スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(102)憧れの関学ファイターズ!から四半世紀

2024年7月29日 (イラスト・写真・文/T.ANDOH)

 こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
2022年の7月に始まったこの「OUTSIDER’s ReCALL」の100回企画!
第3弾は一昨年から取材をはじめた関西学院大学ファイターズのことをお話しさせてください。

 学生アメフトのナンバー1を決める「甲子園ボウル」。
その甲子園ボウルを昨年6連覇している関西学院大学ファイターズ。
学生スポーツに疎い方でも、その名前を知っている方は多いと思います。
関学をはじめ往年では京都大学、最近では立命館大学や関西大学といった錚々たる大学が関西の学生アメフトの歴史を刻んできました!

父親が見るのが好きだったので、アメフトも見てました。
父親の世代はアメリカの学生アメフトを見るのが盛んだったので、学生アメフトにも興味があったんですよね。
そんななか、
高校に入って1年生の担任が関学出身の新卒の先生でした。
マック鈴木との思い出の回でお話したんですが、当時僕はちょっと高校受験を失敗して不本意な気持ちで高校生を迎えたんです。
そこにきて初めての担任が若くて情熱的な先生で、かなり救われたんですよね。
同時に関学や神戸の思い出も聞くようになったのが、僕と神戸との出会いでもあります。
しかも1年生で迎えた年明けに起きたのが、阪神・淡路大震災です。

行ったことないけど、神戸という街を知り、学ぶようになった高校時代。
大学生になって神戸に初めて訪れて、グリーンスタジアム神戸の美しさに魅力されたわけですが、関学ファイターズを見たいという思いもありました。
さすがに関学に入るということはどだい無理でしたし…(苦笑)。

初観戦を果たしたミレニアム世紀の西宮スタジアムには、2万人にせまる大観衆!
関学と立命館という、シーズン終盤の黄金カードでしたから、その学校の規模感、一般人も含めて多くの人々を魅了しているという関西学生アメフトのレベルの高さ!
いろいろと衝撃でした。
やっぱ大学は関西や関東に行けばよかったな…
とは今でも思っていますけどね。

学生スポーツの花形として、また名門校として、スポーツ部の運営のレベルの高さ。
これはプロスポーツにも重ねられる、スポーツ文化を根付かせるための要素を感じましたし、オリックスとともに、自分のスポーツイラストレーターとしてスポーツの魅力を伝える仕事をしたいという憧れと目標の原点となったんです。

そしてK!SPOでコラムを書かせてもらえるようになって、
「そうだ!神戸のスポーツマガジンだから、関学のことも書きたい!!」
こうしてK!SPOで関学のことを書かせてもらおうと思いました。

そして僕が学生当時すでにレジェンドOBとして、甲子園ボウルなどのテレビ中継で登場されていたのが前島純さん。
のちにこの前島さんと出会うことができて、K!SPOの関学取材も実現することになります。
さらに初めて甲子園ボウルを取材させてもらった一昨年の第77回甲子園ボウル。
この時にチームの中心選手としてこの試合も2つのタッチダウンを決めたのが、前島さんの息子の前島仁選手!!

憧れの時代から四半世紀が経ち、その憧れを自分の目で伝える身となって一歩踏み出せた時代に、親子でレジェンドを作り出したこの前島親子を紹介することができたというのも、自分にとって驚くべき偶然であって、とてもドラマチックな出会いとなりました。
前島仁選手がMVPにも輝いた第77回の甲子園ボウルは関学ファイターズの5連覇。
そして昨年の第78回でも優勝を果たし、前人未到の6連覇を飾ります。

黄金時代を築いている関学ファイターズを間近で触れることができるので、今年は春のリーグから気合入れて見させてもらってます。
今年は7連覇が期待される一方で、春の交流戦で苦戦をした立命館大や関西大学といったライバルにも気が抜けない状況。
しかもプレーオフのレギュレーションが変わったため、このライバル2校とはプレーオフでも戦う可能性が出てきました。
甲子園ボウル進出に向けて、例年になく熾烈な混戦が予想されています。

前島仁選手の世代から、かなり選手の入れ替わりが起きた今シーズン。
連覇という期待がかかるなか、卒業生が出て毎年チーム体制が変わるのが学生スポーツ。
谷間を作らず学校の伝統を受け継いでいるだけでもすごいことなのですが、新チームとなった今季もポテンシャルの高い選手たちが、課題も持ちながらも春の交流戦をたくましく戦い抜いてきました。

前島選手のポジション、RB(ランニングバック)を担うのは4回生の伊丹翔栄選手。
第77回の甲子園ボウルから、下級生ながらも優れた突破力を見せてくれていた伊丹選手。
その天性の能力と着々と積み上げたキャリアで、今年は最後のシーズンをエースRBとして臨みます。
下級生としてずっと前島選手とともにプレーも重ねてきた伊丹選手ですから、僕たちの期待も大きく背負ってくれています。
歴史を受け継ぎ、そして自分達の歴史を作っていくという学生スポーツの潔さのようなものを関学から学び、また日本一のチームとして素晴らしいプレーを見せてもらっている。

まだまだマイナーなスポーツであることもあって、このコラムを通して一人でも多くの方に興味を持ってもらい、関学ファイターズを応援して、学生スポーツの美しさやアメフトというスポーツから得られる勇気などを自分の力にも変えてもらいたい。
憧れから始まり、自分自身のモチベーションにもさせてもらっているチームに対して、これからも恩返しできればと思っています。

オリックス・バファローズ、神戸ストークス、そして関学ファイターズと、

どのチームからも、自分が学生時代に抱いたスポーツに対するリスペクトと、スポーツを盛り上げる力になりたいという志しがあって、四半世紀を経ていまこうしてコラムを書かせてもらっている軌跡。
しかも続けさせてもらえて100回を迎えました!
スポーツがつなぎ、もたらしてくれたもののありがたさを実感し、これからも皆さんの心に届く作品とコラムを発表できればと思います。

最後にアメフトコラムでは定番となりましたが、たくさんの人にアメフトを見てほしいから・・・

9月からは公式戦が始まりますので、またコラムで情報をお伝えします!

 

 

※イラストの転載・無断使用はご遠慮ください。使用をご希望の場合はK!SPO編集部までご連絡ください。


スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。

プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。

プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。

名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

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