はじめての薬膳(1) 薬膳は、『おばあちゃんの知恵袋』

2016年4月15日(文/池田 哲子)

薬膳とは、漢方医学のルールで作るおいしい食事のことです。

漢方薬が入っていたり、まずいと思われがちですが、いつも食べているご飯も薬膳になります。

この漢方医学の理論は、中国で生まれました。

何千年も前から『人は自然界で生きているのだから、自然の恵みを大切にして生きれば健康でいられる』と言われていました。

すべての食べものに薬と同じような効能があると考え、「これを食べたら元気になった!」と先人たちが智恵を積み重ねてきたのです。

 

これが薬膳の考え方で、まさに『おばあちゃんの知恵袋』。

その考え方はいたってシンプルです。

まずは、旬のものをたべること。たとえば、夏の風物詩であるスイカ。

スイカには、体にこもった熱をとり、必要な潤いを補うお仕事があります。

旬の食べ物にはその季節を乗り切る力があるのです。

もうひとつは、体が求めているものを食べること。

皆がいいといっても、あなたにぴったりだとは限らないのです。

ぴったりなもの選ぶために、自分の体質についてみていきましょう。

薬膳は、漢方医学の理論に基づいて作るおいしいお料理です。

漢方医学では、健康は『気・血(けつ)・水(すい)』のバランスで保たれていると考えます。

車に例えると

「気」は前にすすむエネルギーで、タイヤの役割
「血」は栄養と潤いで、ガソリンの役割
「水」は体に必要な水分で、冷却水の役割。

タイヤがあってもガソリンがないと動けませんし、前に進む力が強すぎるとガソリンはあっというまになくなってしまいます。

冷却水がなければ途中でオーバーヒートしてしまうでしょう。

この3つのバランスが保たれている事。この状態がからだにとって最良な状態であると考えます。

健康でいるためには『必要なものが十分あって正しい方法にめぐる』ということが大切です。

足りないものは補い、多すぎるものはとる。

この考え方をもとに、オーダーメイドでつくる食事が薬膳なのです。

 

池田 哲子(いけだ のりこ)
株式会社咲美堂 代表取締役
漢方薬店「咲美堂漢方薬房」と漢方・薬膳スクール「健膳美食サロン」を経営。「笑顔の花を美しく咲かせる」をモットーに、漢方カウンセラーと講師として活動。初心者からプロの養成まで、年間300講義をし、認定試験合格者はのべ600名を超える。北海道から鹿児島まで全国から漢方と薬膳を学びに来る受講生も。咲美堂漢方薬房:http://shobido-kanpo.com
健膳美食サロン:http://www.kenzenbishoku.com
Facebook:http://facebook.com/ikeda.noriko

 

 

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