南 郁夫の野球観察日記(237-1)晩夏と逸材を味わう 神戸ファーム戦
2026年8月23日 (文/南 郁夫、写真/Yasutomo)
今年の夏もやってきた、神戸の夜のファーム戦。今季はお盆明けに9試合も組まれていて、これもひとつの酷暑対策か。舞洲で真夏にデーゲームやったら、選手も観客も倒れるもんね。夏の夜をのんびり「ほっと神戸」で過ごすにはもってこいの、この企画。さっそく8月18日(火)のホークス戦に駆け付けた。
今から試合が始まるとは思えぬ、球場前。ヒマそな球場係員、一つしか開いてない店舗(焼きそば一択!)、行列のないトイレ、手足伸ばせる快適な人口密度(公式発表599人!)。この素晴らしい環境で眺める(いちおう)プロ野球こそが、私の大好物。

声を限りに鳴きまくる「つくつくぼうし」と、ときおりスタンドを抜ける涼風が伝える、わずかな秋の気配(つまりシーズン終了)。そしてグラウンド上のさまざまな「立ち位置」の選手たち。引退が決まっているベテラン、そろそろ崖っぷち?選手、そして3桁背番号が入り乱れる、人間模様。そんな風情を楽しみながら、「無音」の環境で味わう諸行無常こそが、野球観察の醍醐味なのである。南無。

地味な試合を覚悟していたが、オリッが一挙6点を取る猛攻が見れて、びっくり。ちょうどそのころ一軍は、東京で大量失点中。2軍の得点を1軍にリアルタイムで回せるルールにしたらおもろいな、とアホなことを思ったり、ホークスの「漁府」(珍名チャンピオン)がコールされた途端、人々の「ぎょふ?」「ぎょふ?」という声がさざ波のように場内を駆け巡ったり。ファーム試合は楽しい。将来、複数選手の怪我で漁府くんが一軍に上がったら、絶対「漁夫の利」って言われるな。

選手のあれこれは写真集で見てもらうとして、最後の最後にマウンドに上がった選手に、オリッの「明るい未来」を見ることができた。野性味ある投球フォーム、見るからに重いストレート、堂々たるマウンドさばき、強そうなヒゲ面…「この特徴はもう、抑えのエースに決まりやないか!」と叫ぶ間もなく、「っ」ちう間に三者凡退で試合を終わらせたこの男こそ、昨年の入団発表会見で異彩を放っていた、育成ルーキー・マシュー。


ちょっと見ぬ間にヒゲがボーボー。入団時の「あどけなさ」が完全に消え、半年で浅黒いオトコになっていた、マシューの変貌ぶり。
いきなり二軍の抑えを担っているようで、この日終了時点で、16登板で7セーブ、防御率0.55。これはもう、次代の抑え確定やないか。
試合後に平野佳に教えを乞う姿に「涙で前が見えない」の、本日の大収穫。

ファーム試合って一見地味だし、静かだけれど。あとあと語れるシーンがたくさんなので、皆さんもぜひ体験してくださいね。
でわ。次ページは、お待ちかね。専属カメラマンの写真集を、どぞ。
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南 郁夫 (野球観察者・ライター) 通りがかりの草野球から他人がやってるパワプロ画面まで。野球なら何でもじっと見てしまう、ベースボール遊民。あくまで現場観戦主義。心の住所は「がらがらのグリーンスタジアム神戸の二階席」ブログ「三者凡退日記」 |
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