スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(67)日本シリーズ「関西決戦」リベンジを誓う!意地の一発
2023年11月7日 (イラスト、文/T.ANDOH)
こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
日本シリーズ…すごかったですね。
阪神タイガースは強かった!
しかし、第7戦まで持ち込まれた今回のシリーズは、夢の「関西決戦」という名以上に、歴史にも残るハイレベルなシリーズとなりました。
一度流れを掴んだら怒涛の攻撃で制するという豪快なゲームもあれば、宇田川投手のリリーフ、そして平野佳寿投手の決死のセーブで締めた甲子園球場での第3戦はシビれましたね。
オリックスとしても、全員が頑張ったと心から思いました。
そんな日本シリーズで「シリーズ男は誰だ!?」というコラムも書かせていただきましたが、怪我をおして出場した頓宮裕真選手の意地の一発には、来季へのさらなる飛躍と日本一奪還の誓いを込めた、心に残るホームランとなりました。
シリーズ第7戦、9回2アウト。
スコアは7-0で阪神の日本一は目の前です。京セラドームに響くは「あと一人」の大声援。
「本拠地」としては思えないほどのアウェイ感。
仕方はないです。京セラドームは阪神にとっても「第2のホームグラウンド」。
それにしても、
京セラドームはパキッと左右で黄色と青にファンを二分した観客動員が起こりましたが、甲子園球場では従来通りの客席レイアウトですよ。
パキッ、が今度はパコっと一角に収められたオリックスファン。オリックスファンにとって、どっちの球場もアウェイ感しかない状況ですよ。
そもそも、ファンの人数が違いますからね。阪神ファンは絶対的多数派。むしろ、京セラドームには「よくぞあれだけ集まった」と思うばかり。
そんな状況でも「声援は届いてますよ!」と甲子園での勝利をファンに届けた宗祐磨選手のコメントがあったりと、一丸となって緊迫したゲームにも「負けないチーム」を作り上げてこれたいまのオリックス・バファローズの成長は、ほんとうに心から嬉しかったですね。
そして全員野球のオリックスのなかで、出てきましたねキラ星が。
今シーズン途中に移籍してきた廣岡大志選手に注目をしたいと思います。
中嶋オリックスの”日替わり打線”にて、第2戦にスタメンレフトに抜擢された廣岡選手が期待に応えます。
3回の初打席にみごとにレフト前へヒットを放つと、西野真弘選手のタイムリー3ベースが飛び出し先制!
続く4回も2アウトののち宗選手の四球をきっかけに紅林選手のヒットを挟み、続く野口選手がタイムリー、廣岡選手もみごとにタイムリーを放ちこの回も3得点の攻撃に貢献。
初戦の雪辱を果たす猛攻のきっかけをもたらす活躍がありました。
セ・リーグ出身という経験もあるからか、甲子園ラウンドでもスタメン起用で出場機会を得た廣岡選手。
このようにポストシーズンに入って起用されたことがシリーズを盛り上げる活躍となった選手もいました。
結果的には阪神タイガースの猛攻を止められなかったオリックスですが、印象的なプレーもあり、どんなきっかけで立場が逆転していたかわからない展開も多々あった今回のシリーズです。
それだけに、チャンスで取りこぼした選手、打たれた選手たちの悔しさは、宇田川投手、宮城投手若い選手たちのあの「涙」にも見受けられた、日本シリーズという大きなゲームの大きさ、そして魔力を我々ファンも体現できるシリーズでしたね。
いままでの低迷オリックスだったら、いつか白旗を上げていたでしょう。
低迷期を知っている人間としては、その"ムード"が伝わってくるのが分かります。
かつてのオリックスだったら、窮地に放たれたホームランも「焼け石に水」な印象だったと思います。
しかし、頓宮選手のあの第7戦の一発は、「オレたちの力はこんなものじゃない」と、タイガースファンにリベンジを誓うかのようなレフトへの大飛球。
挑戦的であり、まさに「意地」を感じる一発として、我々の胸に残るものとなりました。
頓宮選手、杉本選手は怪我を押しての出場。そして、体調不良と言われていた紅林選手にも、手指の靭帯損傷という怪我が発覚。
それでも、ファンにその「勝ちたい」という執念を、プレーで見せてくれました。
シーズンを全力で戦いぬき、実際に他にも怪我人も出した中で151試合を戦い抜き、付け入る隙を見せないセ・リーグ王者に最後の最後まで闘志を見せてくれた中嶋オリックス。
「関西決戦」という枕詞以上に、純粋にハイレベルなシリーズを闘い抜いた選手たちに敬意を感じる。
オリックスファンをやっててよかった。
ここんとこ毎年こんなんセリフが言えること自体夢のようなことですが、年を重ねるごとにその言葉が大きなものとして上書きされていくような、期待を裏切らないシーズンとなりました。
来季への挑戦、新たな出発はもう始まっています。
ぜひ来季も日本シリーズで、今度も仮に「関西決戦」だったとしても、今度は甲子園球場を二分させられるような盛り上がりをしてほしい。
そして、これを機にまたオリックス・バファローズというチームがたくさんの人の心に焼き付いて、さらに強いチームへと成長するチームを見てくれる人が増えてほしい。
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スポーツイラストレーターT.ANDOH
おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。 プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。 プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。 名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!? |
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