ばすことができた。
実際、キャンプでも新しいフォームで序盤からビュンビュンと155キロ以上の球を投げてます。
本人のしっかりとした調整と、もとから築かれた投球セオリーがあったうえで、キャンプでの仕上がりを試しているのだと思います。
究極の下半身すり足投法。
3月にはWBC予選でさっそく全力投球が期待されている山本投手です。
ワインドアップでもない、
クイック過ぎる!?
例年以上に早い仕上がりが求められる今シーズンに、新フォームで臨む山本投手。彼の理想形を求める姿勢と、頂点を獲るという大いなる野望を感じます。
あとは、山本投手の活躍に比例して、この”振りかぶらない投法”がちょっと流行になったら面白いですね(笑)。
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スポーツイラストレーターT.ANDOH
おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。 プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。 プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。 名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!? |
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