南 郁夫の野球観察日記(224)選手名鑑で遊ぼう!2026 今シーズンのオリックスの戦力は?

2026年2月19日 (文/南 郁夫、写真/Yasutomo)

キャンプ便りには興味のない野球観察者にとって、キャンプインは選手名鑑発売日。名鑑を手にしてやっと冬眠から目覚め、昨年データと今年の顔ぶれ(と年棒:下世話)を確かめて野球妄想を始める習わしなのである。

というわけで、今年も発売当日(どんだけ心待ちにしてるねん)に、おなじみのこちらをゲットぅ!「Slugger」特別編集版(日本スポーツ企画出版社)
例年どおり、オリックス中心(広げてもパ・リーグのみ)に遊んでいこうと思うので、お付き合い願いたい。

まずは表紙の各球団今年の「顔」だが。オリッは昨年の九里から宮城に変わって「お」と思うも、データを見て納得。ハムだけ昨年と同じ伊藤だが、他はいろいろアップデート。楽天の宗山は同意。だれ?と思った西武の日サロ男は、そうか桑原か。愛也にしたれよと思うも、狂気の狐ダンス男のエスコン降臨は楽しみである。

で。真っ先に。訳も分からず(笑)盲信しているセイバーメトリクス指標の昨年WAR(どれだけチームの勝利に貢献したか:平たく言えば選手の値打ち)ランキングを、チェック。2024年と比べて列挙してみると。

2024年
1.近藤(ソ)2.栗原(ソ)3.宮城(オ)4.種市(ロ)5.万波(日)
6.佐々木(ロ)7.山川(ソ)8.辰巳(楽)9.森(オ)10.伊藤(日)
 ↓
2025年
1. 伊藤(日)2.今井(西)3.宮城(オ)4.モイネロ(ソ)5.西川(西)
6.中島(楽)7.柳町(ソ)8.周東(ソ)9.北山(日)10.エスピノーザ(オ)

伊藤が1位に躍進して他のメンツが様変わりするなか、オリッでは2年連続で宮城が3位と安定した値打ちをみせ、エスピがベスト10入り。両名とも勝ち運はなかったが、宮城はtRA(野手が関与しない投手の真の実力)と奪三振率でリーグ1位、エスピは本塁打打たれない率がリーグ1位などで、指標が高め。

ともすれば、私のよな情緒観察者は雰囲気や目先の勝利数で「オリッ投手では九里がベストやろ!」とか思ってしまうが(笑)、そういうことではない。指数では宮城がリーグトップクラスというわけである。

たとえば、そこいらの強打者や好投手を差し置いて、6位に楽天・中島がいるのが意外な気がするが、見た目や数字に表れにくい守備と走塁の貢献度があまりにも高水準なのでこの結果なのだ。選手を見る目が変わる、それが指標の面白いところ。

参考までに。WAR上位50位に入っているオリッ選手は、17.若月、20.九里、28.曽谷、29.マチャド、45.紅林。
野手ナンバーワンはブロッキング貢献度リーグトップの若月であり、中川や太田が打撃で頑張っても、二人とも守備指標が「著しく」低いのでWARは上がってこない。

さて。チームとしての昨年のオリックスを数字で見てみると、一言でいえばこうなる。
「まあまあの投手力がひどい守備に足を引っ張られながらも意外に打者がんばってよくぞ3位にすべりこんだ!ホークスにもう少し勝っとけばねえ」
それを踏まえて今期の戦力アップは、あれ?ない?どうもそれが現実のようだと、名鑑を見て悟る。

とはいえ。ケガ人だらけだった投手陣(とみーじょん界隈)と無存在に等しかった外国人野手に代わる、なんらかのプラス要素が加われば何が起こるか、それはわからない。現有戦力にも、さらに伸びしろあるかもしれない。ないかもしれない。
数字は数字、予想は予想。未来には何が起こるかわからないと言い切れるのが、シーズン前のいいところだ。

しかし。わからないとは言い切れない、大問題がある。オリッの守備指標が「桁外れ」に低い現実からだけは、逃れようがない。パ・リーグのチーム別UZR(どれだけ失点を多く防いだか)の首位はハム(25.7)で、以下、西武(21.0)、ソフバン(13.0)、楽天(-3.6)、ロッテ(-4.8)、そしてダントツ最下位がオリッ(-52.2)。見間違いでも数字の打ち間違いでもない。1チームだけ別次元な、草野球守備。それが事実。全ポジション、もれなく指数が低い。

そこまでか?と素人は思う。現にオリッの失策数はリーグ最少だ。ん?ということは… 普通の野手ならグラブに入る打球にオリッ野手は「届きもしてない」ってことや。心当たり、ありありや。でもこればっかりは… 練習で急に向上するわけはなし守備も打力もいい新戦力が現れる気配もなし。魔法はないのが、守備力ってやつ。地味な現実。せめて外国人野手取るなら守備のいい奴を!と思ってるのは私だけか?マーゴ!

んが。そんなヘッポコ野手がバックなのに、調べたら昨年のオリッ併殺数はリーグトップ。これはもう、いかに優秀な投手陣がボールを低めに集めて「赤子でも取れる」イージーゴロを打たせているかという、涙ぐましい事実ではないか。特に九里の22併殺はリーグ最多で、さすがとしか言いようがない。

あれ?名鑑で遊ぶつもりがシビアな話になってしまっとる。そんなつもりはなかった。本当は、野球観察者は指標ではなく選手を愛している。ので。この名鑑ならではのオリッ半笑い話をピックアップして、締めくくろう。

・西野「後輩の独身いじりに“ほっておいて”と思っている」
・山田「誰も飲ませていないのにつぶれる」
・古田島「初任給で釈迦の掛け軸を購入」
・渡部「誰か人がいないと行動できない」
・福永「若月家へセミの死骸を片付けに行った」
・本田「プライベートが完全に謎」
・のっぽのジェリー「前妻から不倫を告訴されている」
・ルーキーのマシュー「父がNHK英語放送で相撲解説をしている」

マシューのお父さんは新人選手発表時にお見かけしたが、めちゃエキセントリックな見た目だった。あと、名鑑とは関係ないが、博志のインスタは面白い。

その他、名鑑からざっと拾って興味深かったのは、
・オリッの球場別観客動員平均で「ほっともっと」が「京セラ」を上回っている
・ソフトバンクは円の海外流出が過ぎること(モイネロとオスナ:じゅ、10億!、1球も投げてないスチュワート:7億、ルーキーの徐:5億)
・楽天の新外国人「マッカスカー」を笑わずに言える人はいるのか?   などなど。

まだパラパラ見ただけなので、開幕までゆっくり名鑑を読み込んでいくのが楽しみだ。とにかく名鑑は分厚くてでかいのが一番。球場ではスマホでいいから持ち歩かないし。文字や数字好きな人にはたまらない野球ファンへのおなぐさみ、それが選手名鑑である。

皆さんも自分にぴったりの名鑑を見つけて遊んでね。

 

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南 郁夫 (野球観察者・ライター)
通りがかりの草野球から他人がやってるパワプロ画面まで。野球なら何でもじっと見てしまう、ベースボール遊民。あくまで現場観戦主義。心の住所は「がらがらのグリーンスタジアム神戸の二階席」ブログ「三者凡退日記」

 

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