スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(127)アメリカ野球殿堂!あの候補はどうなった?
2025年1月27日(イラスト・文/T.ANDOH)
こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
先日、イチローさんの日米での野球殿堂入りが発表されて、世界が湧きました!
その一方で、
「なぜ満票にならなかった!?」
といって、イチローさんに投票をしなかった有権者(スポーツ記者)を非難する声もあがりました。
日本でも、票を入れなかった記者を擁護する意見を示した評論家にまた批判が集まるなど、話題になりましたね。
その野球殿堂選考について、もう一人候補になっていた「あの人」の投票結果を踏まえて、少し僕の意見をお話しさせてください。
その「もう一人の候補者」といえば、前回のコラムで紹介したアダム・ジョーンズです。
MLBオリオールズのレジェンド選手であり、オリックスでもプレーをしてくれた選手です。
日米で野球殿堂に選ばれた助っ人外国人選手もまだ現れていないことから、オリックスファンとしてはジョーンズ選手の殿堂入りについても注目をしていたのですが、アメリカの野球殿堂の投票結果を下記記載しましょう…
2025年度のアメリカ野球殿堂入り投票結果(有効投票数394)
イチロー 393票(99.7%)殿堂入り
CC・サバシア 342票(86.8%)殿堂入り
ビリー・ワグナー 325票(82.5%)殿堂入り
――――――
カルロス・ベルトラン 277票(70.3%)
アンドリュー・ジョーンズ 261票(66.2%)
チェイス・アトリー 157票(39.8%)
アレックス・ロドリゲス 146票(37.1%)
マニー・ラミレス 135票(34.3%)
アンディ・ペティット 110票(27.9%)
フェリックス・ヘルナンデス 81票(20.6%)
ボビー・アブレイユ 77票(19.5%)
ジミー・ロリンズ 71票(18.0%)
オマー・ビスケル 70票(17.8%)
ダスティン・ペドロイア 47票(11.9%)
マーク・バーリー 45票(11.4%)
フランシスコ・ロドリゲス 40票(10.2%)
デービッド・ライト 32票(8.1%)
トリー・ハンター 20票(5.1%)
―――――――
イアン・キンズラー 10票(2.5%)資格喪失
ラッセル・マーティン 9票(2.3%)資格喪失
ブライアン・マッキャン 7票(1.8%)資格喪失
トロイ・トゥロウィツキー 4票(1.0%)資格喪失
カーティス・グランダーソン 3票(0.8%)資格喪失
アダム・ジョーンズ 3票(0.8%)資格喪失
カルロス・ゴンザレス 2票(0.5%)資格喪失
ハンリー・ラミレス 0票(0%)資格喪失
フェルナンド・ロドニー 0票(0%)資格喪失
ベン・ゾブリスト 0票(0%)資格喪失
残念ながら、アダム・ジョーンズは3票の得票に甘んじ殿堂入りならず。
しかも、10年の権利保有資格の中でも、毎年の投票で得票数が全体の5%以下となると、上記記載の通り「資格喪失」となってしまい、来季以降のチャンスも無くなってしまいました…(涙)。
こうして殿堂入り候補に挙がっても落選する選手、毎年候補に上がってもなかなか選ばれない選手も現れるわけです。
そこで、イチローさんに投票をしなかった人は誰に投票をしたのか!?
といえば、先述の評論家の方などの意見も聞いていると、こうした当落戦上ギリギリの選手たちを援護した投票をしたことも窺うことができるのです。
もちろん、投票中に投票状況は見られません。
ただ、毎年候補に挙がっていても選出されない「惜しい」選手もいる。
すごい選手達が集まってしまって、結果漏れてしまう選手も多々あるみたいです。
有権者の中には
「当落線にいる選手にもチャンスを残したい」
と、別の選手に投票した方もいるんだと思います。
それが、日米ともに「満票」にならなかった理由なのではと思うんです。
それでも
過去には満票者がアメリカでも一人いた!(ヤンキースの抑え投手として活躍したマリアノ・リベラですね)
と言うんだから、すごい話です。
3票だけとはいえアダム・ジョーンズ選手に投票をした方もいるわけだから、落選した選手でも殿堂入りするのに相応しい候補者だったことには違いありません。
ジョーンズ自身は「投票用紙に名前があるだけで、とても名誉なことなんだ」と語っています。
有権者の方にもそれぞれの思いがあって投票をしているので、決してあまのじゃくな投票をした訳ではないと思いたい。
まぁ
そこはイチローさん本人も
「完璧じゃないところが良い」
と言っていますしね。
オリンピックの「金メダル」に期待をする風潮と一緒で、世論は気楽なもんです。
でも、そこに行き着くまでの難しさ、世界の大きさ。
1票でも入ることはすごいことですし、その票を持つ有権者の思いもまた尊重したい。
今回の野球殿堂の一件でも、その1票の大きさについて、あらためて認識をしたいと感じた一幕でした。
殿堂入りはかなわなかったけど、日米でボブルヘッドになっているくらい(笑)、アダム・ジョーンズはオリックスにとってもファンの記憶に残る頼もしい助っ人でした!
※イラスト・写真の転載・無断使用はご遠慮ください。使用をご希望の場合はK!SPO編集部までご連絡ください。
![]() |
スポーツイラストレーターT.ANDOH
おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。 |
Twitter でK!SPOをフォローしよう!
Follow @info_kspo