スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(62)CSの鍵を握るかも!?ポストシーズンを知る男、マーウィン・ゴンザレス

2023年10月17日 (イラスト、文/T.ANDOH)

こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
リーグ優勝も早やひさし…
クライマックスシリーズの相手が千葉ロッテマリーンズに決まりましたね!
激戦!
まさしく短期決戦の怖さを体現するような、一気に潮目の変わる面白さ、一投一打の重さ、恐ろしさの詰まったファーストステージでした。

そして、
いよいよ明日からはオリックスが「日本一」を目指すファイナルステージが始まります。
緊張感のある、落とせないという短期決戦には、乗り越えられるタフさが必要ですよね。
「サブ」とは言わせない!
シーズンを通して適材適所と言わんばかりに、たくさんの選手が勝利に貢献してきたオリックスです。

福田周平選手や西野選手など、シーズン終盤に来てこの優勝争いや勝利をつかむチャンスをモノにしてきたベテラン選手が挙げられると思いますが、今回のCSのキーマンとして、マーウィン・ゴンザレス選手を取り上げたいと思います。

「ポストシーズンを知る男」
日本のプロ野球じゃありませんよ。
ゴンザレス選手は、ヒューストン・アストロズでメジャーリーグのポストシーズンを経験している選手なんです。
しかも1回だけじゃない!

2014年から2018年まで在籍した間に、アストロズは一気に常勝チームに”上昇”し、じつに5回のポストシーズンを経験し、ワールドシリーズ制覇も経験しています。
最初のポストシーズンは、ワイルドカードで進出した2015年、その後もアストロズは補強と生え抜き選手の底上げがともに功を制し、2017年には地区優勝を果たします。
そして2018年、2019年と三連覇!
その間“サイン盗み問題”が発覚しますが、2020年も不調ながらワイルドカードでポストシーズン進出。
2021年には再度地区優勝を果たすと、昨年も地区優勝でワールドシリーズ進出。
そして今年も!
最終戦までテキサス・レンジャーズと優勝争いを交えて逆転優勝!
いま、あらためてワールドシリーズ進出を目指してプレーオフを戦っています。
不正問題の事実もあれど、とにかく強いアストロズ。
実力は間違いなく高く、オリックスとともに「常勝軍団」のスパイラルを構築できているんですよね。

ゴンザレス自身も、出場試合が一気に増えた2015シーズンから優勝争いを繰り広げるアストロズで台頭してきます。
この当時、アストロズにはカルロス・コレアとホセ・アルトゥーベという鉄壁の二遊間が確立していて、ゴンザレス選手はそのコレア選手とポジションを争っていたんです。
熾烈なレギュラー争いに挑み、ときにはスタメンで、ときにはチャンスに期待される代打として・・・と、強いチームで戦う能力を磨き、2017年はMVP候補にも上がる活躍をしたんです。

ほら
もうこの時点で、いまのオリックスと環境がそっくりでしょ?
2019年から出場機会を他チームに求めて移籍しましたが、ライバルだったコレア選手も移籍をすると、2021年には逆にシーズン終盤にアストロズに呼び戻されて、地区優勝に再度貢献します。
今年のゴンザレスもまた、シーズン中盤には怪我で離脱をしましたが、9月にはしっかり1軍に戻ってきてスタメンにも就きリーグ優勝に貢献。
10月に入ってからは、とりわけゴンザレス選手の活躍が印象ありましたよね。

アストロズの強さは、シーズンだけじゃなくポストシーズンという”短期決戦”の強さからもうかがえます。
今季もメジャーのポストシーズンでは、シーズン100勝(メジャーは160試合ありますから)という快挙を引っさげて進出したロサンゼルス・ドジャースやアトランタ・ブレーブスが敗退するというドラマも起きています。
ドジャースやブレーブスは、もともとポストシーズンに弱さを出してしまうクセもあるのですが、逆に順当に勝ち上がってくるのがアストロズだったりもします。

個人的に、10月に元気だと思うオリックスの野手としても、安定感のある宗・中川の両選手にくわえ、ゴンザレスを挙げたいと思うんです。
チームの立ち位置に関わらず自分の与えられた条件の中でしっかりと仕事をする「プロ」の姿を感じるんですよね。
早かったリーグ優勝の後は中嶋監督もいろんな選手を試す意味もあるのか、勝ち負けの内容にムラを感じることもあるオリックスですが、逆に上昇しているのでは?
と思う選手がゴンザレス選手です。
ポストシーズンも見据えた長いスパンで自分を仕上げてきているんとちゃうか?
そうまで思っちゃうんですよね。
それは常勝軍団でもしのぎを削り、緊張感たっぷりの短期決戦にも勝ち残ってきたゴンザレス選手なりのシーズンの過ごし方なのかもしれません。
もともとが器用な選手でもあるし、中嶋監督もその実力と実績をひそかに期待しているのではないか…!?
短期決戦はノればイケる。
相手の勢いに負けず、しっかりと締めて、わずかなチャンスをしっかりと掴む。
そんなファイナルステージの立役者としてゴンザレス選手の動きに、ぜひご注目を!!

 

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スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。

プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。

プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。

名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

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