スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(170)第80回甲子園ボウルあれこれ。大会の裏側で見えた、もう一つの表情
2025年12月24日(イラスト・文/T.ANDOH、写真/Azusa Suzuki)

こんにちは!スポーツイラストレーターの T.ANDOH です。
12月14日に開催された「第80回毎日甲子園ボウル」。
春夏の高校野球があれば、冬はアメフトというのが、この甲子園の一大イベント!
野球以外の競技で唯一!甲子園で開催される大会として戦前から開催されているアメフトの大会ですから、この冬の「甲子園ボウル」も、ぜひ多くの方に知っていただきたいものです。
前回は試合の様子をお伝えしましたが、今回はこの「甲子園ボウル」の会場内外での盛り上がりを中心にお伝えしたいと思います。

試合開始3時間前。
朝の10時も過ぎた頃には、甲子園駅周辺はすでに多くのお客さんが集まっていました。
駅前広場には各校のブースやオフィシャルグッズの販売コーナーが立ち、長蛇の列をなしています。

この日、関西学院大学のグッズ店舗はキャッシュレス購入を展開。
OB・OGを中心に年配の方も多い関学ファイターズのファンですが、キャッシュレスにもトラブルはなく展開できたとのこと。

大会記念グッズを中心に応援グッズが数多く販売されたそうですが、以前のコラムでも紹介した「応援タオルマフラー」の売り上げも好調だったそうです!
応援タオルマフラーの企画者であるKGADチームの中村愛さんにもお会いできました。
「今回の甲子園ボウルでも、学生および学校関係者500名には無料招待とタオルマフラーのプレゼントを企画したところ、すでに予約の段階で定員に達しました!」
「さらに『タオルが欲しい』というお問い合わせも多くいただいていて、グッズ店舗ブースに案内をしています」

さらに応援タオルには「応援レクチャー」のチラシをセットで配布。
QRコードによる動画へのリンクも付けられ、一般のファンの方も歌を覚えて気軽に応援に参加できる誘導をしていました。

「タオルをきっかけにチームを応援する流れを作り、文化として定着させることを目指しているので、今日の甲子園ボウルが最高の試合になることを期待しています!」
「来年以降もタオルとともに、学校を盛り上げるアイデアを発信していきたいです」
来年は就職活動も本格化するという3回生の中村さんですが、「KGADの活動は卒業までがっつり関わっていきます!」
と意気込んでおられました。
来年はさらに輪が広がり、コンセプトが浸透して、あらゆるスポーツにも根付いてくれると良いですね。

グッズ販売の方に戻ると、お客さんを誘導しているのはファイターズ下級生のお仕事。
“青いもの”を身に着けて応援に来たお客さんに、記念の缶バッジやフェイスシールを配布するなど、この日はスタッフとして会場を盛り上げていました。

2回生LB(ラインバッカー)川口凛選手。
「膝を故障してずっとリハビリをしていました。だいぶ良くなってきたので、来シーズンはしっかりとプレーで頑張って、甲子園に立ちたいです!」
じつはこの川口選手、過去のコラムでも取り上げさせてもらっていました。
JV戦(下級生中心のオープン戦)で2つのQBサックを決めた川口選手。
そのガッツあふれるプレースタイルで、ぜひ大竹選手を引き継ぐLBの一翼を勝ち得てほしいですね。

球場入り口付近では、応援団とブラスバンド部が応援ハリセンを配布していました。
現行のハリセンも健在で、気軽に手にできる応援グッズとして多くのお客さんが受け取っていました。

ブラバンの着ているこのダウンジャケットがカッコよくって…(笑)。
シンプルながら、青い部分に音符とか音楽記号が透かしデザインの入っているジャケットでした。
ブラバンにとっても数万人のお客さんの前で校歌を演奏する貴重な機会。
試合中は応援団とともに終始会場を盛り上げていました。

試合は、ご存じのとおり立命館大学パンサーズが圧倒して優勝。
関学ファイターズは負けて準優勝となりましたが、スタンドは最後まで青く染まり、応援の熱は決して途切れることはありませんでした。
会場を二分して両校のファンもぶつかり合った今年の「甲子園ボウル」。
立命館側のリードに対しスタンドの盛り上がりが会場の雰囲気を席巻する場面もあり、スポーツに熱狂する人のエネルギーの凄さを再確認できましたね。
試合の勝敗を超えて、人の想いと行動が重なり合うことで、甲子園ボウルは今年もたしかに学生スポーツの一大イベントとして、そして甲子園の歴史として息づいているんですよね。
スポーツに熱狂し、応援する人たちの熱量もまたスポーツの魅力であり文化なんです。

2025年もアメフト、オリックス、ストークスと多くのスポーツを見て歩き、選手の息づかいから、試合を盛り上げる人たちの熱い思い、そして競技を支えるさまざまな立場の情熱に触れてきました。
スポーツはフィールドの中だけで完結するものではなく、関わる人すべての思いが重なって、初めて心を動かす力を持つのだと感じています。
来年もコラムを通じて、スポーツがもたらす“熱量”を、現場の空気とともに伝えていきたいと思います。
皆さんも、身近なスポーツをぜひ現地に観戦に出掛けてみてください。
きっと、あなたの生活を充実させてくれると思います。

おまけ!
「甲子園ボウル」では各地域のリーグ戦を戦った優秀選手の表彰式もあって、東海リーグの優秀選手として中京大学の4回生RB(ランニングバック)高橋快斗選手も登場。
準々決勝の中京大戦で関学ディフェンスを果敢に攻略しインパクトを残した高橋選手。
同じ地元ということもあって、写真を撮らせていただきました。
なんでも卒業後は競輪選手を目指すとのこと!!
高橋選手の新天地での挑戦も応援したいと思った出来事でした。
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スポーツイラストレーターT.ANDOH
おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。 |
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