スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」（55）関西学生アメフトリーグ9月開幕！関学、連覇の道へスタート！

2023年8月31日（イラスト・文／T.ANDOH）

こんにちは！スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
暑い暑い8月も終わり、スポーツの秋が始まりますね。関西学生アメフトリーグも9月に開幕です！
今回は、先日8月28日に開催された関西学生アメリカンフットボールの新シーズンコンベンションの様子から、今年の関学ファイターズの展望をお伝えします。

甲子園ボウル連覇に向けて、不動の強豪チームとなっているファイターズ。
この日は1部リーグで戦う８チームの監督が集結した共同記者会見も開催されました。
関学ファイターズの監督は、名将鳥内監督から引き継がれ４シーズン目となる大村和輝監督。
その大村監督を囲むように両サイドに並ぶ各校の監督に向けて、ひとつの質問が飛んできました。
「対関学についてのポイントは？」
「また、皆さんの意見を伺った上での大村監督の戦略をお聞かせください」
関学一強の証なのか、呉越同舟の謙遜（本音を隠してる？）のか、もう「別格」というばかりに飛び抜けた戦力を評価し、もうスキを狙って全力でぶつかっていくしかないというコメントが並ぶ記者会見でした。

そんな関学の大村監督ですが、
「やってみないと分からん、なんだかよく分かんないチーム」と、今年のチームを語ります。

チームの戦力に大きな変化がないのが今シーズンなんですね。
エース格の選手たちが４回生となる今シーズン。
昨シーズンの甲子園ボウルで活躍したRBの前島選手、DLのショーン選手、キャプテンの海崎選手、ほか副将の選手たちもみんな４回生のチームです。
春からのテストマッチでは、引き続き４回生の主力選手が活躍しながらも、負け試合にはがっつりと悪い流れに流される。
チームの戦力は良くも悪くも変わらず、いかにポテンシャルを発揮できるかが、チームの強さであり、課題であると語っていました。

キーマンのプレイヤーとして名前が挙がったのは、2回生QBの星野秀太選手と、４回生QBの鎌田陽大選手。
１回生の昨シーズンからレギュラーQBに定着した星野選手は、もう関学ファイターズにとっては今後のエースとして期待が寄せられます。
星野選手、鎌田選手ともに武器なのはパスプレー。

一方で、関学オフェンスには4回生副将でRBの前島選手、３回生の伊丹選手がいて、ランプレーもまた関学オフェンスの最大の武器となっています。
星野選手、鎌田選手ともにパスプレーにおいてのシステムとターゲット探しで少しロスが出ることがあることもあるので、両QBにとってはこのパスプレーの精度とスピードがポイントと思います。

ディフェンスでのキーマンに挙がったのは、キャプテンの4回生LB、海﨑琢選手。
相手の攻撃のターゲットを的確に捉えて流れを切る役目。
ストイックな性格でキャプテンシーもある好漢には、チームがピンチの時こそ冷静に立て直す力も持ち得ています。
QBをキーマンと掲げ、武器でもあり課題でもあるだろうパスについても、当該のQBはもちろん、WRのキャッチ精度、そしてチームが一丸となってオフェンスシステムの質を上げていけるか。

関大、立命館といった競合校がキーマンに上げるのはRBの選手たち。
ランプレーのシステムを先読みしてディフェンスを組み立てるのはLBの仕事。
ディフェンスについては自らがフィールド上で視野を広げ、的確にチームをまとめていけるか。
そのあたりのチームビルディングを、大村監督も期待していると思います。
星野、伊丹選手には来年があるが、長らくチームを牽引してきた最上級生の主力選手にとっては、シーズンを通して後輩の成長にも期待したいところ。

それぞれのポジションがしっかりと役割を担ってシステムが出来上がっていくのがアメフトなので、我こそがという意気の良い選手がしっかりと成長しつつ、チーム力を上げていってほしい。
今の戦力のままで満足せず、シーズンを通して上手に世代交代もうかがえるチームビルディングが、今シーズンの関学ファイターズの見どころとも言えます。

関学ファイターズの開幕初戦は9月2日、
17時30分より地元王子スタジアムで龍谷大学との対戦となります。
残暑厳しい中ではありがたい薄暮ゲーム。
ぜひ甲子園ボウルに向けて、良い意味で変化も期待したい関学ファイターズの応援に、お出かけになるのはいかがでしょうか。