スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(75)志を引き継ぐこと

2023年12月28日 (イラスト・文/T.ANDOH、写真/Azusa Suzuki)

こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
2023年最後のコラムとなります。
今年もオリックス・バファローズはリーグ3連覇!しかも関西シリーズという夢の大戦が実現し、大いに盛り上がりました!
また、野球と並行して憧れだったアメフトの関西学院大学ファイターズをレポートさせていただくことで、アメフトの楽しさ、面白さを間近で体験させていただくことができました。

オリックスは3連覇。
関学ファイターズは6連覇。
いずれのチームも黄金時代を築いていますが、その強さがホンモノとなるためには”転換期”が必ずあり、血の入れ替えがあり、それでも強さを維持するだけでなくレベルアップしていこうという揺るぎない意志が必要であり…。
それをしっかりと共有していくための組織力が求められます。

とくに関学ファイターズをはじめとした「学生スポーツ」は、毎年チームが変わります。
最上級生が卒業して、新入生が入ってくる。
4回生は下級生に向けて、最後の1年はプレーしながらも”教えていく”ことを教えなければいけなく、また下級生も上級生から“意志を受け継ぐ”意識を持って取り組んでいきます。

関学ファイターズ前監督の鳥内秀晃さんは、上級生になるタイミングで選手と個人面談を行うんだそうです。
そこでは、自分が上級生になるときに自分に課せられる役割や目標がしっかりと意思表示できるかを確かめ、選手の自主性を確認し、また導いていく。
コワモテの鳥内さんに「どんな男になんねん?」と問い詰められて、逃げ出すような選手では関学ファイターズではやっていけない。
そんな体育会らしい一面と、教育としての意義を持ち合わせた自己啓発の機会となっていることでしょう。

試合直後にはこんな笑顔を見せてくれた2回生QBの星野秀太選手(背番号2)を、その後の囲みインタビューで、僕泣かせちゃったんです(笑)。
それは、4回生QBの鎌田選手との思い出を尋ねたときでした。

周囲からの期待と自信を背負って1回生から試合に立ってきた星野選手ですが、自分の失敗や悩みを受け入れてくれたのが鎌田選手。

そんな鎌田選手との2年間を振り返ったとき、先輩への感謝の気持ちを抑えることができなかった。
あらためて、20歳の大学生であることと、若いのに大きなものを背負いながら、その重みはしっかりと上級生から授かってきたんだということを実感しました。
チームをまとめるキャプテンの4回生LB海崎琢選手にも、その思いを引き継ぐ後輩がいます。

それが3回生LBの永井励選手。
同じLBのポジションで左右に分かれ、シーズン中から永井選手のアメフトに向き合う姿勢を見てきましたが、彼の持つ勇気と真摯な姿勢は、海崎キャプテンあってのことだと思います。
「Dominate」というスローガンを掲げた関学ファイターズ。

王者の貫禄をプレーだけではなく姿勢から見せつけてきた海崎選手の態度は、Dominateというスローガンを一手に背負ってチームを牽引してきました。
キャプテンシーを育むって、結局自分次第なんですよね。甘えることはいくらでもできます。
そこに立ち向かうことって、アメフトのタックルよりももっと怖くて大変なことだと思います。

ときには背中だけで語り、ときには厳しい言葉でも受けてきただろうその王者の強さを作り上げてきたプロセス。
しかし、下級生には下級生の段階から自分の役割をわきまえて、上を向く。
そんな王者の強さの、強い意志とそれを引き継ぐという大きさ。
それが、関学ファイターズの本当の強さなんだと感じます。

今シーズンは吉田正尚選手、伏見寅威選手が抜けたオリックス。
来季は絶対的エースの山本由伸投手もいなくなります。
それでも、若い選手が本当に実績を積んで頑張ってくると、純粋にファン心としても胸が張れるんですよね。
プロスポーツですから、関学とはまた違う感覚でしょうが、
「自分たちは強い!」
という自負と役割と責任感をチーム全員が持ち得ている。
そこは一緒なのかなと思います。
選手のポテンシャルを見極め、最大限に活かすのが中嶋監督であり、コーチ陣の皆さんです。
「変わること」を恐れず、継承していく。

2024年はそんな二つのチームの新しい挑戦をまた見に行けることを楽しみにしたい。
こうしてWebマガジンを通じてチームの魅力を発信できることにも感謝と責任を持って、来シーズンも皆さんとお話ができればと思います。

 

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スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。

プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。

プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。

名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

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