南 郁夫の野球観察日記(232)オリックス、僅差で勝つ!渡部ハルト革命

2026年5月21日 (文/南 郁夫、写真/Yasutomo)

その「呪術レベル」超絶キャッチの瞬間、京セラドームには歓声というより「うめき声」が響き渡った。私も「げ…」と叫んだ。上段スタンドにいた私から見て「ウソやん」としか表現できない弾道の打球。あ、あれを、取るか?そう。渡部遼人がまた、TOP10の1位レベルの美技をやってのけたのだ!

ぴょこ!と跳ね起きたハルトの頭に、呆れ返った(けどもう慣れた)表情の西川龍馬が拾った帽子を乗っける、美しい光景。そして、独特の困ったような表情でベンチに引き上げる彼を追いかける、敵味方関係ない拍手喝采!最敬礼で迎える九里。オリックスが「守備」でこんなに人を沸かすなんて、何年ぶりだろうか?

先週、仙台で「あっさり負ける」を体験した私は、「僅差で勝つ」方をちょっぴり期待して「火曜日はナイターの日」に来たのだ。5月19日(火)ホークス戦。ついに首位を西武(!)に明け渡し、負ければ5連敗ちう、重要な局面。この日も「打つ方の」ハルトの活躍などで地味に先制するも1点差に詰め寄られ、頼みの先発・九里がアップアップの状態で飛び出したのが、ハルトの超美技だったのである。

5回表2アウト。正木(ハルトの慶大同期生)の打球が抜けていたら…。同点に追いつかれるピンチを招き、調子から見て九里の4勝目はおろかこの日の勝利もなかったかもと思うと、6回以降の「勝ちパターン継投」の流れを作ったという意味で、ハルトの美技の値打ちは計り知れない(絶賛)。

「僅差で勝つ」のアイコン・ハルトの出現により、明らかにチームは変わった。彼の出現によりベテランも含めたチームメートの意識が変わり、守備や走塁に「隙」がなくなったように感じるのは、私だけではないだろう。巡航ミサイルのような彼の限界突破プレイを目の当たりにすれば、誰しも「いい加減」なプレイはできない。

しかし今のオリッ打線、きっぱり追加点は、ない(笑)。「僅差で勝つ」を実現するのは、この鮮烈な勝ちパ投手陣である。みんな、しゅ、出力が、すごいぞっ。

僅差で勝つ模範例のような試合を見てしまったが、最後までスリリングな展開ではあった。もちろん、マチャドが「スパイス」のように同点ランナーを出すからだが(もう誰も怖がらないが)、最後は山川を三球で片付けて、チーム記録の11連続セーブを達成。さて問題です。今までチーム記録を持っていたのは誰でしょう?(答えは最後まで読んでね)

ヒーローはブルペン全員、という珍しいヒロインは仲の良さが伝わってきて、微笑ましかった。勝ちパターンは、健在。しばらくは勝ったり負けたり、定期的に飛び出すハルトの美技を楽しんでおれば安心である。今年のパ・リーグはどのチームも見どころいっぱいなので、最後まで大いに楽しみましょう。

 

おまけ1:「もう一つの」龍馬のバットコントロール

 

おまけ2:「火曜日はトレカの日」無料配布は、中川圭太! 監督の次はコーチのカード?とか思ってたけど…

(中川は内野手登録:トリビア)

 

おまけ3:この日もあったが、屋根に吸い込まれたファールボールはどうなるの?異空間へ?

 

おまけ4:コワモテの兄ちゃんのバッグにこれが…。「そっち」のファンなのね

 

*クイズ回答:暗黒時代の抑えエース・大久保勝信 #35(現在、オリックス球団職員)

 

 

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南 郁夫 (野球観察者・ライター)
通りがかりの草野球から他人がやってるパワプロ画面まで。野球なら何でもじっと見てしまう、ベースボール遊民。あくまで現場観戦主義。心の住所は「がらがらのグリーンスタジアム神戸の二階席」ブログ「三者凡退日記」

 

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