スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(3)スポーツビジネスという世界から見ていたプロ野球とオリックスの暗黒時代

2022年8月6日 (文写真・イラスト・文/T.ANDOH)

こんにちは。イラストレーターのT.ANDOHです。

新生グリーンスタジアムとオリックスのスタッフの方々に出会う前に、グリーンスタジアムは1回訪れています。

僕は”ジョニー”こと千葉ロッテマリーンズの黒木知宏さんも大好きで、黒木投手の試合を見に行ったことがありました。

地元優勝を「阻止」されたことで有名なオリックス×ロッテの3連戦が記憶にある方もいるでしょう。

それから4年後の1998年7月7日。

ロッテは18連敗という不名誉な記録を背負い、神戸でトンネル脱出に目を血走らせてました。

そうです。

「魂のエース」と唱われるジョニー黒木の屈辱の試合。

16連敗からの脱出にあと一歩と迫った9回裏に、オリックスのハービー・プリアムに放った渾身の一球。

七夕の空に吸い込まれていった打球と、崩れ落ちる背番号54番。

憧れた神戸の球場で見た試合で、こんな試合も見ちゃいましたね。

「ジョニーなんか応援してないで、とっととオリックスファンになれ」

というグリーンスタジアムの神さまの仕業でしょうか。

それでも、僕は野球人・黒木知宏さんがいまでも大好きです。

街中にあるナゴヤ球場の雑多で賑やかで夜祭りのような雰囲気とは一変するグリーンスタジアム神戸でしたが、ナゴヤドームになって急に小ぎれいになり、キレイすぎてむしろ違和感すら感じていた身には、グリーンスタジアム神戸の情緒はこれは新鮮でした。

そしてナイターの風が気持ちいい。

終盤にブルペン行けば、ブルペンコーチが、ボールをポイポイとファンに投げ入れてくれる。

そんな距離感の近さも、パ・リーグならではの風景でした。

その時、世代や職業を越えて球場に集まっていた希少で貴重なオリックスファンに出会えたことも、僕の野球に対する世界感を変えてくれました。

パ・リーグには、チームもファンも、何か一蓮托生な思いがある。

「これからはパ・リーグです!」

と、のちのBIG BOSS、新庄剛志も日本ハムファイターズ入団時に語っていましたが、

不人気のなか、球場にわざわざ集まってくるパ・リーグファンの気概、反骨心、どこかマニアックな思考…

そこが、パ・リーグ独特の雰囲気を醸し出してましたね。

一方で、その不人気からの脱出を試みて、セ・リーグにはできないような施策でユニークなアイデアを取り入れては、「ただのネタ」で終わるオチのつくようなファンサービスで、結局もがいていたのもパ・リーグ球団でした。

「もっとプロスポーツもビジネスマインドが必要だ!」

そんな生意気なことに気づいて、プロスポーツの世界に入りたい!

と思っていたら、大学卒業時に内定もありませんでした…

まぁ、就職氷河期の被害者ってことにしといてください。

そんな時に舞い込んできた「デッキペイントアート」のオーディション。

出来レースとかコネは一切ありませんでした。

選ばれた時は心から喜びました。

オリックスで仕事ができる!

グリーンスタジアムに自分の作品が残る!

そうして描きあげたデッキペイントアートと新しい「ボールパーク」は、僕にとってもう第2の故郷となりました。

卒論は「パ・リーグ球団に見るスポーツマーケティングの将来性」

オリックスも変わるんだ!

自分も、自分らしく生きていこうと、これ持っていろんな球団にも履歴書を送りましたが、ダメでした。

そしてオリックスにも、当時2軍マネージャーだった小浜裕一さんが僕の思いを汲んで採用に動いてくださいましたが、「本社の方針として新卒は獲れない」という理由で、結局球団職員になることはできませんでした。

名古屋でグラフィク関係の会社に就職をし、月イチくらいで週末に神戸に通う。

球場にも行くけど、高架下で靴を買ったり、三宮のハンズの前にあったアンテノールでケーキを食べたり…

20代の青春時代に神戸の街はありました。

阪神淡路大震災のことを話してくれる方もいました。

震災を乗り越えて優勝をして、オリックスを見放せないと球場に通っているファンの方の温かい心と、神戸の街の人にもずいぶんと元気をいただきました。

そんな素敵な街なのに!

なんでオリックスの試合には人が来ない!?

通っていけば、知った顔ばかり。

ソーシャルディスタンスは、20年前から神戸のファンは守ってましたよ。

もっとも、座席1列独り占め出来るんですから。

選手の名前を書いた応援のプラカードは、持って掲げるものではなく、立てて並べるもの。

たまにお客さんが多いなと思えば、花火の日です。

花火の日に近所の住民に配られるタダ券には「花火ナイト招待券」の印字。

オリックスの試合ちゃうんかーい。

そーいえば、グラウンドの誰よりも有名人だったかもしれないMr.SASUKEの山田勝巳さん。トレーニングのために活動していたのがビールの”売り子”。

球場ではさすがにダントツのトップセールスマンでした。

そんな、他所にはないグリーンスタジアム神戸のあの雰囲気と、どこかのんびりその球場の景色に浸っていたファンと球団が、みんな大好きだったんですよね。

チームの成績?

聞いたらアカン!!

あれ?野球が好きなはずなのに…

チームの経営に一言置いていた僕でも、そこを何とかしないといけないと思っていたはずなのに…

しかし、そんな雰囲気だったからでしょう。

2004年6月に、青天の霹靂とも言える衝撃が耳に飛び込んでくることになります。

その話に触れるまで、次回はちょっとエスケープします。

 


スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。

プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。

オリックス・バファローズには伏見寅威選手、中川圭太選手にロゴデザイン、イラスト提供中。

名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

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