スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(73)関西学院大学ファイターズ出場決定!甲子園ボウルの見どころ~守備編

2023年12月13日 (イラスト・写真・文/T.ANDOH)

こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
今週末12月17日(日)は「甲子園ボウル」!
関西学院大学ファイターズの史上初「6連覇」のための戦いが始まります!

前回のコラムに続いて、甲子園ボウルに向けてK!SPO読者にもっとアメフトに注目をしてほしいと思い、コラムを通じてアメフトのルール説明と関学の注目選手をご紹介しております!

アメフトの花形メンバーはクォーターバックだったり、ワイドレシーバーだったり…、オフェンス(攻撃)陣が注目されがちですが、オフェンスとディフェンスで選手が入れ替わるのがアメフトです。
今回は攻撃を止める「守備」選手たちを注目して、ルール説明をいたします!

攻撃陣が4回の攻撃権を与えられ、10ヤード以上の前進を目指して攻撃するのがオフェンスというお話をしました。
・パスを出す選手
・パスを受ける選手
・ランで突破する選手
・相手の守備陣を止めて味方の攻撃を助ける選手
このように役割ごとにポジションが成り立っている分、守備陣にもそれぞれの役割を持つ選手がいて、フォーメーションが出来上がります。

お相撲とっているように先頭で対峙する選手たちは「ライン」と呼ばれるんですが、この「ライン」の選手は、攻撃側も守備側も、基本的には相手選手を止めるのが役目。
なので、身体の大きな選手が基本的につきます。
ボールに触ると「ファウル」になる選手もいます…!!

しかし、ただの用心棒的なポジションではありません。
相手ラインの動き、その後ろのポジションの作戦を読み取り、いかに流れを止めるかがラインのお仕事。
予測して道を阻む機敏性と判断力が求められます。

このディフェンスラインには4回生のトゥロターショーン礼がいます!
昨シーズンのリーグMVP、学生アメフトの個人賞としてトップにあたるミルズ杯の受賞者です!!
今シーズンは怪我で公式戦の出場は終盤のみでしたが、立命館戦、関大戦で登場すると、ブランクを感じさせない動きで相手選手をねじ伏せるプレーを見せてくれました。

守備にも作戦があります。
相手の作戦を察知したり予測して、ディフェンスも守備のための作戦を組むのですが、そんな守備の作戦を立てるのが、概ねラインのキャプテンクラスの選手またはラインバッカー(LB)の選手たち。
ラインバッカーは、ディフェンスラインの後方からフォーメーションを確認し、守備の起点となる選手たちです。

両翼で2人が構えるこのポジションには、4回生のキャプテン海崎(かいざき)琢選手、3回生LBの永井励選手がいます!
アメフトコラムでもほぼ毎回登場する海崎選手。
責任感の強い正義感あふれる好漢です。

「キミ、ほんまに大学生?」
とツッコんでしまいたくなるくらい、一本気で”オトナ”な選手。
試合後のインタビューにも全員の質問に丁寧に答える!
その細やかさと緻密さで関学ファイターズを束ねてきたキャプテンです。

そんな海崎キャプテンの背中を追うのが3回生の永井励選手。
小柄ながらガッツあふれる永井選手は機敏性もあって、大きな相手にも果敢にぶつかっていきます。

そして、ラインバッカーのさらに後方および左右から敵の前進を止めるのがディフェンスバック(DB)。

あらためて、フィールドに立つ攻守のそれぞれのフォーメーションを図でご覧いただきましょう。
先述のオフェンス陣のポジションでいくと、QBやRBを止めるのがフロントラインやLBの仕事とすれば、WRやTEを押さえるのがディフェンスバックでしょう。
守備位置によってコーナーバック(CB)、セーフティー(S)と呼ばれてもいます。

ディフェンスバックでは、2回生の東田隆太郎選手と3回生の中野遼司選手をピックアップします。
機敏性があり185cmという長身の東田選手は、切り抜けようとする相手選手に鋭いタックルで攻撃できる選手です。
中野選手は広い視野と豊かな身体能力で相手のパスを奪う「インターセプト」が得意!
昨シーズンはベストイレブン、今シーズンは最優秀守備賞を獲得するなど、関学ディフェンスのキーマンとなっています!

このように、ポジション別に自らの役割を全うしながら相手の攻撃を阻むのがディフェンス陣です。
前回お話したとおり、攻撃陣は4回の攻撃権をもらって10ヤード以上のゲイン(前進)を試みるわけですが、その攻撃陣を守備が止められれば、攻撃権を自チームに入れ替えることができます。
そのために、1ヤードでも前進を許さず、むしろ押し出して後退させたり、相手のボールを奪うインターセプトやターンオーバーをねらいます。


そして攻撃権が4回目となった際、攻撃チームからはキッカー(K)と呼ばれるキック専門の選手が出てきます。
キッカーが最後の攻撃で少しでも相手の攻撃権を遠くから始めさせるためにキックをすることを「パント」といいます。
パントが蹴られると、守備だった相手チームがボールを取り、相手側の攻撃が始まります。
もしくは、フィールドの中央より相手陣地に進んでいた場合は直接ゴールポストにキックをすると得点を得ることができます。
これがタッチダウンとは別に得点を得るもう一つの方法で、得点が決まると3点が得られます。
相手側としては3点に抑えられるという見方もありますが、僅差で競っている場合はこの3得点が勝敗を左右する可能性もあるので、キッカーもまた重要な役割です。
ファイターズのキッカーは2回生の大西悠太選手が努めます。

甲子園ボウルに臨む関学ファイターズの選手を取り上げつつアメフトのルールをご紹介いたしました。
最後の1プレーまで分からない!
高尚かつ豪快なぶつかり合いが魅力のアメリカンフットボール。
その大学チームの頂点を決めるのが「甲子園ボウル」です。
応援団をはじめ学生スポーツならではの応援合戦やチアのパフォーマンスは楽しめるし、学生が発行する新聞や応援グッズの配布などもしているので、OBや身内の方だけじゃなく、一般のお客さんも十分に楽しんでいただける大会です。

相手の法政大学は関東の雄として誇る名門チーム。
アメフト大好きタレントの一人として知られているコージ・トクダさんも法政大学アメフト部OB!
しかも!3回甲子園ボウルにも出場していて、ディフェンスの一員として2回生だった2006年には関学に勝って甲子園ボウルで優勝もしているんです!!
昨シーズンは社会人トップリーグで選手として現役復帰もしたのですが、アメフト関連の動画を公開するなど、アメフトの人気普及のための活躍をされています。
そんなコージさんもOBに持つ激戦の関東を制した法政大学との一戦!

学生スポーツのなかでは珍しく「西高東低」と言われているのがアメフトです。
そんな関西で3校が熾烈を極めた末に進出してきた関学ファイターズ。
今年も、寒さを吹き飛ばすような激戦が予想されます!!

いよいよ迫ってきた「毎日甲子園ボウル」
ぜひお出掛けいただいてはいかがですか?

今週末、12月17日(日)に甲子園球場で開催です!!
詳しくはこちら
https://www.koshienbowl.jp/2023/

昨年2022年の甲子園ボウルは、リポートはこちら

 

※イラストの転載・無断使用はご遠慮ください。使用をご希望の場合はK!SPO編集部までご連絡ください。


スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。

プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。

プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。

名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

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