スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(74)関西学院大学ファイターズ!甲子園ボウル史上初の6連覇達成!

2023年12月20日 (イラスト・文/T.ANDOH、写真/Azusa Suzuki

こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
12月17日に開催された「第78毎日甲子園ボウル」の様子をご紹介します!!

西日本代表の関学ファイターズは史上初の6連覇を目指し、東日本の勝者法政大学オレンジとの対戦。
そしてRB前島選手をはじめ、激戦のレギュラーシーズンを牽引してきた最上級生にとっては、大事な大事なヒノキ舞台となります。

試合が始まると、2回生QBの星野秀太選手のプレーが光ります。
1Qに法政大学の攻撃を封じ込めると、関学の最初の攻撃でパスとランをからめ順当にゲイン(前進)を進めると、1stDown10ヤードで星野選手が自らランで先制のタッチダウンを決めます。
「自分の足でタッチダウンを決めたいんです」
試合前から星野選手は抱負としてこう語っていました。昨シーズンは自分の判断力の甘いところを上級生QB鎌田選手にもフォローしてもらっていた星野選手。
今シーズンも、いろんなバリエーションを持ち得ながらも相手のプレッシャーに勝てず負傷退場することもあった星野選手。

先輩、鎌田選手のためにも自身の成長を見せることのできたタッチダウンでした。
関学はその後もすぐに星野選手から2回生WR五十嵐太郎選手へのパスも決まり2つ目のタッチダウン!!
さらに関学が法政を敵陣に追い込むと、エンドにねじり込んでセーフティ(守備側が相手攻撃陣をエンドゾーンまで追い込むこと)を得て2得点。
1Qから16―0とリードをします。

2Qも関学劇場!
関学ポゼッションのままフィールドゴールで得点をあげると、再度星野選手のランが決まり追加点。

直後の法政大学の攻撃ですが、パスターゲットの選手を攻めにいった4回生DLトゥロターショーン礼選手の頭にボールが直撃!

そのボールをしっかりと掴み取ったショーン選手が45ヤードを駆け抜け、インターセプトタッチダウンも決まります!!

先シーズンのミルズ杯獲得選手であるショーン選手は、最前線で相手選手を止める役目。
そんなショーン選手に思わずのインターセプトでしたが、さらにタッチダウンまで決められたことは、甲子園の女神からのご褒美だったかもしれません。

得点にからむオフェンス陣だけではなく、スクリーンのための献身的なプレーもパスやランを生かします。
こちら、T.ANDOHと同じ苗字の3回生TE安藤柊太選手。

こちらはタックルにかかる4回生キャプテンのLB海崎琢選手です。
ディフェンス陣のブロックもまた得点を重ねる要因となり、ポゼッションをリードしていきます。
それでも2Qは法政大学も一矢報いて1タッチダウンをあげて前半は33対7とします。

ところが後半も得点ラッシュとなります。
3Qには星野選手からのパスをWR五十嵐選手が再びキャッチしタッチダウン!
「今年、五十嵐はすごく成長してると思います!」
星野選手は語ります。同級生である五十嵐選手とのコンビネーションでタッチダウンを決めることも星野選手の目標でした。

同じく3Qには、RB前島選手のタッチダウンも決まります。
この日はポジション的にはWR登録で出場した前島選手ですが、QBにまわり自らランを選択するスペシャルプレーの基点となるなどさまざまなオフェンスパターンを繰り出しましたが、最後は自分の足で左サイドの穴をついて走り抜けました。

合計8タッチダウン、最大得点差53点の大量リードとなると控えの4回生に入れ替わりましたが、最後まで全員で攻防を切り抜けます。

星野選手にエースの座を譲る4回生QBの鎌田選手も、星野選手とタイムシェアをして有終の美に向けてプレーします。
4Qには意地を見せた法政大の2つのタッチダウンを奪いますが、ポゼッションが代わった関学がそのままボールをキープして試合終了。
関西学院大学ファイターズ
貫禄勝ちで史上初の甲子園ボウル6連覇、通算でも最多34回の優勝を果たしました。

星野くん、泣いてるよ。
そして、星野くんを囲みのインタビューで泣かしちゃったよ(笑)。
4回生QB鎌田選手との抱擁につい顔をゆがます2回生QB星野選手。
自信持って大舞台に臨むも、今シーズンは相手のマークも厳しくなっている身の前で、再三のピンチや怪我をフォローしてくれた優しい先輩の笑顔には、次代のエースも素直に感謝の気持ちを涙で示していました。
たくさんのことを学んだ先輩の最後の試合。
それを最高の勝利で飾ることができたことは、星野選手はじめ下級生にとってはその強さを継承する誓いでもあります。

4年間を過ごし、その王者という肩書きを背負って全国の注目を一気に背負った海崎キャプテンのこんなにはじける姿は、表彰式まで見ることはありませんでした。
王者としてのプレッシャー、負けることも知ったことで関大戦以降、さらに厳しい練習を積んできたという関学ファイターズ。
それだけ関西リーグのレベルは上がってきているし、まだまだ二十歳そこそこの大学生でもある選手にとっては、多大なるプレッシャーと、それを乗り越える強いメンタルが求められます。

しかしそれを乗り越え、継承されてきたからこその6連覇。
この強さと、学びのスパイラルは、新たな関学ファイターズの伝統として下級生に受け継がれていきます。
今シーズン、春から関学ファイターズを追いかけさせてもらいましたが、学生スポーツの素晴らしさを再確認できました。
アマチュアだから、学生だから、
という甘えはないんです。
勝ちを追求し「Dominate」というスローガンを自らに課して、自分たちに厳しく、そして自分たちで考える力を育む姿勢で臨む関学ファイターズは、全国制覇をしてもまだまだ先を見据えています。

アメフトという激しく、高尚なスポーツに取り組むことで自分自身を成長させている関学ファイターズ。
少しでも、読者の皆さんにアメフトの楽しさ、学生スポーツの意義を伝えられたらと思います。
とくに来シーズンからはこの「甲子園ボウル」への出場権をかけたプレーオフの体勢が変わります。
学生スポーツにとっては稀な「西高東低」な体制を撤廃し、東西の上位チームで順位別にプレーオフを戦うようになります。
今年関学ファイターズをレギュラーシーズンで下した関西大学との関西対決!
なんて甲子園ボウルの可能性もあります。
関西の他校にとってはチャンスであり、関東の学校にとってもレベルアップのきっかけが見込めます。
それだけ関学ファイターズにとってもシビアな戦いが待っているわけで…
ますますのアメフトの盛り上がりと、現下級生のこれからの成長に期待なんです。

また来シーズンも、兵庫県を代表するスポーツチームとして関学ファイターズの魅力をお伝えしたいので、ぜひ読者の皆さんも…

 

※イラスト・写真の転載・無断使用はご遠慮ください。使用をご希望の場合はK!SPO編集部までご連絡ください。


スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。

プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。

プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。

名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

Twitter でK!SPOをフォローしよう!