南 郁夫の野球観察日記(138)希望の球春、甲子園球場で観察初め!

2023年3月6日 (文/南 郁夫、写真/Yasutomo)

長い冬、そして長い長い(文字通り)息苦しい生活がようやく終わろうとしている。希望に満ちた今年の観察初めは、やはり野外のデーゲームに限る!というわけで、3月5日(日)春到来を思わせる絶好の野球日和の中、阪神vsオリックス@甲子園のオープン戦で2023年野球観察、いよいよ開幕。よろしく!である。

ひっそりしていた野球場に、野球が、そしてファンが戻ってくる!オフの間、息を潜めていた野球フリークがもっとも心踊るのが、この瞬間ではなかろうか。冬の間、物悲しい姿を見せていた無人の野球場が、今日はどうだろう!真っ青な空と春の陽光に讃えられ、久しぶりの声出しで賑やかな歓声に包まれて、そしてああ、野球選手たちが躍動している!今年も野球が始まるのである。

実際この日は暑くも寒くもない、絶好の快晴・とろけるコンディション。適当な入りのスタンドで春の予感漂う外気を胸いっぱい吸い込みながらリラックスする私の視線の先には、オープン戦とあって「全部乗せ」みたいにぐるぐる交代してわんさか出てくる選手総ざらい!グラウンドもスタンドも多幸感でいっぱいの「観察初め」となったのである。

オープン戦だし。ピクニック気分で外野から野球を眺めていただけなので、細かいことはいいとして。一つ確かに感じたのは、オリックスにはなんだか王者の貫禄というか、ジタバタしてない雰囲気があったこと。それぞれの選手が立ち位置をわかってシーズンを見据えた調整をしているのを、肌で感じたのだ。超メジャー球団・阪神タイガースに対する気後れも全くなく、2年連続リーグ優勝、昨年日本一の実績はやはり財産だな、と納得した次第。

とにかく今回は野球シーズン到来の喜びをお伝えする回として、もちろん今期も契約延長「専属カメラマン」の写真集といたしましょう。おかえり!オリッ戦士たち。

この日のスタメンは、こんな感じ。下位打線、強力やん。

 

 

ようこそ森友哉。この日も貫禄のバッティングですでにファンの心を鷲掴み。防具のベルトで隠れるので、やはり背番号4は捕手には向かんと思うけど。

 

確かにラオウ次第なんですわ、今年の打線は。要所で結果を出すだけじゃなく、開幕から打ちまくってほすいな。ヒットでええから、打率打率打率!

 

レギュラーのオーラがぷんぷん、中川圭太。この日もオリッ唯一のホームランを放ち、無敵。あとはそのことを自覚するのみ。ちなみにサードコーチボックスに梵(そよぎ)がいるのね。

 

「フェン直王」頓宮裕真は、ちと早すぎる絶好調ぶり。本人には悪いけど打撃優先で、ファースト守備の方を磨いてほしい。今年はより重要なピースとなる予感。

 

なーんにも心配してません、ゴールデングラブのフリスビー犬・福田周平。今日も我が道を行く!福田がなんとかする!

 

紅バットの紅林弘太郎。今年はホップ・ステップ「からの」ジャンプの年(昭和な表現や)。日本一の大型遊撃手への道を、見守ろうぞ。この日はサトテルの痛打を大ファインプレー!

 

「帰ってきた」西野真弘は侮れない。33歳でレギュラーを取るかもしれない。試合後半で実現した大城との二遊間が渋すぎて、オールドファン感涙。

 

シュインシュインとチームに溶け込もうとする姿勢に好感が持てるシュインデル。ミート力はなかなかのもの。ゴンザレスとともに「ぐるぐる三振」タイプではないので今年の外人は期待?(と、昨年も同じようなことを言ったような…)

 

打撃練習ではガンガン打ってたドラ2・ルーキーの内藤鵬。とにかく振る!振れる!長打力が魅力の18歳。この試合でオリッが守備「総替え」をしたときに出場し、あまりの交代の多さに一人だけ場内アナウンス紹介を忘れられる…というプロの洗礼を受ける。(次の回に「先ほどの…」で紹介されていて笑)

 

田嶋大樹くんの今年の言葉は何だろう?それを求めてしまう私がいる。スピ左腕は今年も健在。仕上がり順調。

 

ドラ1・曽谷龍平、見れたー。バラつきながらもスライダーが有効で、アウトはほぼ空振りの三振。通用しとるやん。貴重な左の中継ぎに使えるか?

 

阪神ではやはりこの人、佐藤輝明が地元の期待を一身に受けていた。打撃の迫力はさすが超一流だが、守備で「岡田監督に絶対ネチネチ叱られる」とーっても雑なエラーをしてしまう。

 

阪神でロマンを感じた、4年目の井上広大。体はデカいし、雰囲気ムンムン。試合では本当にホームランを放ち、他に騒ぎどころのなかった阪神ファンは大喜び。実に「品のある」軌跡の打球を放つのだ!

 

阪神ってこういう見た目の外人、好きやなあ。守備練習で「こいつ絶対DHしかでけんやろ」と言われてた、新外人・ミエセス。メジャー経験ないのか…。

 

ちょうどリリーフカーがよく見える場所にいたのだが、電動でエコかしれんけど、芝生めっちゃ痛めてませんか?

 

阪神タイガース永久欠番プレートを背筋伸ばして眺める、オールドファンの図。甲子園球場って歴史遺産なんやと感じる瞬間。

 

おまけ。専属カメラマンのTwitter(@Bs_37373)で一番「いいね」が多かった写真。外野で球拾いをしていた松井雅人スコアラー、ボールケースを転倒させるw

 

野球シーズン開幕準備、完了!今シーズンもよろしくお願いします。

 


<過去コラム一挙掲載!>
オリックス、元メジャーリーガー、女子野球…ベースボール遊民・南郁夫の野球コラム集。

 

南 郁夫 (野球観察者・ライター)
通りがかりの草野球から他人がやってるパワプロ画面まで。野球なら何でもじっと見てしまう、ベースボール遊民。あくまで現場観戦主義。心の住所は「がらがらのグリーンスタジアム神戸の二階席」ブログ「三者凡退日記」
著書「野球観察日記 スタジアムの二階席から」好評発売中!
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