スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(46)関学のテールゲートパーティーが王子公園の価値を上げる!?

2023年6月19日(イラスト・文/T.ANDOH、写真/Azusa Suzuki


こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。

「関学がテールゲートパーティーを開催すれば、王子公園エリアの価値が上がる!」

「風が吹けば桶屋が儲かる」
みたいなことを話すのは、テールゲートパーティー実行委員長で関学OBの田頭さん。
関西学院ファイターズの春の東西交流戦をずっと取材してまいりましたが、同時に開催されていたテールゲートパーティーのまとめです。

テールゲートパーティーとは、本来はアメリカのスタジアムの広大な駐車場で、ファンが試合前から観戦仲間とBBQなどをしてピクニックをする習慣を指します。
車のハッチを開けて、そこで食事をしたり音楽をかけて遊んだり…、
だから「テールゲートパーティー」と呼ばれています。
アメリカはカレッジスポーツも立派なスポーツエンターテイメントとして成り立っています。

日本でも「早慶戦」やアマチュア野球の「都市対抗」が、学校や会社をあげて応援合戦を盛り上げるのと、マインドは同じかもしれません。
関学ファイターズも関西屈指の名門校であり、OB・OGの皆さんの愛校心はとても熱い。
しかも「甲子園ボウル」の連覇記録を塗り替えようとしている黄金時代を迎えているため、もっとアメフトというスポーツをたくさんの人に知ってほしい。

それは、関係者やOBだけの盛り上がりではなく、地域の活性化にもつながってほしい。
というのが、関西学院大学テールゲートパーティーの開催意図です。

王子スタジアムに行ったことある方はイメージしやすいと思いますが、古くて小さなスタジアムなので、入り口は陸上トラックの隅で、来場客の皆さんもフィールドサイドからスタンドに上がっていくというレイアウトになっています。
公園内のグラウンドで、すぐ目の前で選手がプレーしているところが見られるのが王子スタジアムの特徴です。
しかも、神戸三宮駅から阪急電車で2駅。駅から目の前の好立地。
スタジアムには行ったことなくても、パンダを見に王子動物園に行ったことある神戸の方は多いことでしょう。

そこに着目して、フィールドレベルでイベントをしちゃえ。
というのが、関学ファイターズのテールゲートパーティーでした。
プロ野球のフィールドシートのような臨場感。
手を伸ばせば選手が届くような至近距離で、プロテクターがぶつかり合う破壊音のような迫力たっぷりのプレーが見られる。
しかも、美味しい食事を並べ、お酒も飲みながら試合観戦ができる!

学園祭ではアルコールの販売、飲酒は禁止ですよ。
でもここは関学ファイターズOB会が開催する自主開催。
しかし、学校がもっとこのイベントの価値を理解し、ゆくゆくは学校も主体となったさらなる発展を、事務局は期待しています。
その発想は、日本のアマチュアスポーツをもっと開放的なものに変える期待もあると、僕も感じます。

しかも、今回のテールゲートパーティーは、特製のトークンを使用した販売方式を用いてその成果を一元化して管理し、事務局の皆さんは神戸市の観光課へも報告をしています。

地域の民間イベントとしての開催意義に加え、アメフトファンによる観光的経済効果と、地域振興まで見据えているのがテールゲートパーティーなんです!

いまは関学OBの方や、一部のアメフトファンの集客だけで盛り上がっているイベントですが、テールゲートパーティー開催については、地元の商店街にも呼びかけているし、前述の通り神戸市とも情報共有しています。

実際、東西交流戦という関東の名門校との親善試合で開催したことで、関東の学校関係者や、関西に住む学校のOB、アメフトファンも集まりました。
第一回となった日大戦の集客は、20年前のグリーンスタジアム神戸より間違いなく入ってましたよ(笑)。
ニッチなスケールですが「外貨獲得」も得られている。
同じアメフト部を持つ他の大学にも、大きな印象と好奇心も得られ、開催システムについて他校から問い合わせも来ているとのことです。

こんな目の前でスーパープレーに歓喜わくなんて、サイコーじゃないですか!
王子公園は大規模な再整備計画があり、数年後にはスタジアムの建て直しや動物園のリニューアルも計画されています。
より魅力的な公園整備による地域の再開発と昔から住まれている地元の方との融合と発展を、地域のエンタメコンテンツにも着目して、関学が提案する地域活性策として企画されたのが、テールゲートパーティーの開催意図でもあります。

壮大な目標ですが、王子エリアをより魅力的な地域に引き上げ、神戸市にも還元をしたい。
アメフトというスポーツを、本場アメリカのような花形スポーツとして、その楽しさ奥深さを広げたい。
テールゲートパーティーを開催すれば、王子公園エリアの価値が上がる!
同じファイターズを名乗る北海道日本ハムが、エスコンフィールを中心とした地域の再構築を目指すのとも重なります。

スポーツがもたらす経済効果を新たな切り口で投げかけてきた関学ファイターズの挑戦。

このコラムをいまご覧いただいている皆さん!
テールゲートパーティーには新たなスポーツの魅力と可能性が詰まってますよ!
チームとしても、12月の甲子園ボウルの記録的連覇に向けて、新たな戦力の活躍も期待出来る黄金時代を迎えている関学ファイターズ。
いまですよ(笑)!
ぜひ注目してください!

秋には公式戦が開催されるため、自主開催のテールゲートパーティーの開催はまたあらためてこちらでも情報を発信していきたいと思います。

 

※イラストの転載・無断使用はご遠慮ください。使用をご希望の場合はK!SPO編集部までご連絡ください。


スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。

プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。

プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。

名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

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