スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」（76）山本由伸と大谷翔平が入るドジャースって…なんてこった！〜前編〜

2024年1月13日（イラスト・文／T.ANDOH）

こんにちは！スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
野球界のオフの目玉、山本由伸投手の移籍先がロサンゼルス・ドジャースとなり、
楽天の松井裕樹投手はサンディエゴ・パドレスに、そして横浜の今永投手はカブスとの契約が報道されました…。
ナショナル・リーグばっかしやなぁ…。
僕がメジャーリーグで応援しているシアトル・マリナーズはアメリカン・リーグでして、今年はテレビではもっぱらナショナルリーグばかりの放送になるでしょうね（苦笑）。
日本人選手がたくさんいて盛り上がるのは良いことなんですが、せめてNHKさんとJ-SPORTSさんは、同じ大谷選手のカードばかり放送しないで、どちらかが違う選手…いや、リーグも放送してもらいたいものです。

ところで、
ドジャースといえば、南さんの「野球観察日記」コラムでも野茂投手の時代を回想しておられましたが、日本人にとっても非常にゆかりの深いチームですし、メジャーリーグでも屈指の強豪チームです。

僕はメジャーリーグファンとして、ドジャースの見どころや山本選手の入団事情について、またオリックスとの縁などを語っていきたいと思います。

「ドジャースって、なんであんなにお金があるの！？」
大谷選手といい山本投手といい、各球団の争奪戦では日本ではあり得ないケタ違いの金額が飛び交いました。
山本由伸投手も短年で割れば2700万ドル程度(単純計算)ですが、まだメジャーで１球も投げていない選手がこんな契約を得られること自体、とんでもない話です。

じゃあ、メジャーリーグってなんでそんなにお金持ってるの！？　って話です。
メジャーは野球場がとんでもなくデカい。ってわけでもありません。
４～５万人の収容で日本とはそんなに変わりません。

最近日本でも行われているチケットの「変動制」はあったり、そもそもの単価の違いはありますが、チケット収入や広告費だけであんな桁違いな金額が生まれるわけではありません。
しかし、メジャーリーグは世界にマーケットを持っていることが鍵となります。

たとえば三宮あたりを歩いているとして、人間観察をしてみてください。
NYヤンキースのNYマークやドジャースのLAマーク、これらのマークの入った帽子や服、リュックなどを身につけている人を見つけることが…　必ず１人は、いや、もっと見つけられると思います。

NYマーク、LAマーク
もはや”ブランド”ですよね。
普通にファッションアイテムとして生活に浸透しているこんなメジャーリーグ球団のシンボルマークも、全部チームの収益になっているわけで、その市場は「世界レベル」なわけです。

さらに、よくメディアでも話題にあがるのが「放映権」
いまメジャーリーグもヨーロッパのサッカーのように「toto」のような合法ギャンブル対象になっていたりするうえ、メジャーリーグを見ることが”投資”の対象にもなっている。
ゆえに、いまメジャーリーグが新しいマーケットとしてターゲットにしているのが、ヨーロッパだったり中東だったりするんです。
日本でもメジャーリーグが放映しているストリーミング中継を有償で見られるようになっているので、来場客数だけがターゲットになっていないんです。
中東がマーケットになれば、さらに巨大な金額にうなぎ登る可能性もあります…！！

ちなみに
「大谷選手の年俸が95%後払いになる」という契約システムも、高騰した年俸に対して「給料を出しすぎている」チームにはメジャーリーグ側が”ぜいたく税”を課して、弱い球団の赤字補填にしているのですが、こうした放送権もリーグが管理して分配することで、メジャーリーグは球団格差を減らすこともしています。

ドジャース、ヤンキース、メッツと…
世間的にも知られた人気球団は、グッズ販売や放映権はもちろん、世界レベルで「商品価値」を持つ”稼いでる球団”なんですよね。
そんなトップチームの心をワクワクさせる日本人選手が現れてきたことは、野茂さんの時代から大きく進歩したことですよね。
なにしろドジャースのユニフォームが手に入らないからって、中日ドラゴンズのユニフォームまで売れてるって現象まで起きてますから（笑）！！

今シーズンは毎朝のように情報が見られるでしょうロサンゼルス・ドジャース。
次回、ドジャースとバファローズの関わりや注目選手をご紹介してみましょう。