スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(93)関学ファイターズ、下級生の動向を占う立教大戦

2024年5月21日 (イラスト・文/T.ANDOH、写真/Azusa Suzuki

こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
今回は5月19日(日)に王子スタジアムで開催された関学ファイターズ春の交流戦、立教大学との一戦をレポートします。

関学ファイターズは国際交流の一環としてアメリカへ遠征し、5月4日に南オレゴン大学とも交流戦をするなど精力的に交流戦を行なっており、今回は関東リーグ昨シーズン2位の立教大学ラッシャーズとの一戦でした。

今回は新人を含む下級生選手に注目をしてみたいと思います。
というのも、
春の交流戦は上級生選手をけっこう温存しているんですよね。
エースQBとなる新3回生の星野秀太選手をはじめ、4回生RBの伊丹選手、4回生TEの安藤選手などが出場登録を外れています。

交流戦は新チームを構築する段階。
もともと試合数が少ないアメフトですから、秋の公式戦に向けていろんな選手をテストする時期でもあります。

そこで登場したのが、交流戦初出場の1回生QB、星野太吾選手。
先に紹介した3回生QB星野秀太選手の「弟」なんです。
スタメンは前回も出場した2回生QBのリンスコット・トバヤス(トビー)選手でしたが、この日はトビー選手と星野選手の2枚QBで試合を展開します。

序盤はランとパスを交互に展開して攻撃を重ね、1Qにフィールドゴールで先制すると、その後トビー選手から1回生WRの片桐太陽選手にパスが通りタッチダウン。
2Qは立教大学にポゼッションを取られ、2回のフィールドゴールの機会を与えますが、失点は3に抑えると次のポゼッションでトビー選手のパスを受けた4回生WRの五十嵐太郎選手がタッチダウン。
前半から17-3と大幅リードをします!

こちらは五十嵐選手のパスキャッチの瞬間。
タッチダウンパスではないですが、このジャンプの高さといったらハンパなくないですか!?
驚異的な身体能力とその後の鍛錬の賜物です。
こうしたすごいプレーを随所に楽しめるのがアメフトの魅力です。

後半は星野太吾選手がQBに登場。
1回生の春とは思えない落ち着きがありましたね。
ボールハンドリングは兄秀太選手にも似ているところがあります。
パスもランも上手ですが、よりスピードに磨きがかかってくることでしょう。
ここは兄秀太選手も言います。
判断力のスピードアップと、素早い判断をするための視野の使い方はもっと練習してもっとうまくなると。
高校生のレベルとは大きく変わる部分なんですね。

それでも、後半は星野選手が中心となってリードを重ねていきます。
ディフェンスも下級生の選手が積極的に起用されていましたが、ここぞという時には経験豊かな上級生のプレーが光ります。

立教大が蹴ったパントキックを身体でブロックしボールを弾き、そのまま受け取った3回生LBの東田選手がゴールへ持ち込んでタッチダウン!というプレーもありました!!

パントキックをブロックするのは予測がしづらいビッグプレーとなりますが、相手フォーメーションのわずかなを察知して飛び出したんだそうです。

関学 41 × 10 立教
毎クォーターで得点を積み上げた関学ファイターズが見事勝利!
1回生・2回生も多く活躍した一戦となりました。
冒頭のお話のとおりシーズンの本番は秋ですから、秋に向けて下級生にとってはチャンスの時期です。
このチャンスに試合経験の浅い下級生選手が活躍することはこれからのチーム作りに大きな影響も与えますし、選手にとっては成果も課題も拾える貴重な経験となりますよね。
そして1回生からポテンシャル豊かな選手がいるという関学の層の暑さも、あらためてうかがえます。

もう一人、新2回生となる選手を紹介しましょう。
DLの八木駿太朗選手は190cm98kgのビッグマンですが、その大きな体躯を育んだのは野球。
しかも!
花巻東高校硬式野球部の出身!!
大谷翔平選手の後輩であり、チームメイトには1学年下に佐々木鱗太郎選手がいるという選手です。
八木選手がプレーするDLは上級生の卒業で大きく入れ替わりました。
素人目にも今年のラインはとっても良いプレッシャーを与えていると思うので、八木選手もどんどん経験を重ねてほしい選手です。

こうして、ポジションは細かくたくさんの名前に分かれているのがアメフトなのですが、ポジションにおかれた仕事をこなし、個々の能力を発揮できるのもまたアメフトの魅力。
八木選手のように他競技を経験してアメフトに転向する選手も多いんですよね。

我々にとっても、いろんな選手を見ることができますので、春のシーズンで大いに印象を残してくれれば楽しみはさらに膨らみます!
関東リーグとの交流戦は前回の慶応大、そして今回の立教大で終わりますが、今週末には目下のライバル校である関西大学との関関戦が行われます。
秋のシーズンに大きな影響を及ぼす一戦となるため、この立教戦とはまた違う戦いが見込まれます。

「たくさんの作戦パターンをしっかりと全うできるよう練習を重ねます」
4回生LBの永井キャプテンをはじめ選手の皆さんが共通してセットプレーの完成度について意気込みを語ってくれました。
自分達がプランしたプレーをしっかりと行うことが、ピンチにも耐えられてペースを掴むことができるんですよね。試合を重ねて底上げしていくチームの戦いに注目をしながら、どんな下級生が起用されていくか、これからを担う若い戦力にも注目です。

てなわけで、今日も言います。

今からでも十分間に合いますので、ぜひアメフトの試合も楽しんでください。

 

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スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。

プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。

プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。

名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

 

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