スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」（54）青い目のバスケ日本代表ホーキンソン！イチローさんと対面

2023年8月29日（イラスト・文／T.ANDOH）

こんにちは！スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
オリックスの首位とともに僕がワクワクしているのが、バスケットボール！

バスケットボールのワールドカップが日本の沖縄で開催中！
日本代表は「史上最強メンバー」として、NBAプレイヤーの渡邊雄太選手をはじめとした日米で活躍中のトップ選手で大会に臨み、8月27日には格上のフィンランドから18点差のビハインドを逆転し、歴史的な勝利を手にしました。

その最強軍団の中で急上昇しているのが、ジョシュ・ホーキンソン選手。
208cmの長身と献身的なプレーで、フィンランド戦では幾多のシュートをブロックしたり、リバウンドを取ってゴールを守ります。
攻めれば28得点の大活躍！

2月に帰化をして日本代表となったばかりなのですが、すでに来日7年目。
帰化するために日本語もかなり完璧に習得した才覚を持ち、また人懐っこいキャラクターが、“バスケ版ヌートバー“とも言われ人気急上昇なのです。

まさかこんなに人気が出るとは・・・！！！
驚きを隠せないのは、僕です。
はい
以前もお話をしたとおり、ジョシュ（僕はファーストネームで呼んでます）は名古屋のチームにいる時に知り合って、すっかりお友達づきあいをさせてもらってます。

ファイティングイーグルス名古屋、信州ブレイブウォリアーズと、プレーしたチームでその人柄が気に入られて、それぞれのファンの口からジョシュを悪く言う人はいないと確信できるくらい、愛される人格者。
その姿は、僕から言わせれば ”バスケ版大谷翔平” です。
・・・ってなお話を半年前にもしました。

世の中が、ジョシュのいいヤツっぷりに気づき出したか・・・！！
と、嬉しくも、ちょっぴり悔しい思いを抱きながら、このワールドカップ旋風を見守っています。

そんなジョシュが6月に故郷シアトルへ帰省したときのこと。
なんとジョシュはイチローさんに会うことができたのです・・・！！
ジョシュが日本を知るきっかけとなったのは、少年時代に憧れの目で見ていたイチロー選手。
　イチロー、ニンテンドー、スシ
この３つの言葉しか日本語を知らなかったという彼にとって、そんなイチローさんに会えることは、人生最大のサプライズ！

日本を愛し、日本で活躍したからこその「ご褒美」だったと言えます。
そんなイチローさんとの対面の時に、ジョシュは自分の日本代表のユニフォームをイチローさんにプレゼントし、自らの日本語で代表入りを報告すると、
「俺の英語よりうまいんじゃね！？」
と、イチローさんを驚かしたと言うのだから、まったく大した男です。

そして冒頭のイラストのような２ショット写真がネットのニュースでも取り上げられました。
本物の写真は、ぜひ探してみてください(笑)。
権利の関係と、いちおうイラストコラムなので、イラストで再現させていただいております。

しかし、
ご覧いただくとおり、イチローさんと並んでジョシュが手にしているユニフォームは、なんとオリックスのイチローさんのユニフォーム。
イチローさんからプレゼントされたのか！？
違うんです。

僕がジョシュと彼の家族にプレゼントしたものを、ジョシュは実家に飾ってくれていて、このタイミングでイチローさんの前に差し出してくれたのです！！

来日当初、22歳でプロのキャリアは日本が初めて。
今では信じられないくらい、ホームシックでプレーにも影響していた時期に、たくさんの日本人の友人に助けられて乗り越えたとジョシュは言います。
たしかにプライベートのジョシュとの話のネタといえば、
「今日のマリナーズの負け方、どうよ？」
「シアトルで、めずらしく雪が降ってるんだな」
そんなシアトル話で盛り上がる関係。

初めてジョシュの方から声をかけてくれたのも、僕が被っていたマリナーズの帽子に反応したものでした。
シアトルマリナーズと神戸が人生の道しるべになった僕と、
シアトルでイチローさんの活躍に憧れてスポーツの道に進んだジョシュ。
そして、ジョシュがすごい選手に成長してくれて、僕の持っていたイチローさんのユニフォームが、ジョシュの手からイチローさんの前に差し出されるなんて・・・！！
なんだか、
不思議なご縁を感じるしかない、僕にとっても衝撃的な「ご褒美」となりました。

バスケットボールワールドカップは、8月29日に日本対オーストラリア戦が開催され、予選リーグを終えます。
オーストラリアは世界ランキング３位の強豪！！
しかし、日本は１勝１敗と、予選突破にはなんとしてでも勝たなきゃいけない状況。
それでも、女子日本代表を東京オリンピック銀メダルに導いたトム・ホーバスヘッドコーチのハードな練習に耐えてきたチームは、フィンランド戦でその成果を見せてくれました。

イチローさんという存在があって、オリックスのユニフォームを大切にしてくれているジョシュ・ホーキンソン。
今からでも遅くないので（笑）、ぜひ名前を覚えて、来たるバスケの未来への夢を、彼に預けてみませんか。