スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(96)関学ファイターズ春の交流戦、大一番の立命館大戦

2024年6月11日 (イラスト・文/T.ANDOH、写真/Azusa Suzuki

こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
関学ファイターズの春の交流戦を4月から追いかけてきましたが、5月26日の関西大学戦に続き、春の大一番となる立命館大学戦が6月9日に開催されました。

立命館びわこ草津キャンパス創設30周年を記念してアウェイで行われた試合。

この日は学園祭のように、大学をあげてお祝いイベントを開催しており、たくさんの学生、OBOG、一般客の皆さんが集まる中で行われました。

関学が王子スタジアムで開催している「テールゲートパーティー」のようなイベント展開で、すり鉢状のフィールドを囲むように椅子が並べられ、多くの方が試合を楽しみにしてました。

関学のスタメンQBは1回生の星野大吾選手。
前回から紹介している3回生QB星野秀太選手の弟ですね。
「出来すぎ」と大村監督にも評された大物1回生は抜群のプレーメイクでRBを活かしてゲインを進めると、この日WR登録の2回生リンスコット・トバヤス選手にパスを通してタッチダウン!
さっそく関学が先制点を挙げました。

対する立命館大学は、3回生QBの竹田選手を中心にランとパスをバランスよく繰り出していきます。
関学もディフェンスはラインの選手を中心に健闘していて、かろうじてフィールドゴールによる得点に押さえていきます。

2Qにかけてもランによるゲインを進め、4回生RBの澤井尋選手がラッシュの上を飛び越えてタッチダウンとリードを伸ばしますが、ここから立命館にもギアが入ってきました。
これ以降QB竹田選手のパスも決まるようになり、3回生WBの木下亮介選手のパスが決まってタッチダウン。
直後の関学の攻撃も抑えると次のポゼッションでも果敢にパス攻撃も繰り広げてファーストダウンを更新し、フィールドゴールを引き寄せました。

3Qに入るとQB星野大吾選手へのマークも厳しくなりますが、伊丹・澤井の両RBによってランを重ねて最後には4回生TEの安藤柊太選手にパスが通りタッチダウン。
春のシリーズにはずっと温存していた安藤選手が、満を辞して起用に応え持ち味を発揮。
巧みなポジショニングからの得点でした。

12点差で迎えた4Qでしたが、立命館のRB山嵜選手のタッチダウンランが決まると、立命館CBの橋本選手が星野選手のパスを立て続けに抑えるなど、さらにペースを掴んできます。

関学はフィールドゴールでリードを広げ、点差は9点。
しかし残り2分の立命館の攻撃でQB竹田選手のパスがゲインを重ね、さらに2回生WR有馬快音選手へのパスが決まってタッチダウン。
直後のトライではキックを選ばず2点コンバージョンを選択すると再び竹田選手から有馬選手へのパスが決まって2得点成功!
残り51秒で同点になりました!!
勝ち越しを目指すにはワンチャンスありましたが、ここにきてQB星野選手が相手サックに遭い万事休す。

立命館24×24関学

後半には立命館に流れを掴まれてしまい、それを食い止められなかった悔しいドローとなりました。

「悔しいですね~」
開口一番、キャプテンの4回生LB永井励選手は苦笑いしながら歩み寄ってきてくれました。
個々の選手の頑張りは見えつつも、小さなほころびが大きな影響をもたらしていること。
そして立命館大学の層の厚さを語ってくれました。
それでも
課題は浮き彫りになればなるほど修正のチャンスとなると、緊迫した強豪校との対戦を終えて目線は次を見据えていました。

関大、立命大戦と連続で得点をあげてきている4回生RBの澤井尋選手。
伊丹・澤井両選手は今シーズンも得点源として期待大のRBの両翼です。
伊丹選手同様、天性の能力に加えて攻撃の質が高まってきている印象がありました。

個々がテーマを抱え、実践で活かす春の交流戦。
そんな春のリーグにめいっぱい成果も失敗も体現できれば良いんです。
ディフェンスバックが苦戦した中で、永井キャプテンとディフェンスの両翼を張ったのが4回生LBの日名圭太選手。
「アメリカ遠征での経験も培ったファンダメンタルをさらに強化して、秋の大会に向けていきたい。」
さまざまなポジションがあるアメフトですが、各ポジションがそれぞれの能力を分析し、見極め、さらにチームとしての質を高めていける。
目立つポジションではない選手たちも、高い志と経験を無駄にせずに一戦一戦を刻んでいることが、春の交流戦を通じて伝わってきました。

ここからさらに改善していくところもあれば、まだまだ戦略的に隠しているところもあるでしょう。
春からライバル校とぶつかり合い、苦しいゲーム展開を見せるも、それも「収穫」と受け入れ秋にのぞむ関学ファイターズです。

史上初の7連覇を目指す関学ファイターズの戦いは始まっています!
9月から始まる秋の公式戦に向けて、さらにコラムを通じてアメフトに興味を持っていただき、関学とともに学生スポーツがさらに盛り上がってほしい。

今日も最後は合言葉を言わせていただきます。

関学ファイターズの戦いは、これからもご紹介していきますね。

 

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スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。

プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。

プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。

名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

 

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