スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」（56）関西学生アメフトリーグ、開幕戦は貫禄ゲームの関学ファイターズ！

2023年9月5日（文／T.ANDOH、写真／Azusa Suzuki）

こんにちは！スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
9月2日、王子スタジアムで開催された関西学生アメフトリーグ開幕戦。
関学ファイターズ対龍谷大学シーホース戦を見てきました！
連覇をねらう王者関学に挑む龍谷大学シーホースは今シーズン2部から昇格してきたチームです。

結果はというと…

タッチダウン12本。
圧倒的な勝利で開幕白星発進となりました。
もうここまでの試合となってしまうと、龍大の皆さんには申し訳ないですが、さすがの貫禄勝ちとなってしまいました。

印象的だったのは、3つのタッチダウンを決めた１回生WRの小段天響選手。
夏合宿でも食トレを敢行したということで、フィジカル絶賛成長中！

パス２つ、リターンからのランニングタッチダウンと、バラエティ豊かに得点を得ます。
誰よりも貪欲に行きたいという姿勢は、春のリーグから存在感を出していたプレーにさらに味付けが深まる期待を感じました。

そして、
後半にはキックオフリターンから91ヤードを激走しタッチダウンを決めた4回生RBの前島仁選手。
敵陣に侵入した頃には、スクリーナーとなった選手を引っ提げての独走！
3回生RBの伊丹選手と、雄叫びを上げながらランデブー走行。

いやぁ～～
青春やん！！

はじける笑顔をもってシンクロしながら激走する姿は、トップ選手でありながらまだまだ若い大学生なんだなと、羨ましいほどの姿でした。
大勝を飾り、いろんな選手を出場させた一戦でしたが、それでも課題はたくさんあったと、大村監督とキャプテンの海﨑選手は語ります。

フィジカルでも圧倒した関学でしたが、レシーブやホールドの甘さなど、一歩誤れば大きなほころびとなるプレーもあったとのことです。

「やはり公式戦ですから、相手も目の色が変わりますよね」
海﨑選手は語ります。
ゲームへの影響、そして怪我へのリスクを考えれば、どんなわずかなほころびも命取りになりかねません。
そんな課題に対してどのように考えてプレーをするか。

「選手にはいろんな意味で自由にやらせている」と言う大村監督。
シーズン前に大村監督が話した「やってみないと分からないチーム」
とは、この恵まれたポテンシャルからいかに完成度の高いプレーを磨き、システムを組み立てていくために、選手の考える”自主性”も重んじることを表しています。
それを、海﨑選手はじめ上級生は、共通して感じているようでした。

「”試合を楽しんでいる”姿は励みになる」
試合を楽しめるようになるためには、めいっぱいの全力プレーと、そのプレーを自信持ってこなすための、ひとつひとつのプロセスと精度。
これから強豪校とも当たり、短くてハードなシーズンが始まるわけですから、自分を律する精神力もまた求められている。

キャプテンをはじめ攻守のキーマンが全て４回生の関学ですから、このチーム力を次代に引き継ぐために、海﨑選手も広い視野で試合を見ています。

そんなキャプテンの期待に応えたい。
イキの良い選手の活躍がみられました！
得点もあげた２回生WR、五十嵐太郎選手。

後半に出場機会を伸ばした1回生WR、百田選手。
ほかにも２回生のDB、東田隆太郎選手、新井イケンナ望在選手。
同級生同ポジションがいることも、好敵手としての成長が期待できます。

一方、ディフェンスからRBに転向した４回生、大槻直人選手といった、新たな境地を開いた選手もいます。

こうして、
甲子園ボウルまでの3ヶ月半という短くも熱い戦いが始まりました。
関学ファイターズが連覇を目指すために、さらに精度を高めて己を磨けという姿勢。
選手には自由と自主性を養って成長してほしい。
これは、自由とはいえとても自分に責任を持って取り組めという厳しい課題でもあります。
選手全員が質を高め、さらなる完成度を求めることは、シーズン通じてチームを注目するファンとしても、「その集大成を甲子園で！」
という気運となります。

心身ともに鍛え上げて完成までの道を歩み出した関学ファイターズ。
ぜひ今後の試合にも注目してください。