スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(36)スゲぇヤツに仕上がってきた!山下舜平大
2023年4月13日 (文・イラスト/T.ANDOH)
4月11日の楽天戦。
高卒3年めの山下舜平大投手が2度目のプロ先発で初勝利を挙げました!
WBCに参加した山本投手、宮城投手の穴を埋めるべく開幕戦に抜擢された山下投手は、5回を1失点に抑えるピッチングで、インパクトを残しましたよね!
伸びのある速球に、初対戦した西武の山川選手は「(佐々木)朗希かと思った!!」と舌を巻いたそうです。
開幕前も、キャンプの段階で新加入したばかりの森友哉選手も「あいつの球はエグい」と評した20歳の逸材です。
2021年にドラフト1位で入団した山下投手ですが、昨年までの2シーズンはCSのメンバーに加えられたものの1軍の舞台に上がることはなく、ほとんどノーマークの存在でした。
そこにきて、この2023シーズン春からの出現はパ・リーグに大きな衝撃を与えてます。
身長189cmの長身からくりだすストレートとカーブ、そしてプロに入ってから持ち球にしたフォークも、高身長投手の持ち味が生きる角度のある投球となりますよね。
球団HPの選手名鑑では「189cm、95kg」ですが、2月発売の各社の選手名鑑では「190cm、98kg」となっていて、まだまた成長途上のようです。
「165キロを目標に頑張ります」
入団時の抱負をこのように語りました。
やっぱり球速160キロというのは、190cmくらいのリーチがないと投げられへんのやろうなぁ~。
と、現代人の体型の変化を感じると、うらやましくなりますよね。
そして、その恵まれた身体をこの”プロ”に仕上げていった裏には、二人の指揮官の大きな判断力がもたらした賜物だと思います。
福岡の福岡大附属大濠高校でプレーした山下投手は、高校の八木監督に「スライダー・チェンジアップ禁止」を言いつけられたそうです。
山下投手の速球を伸ばすため、変化球は「カーブのみで十分!」という指示を出します。
それでも2年生からエースとしてマウンドを守り、そのストレートとカーブのみという“オトコマエ“な投球法はその速球を大いにスカウト陣にも見せつけました。
そして入団したオリックスでは、ファームでは新人からローテに入ったものの2勝9敗という結果で終わり、昨年は腰痛の影響で9月まで実戦登板はありませんでした。
それでも、本人曰くは「腰痛も成長痛だと思います」とのこと。
しっかりと養生をして急速・球威ともにアップした昨季はCSからベンチ入へ抜擢。
そして今シーズンのこの活躍につながっています。
長身を生かし、持ち味を生かした育成を行った大濠高校の八木監督。
自分自身で身体の状態を分析させ、我慢してタイミングを待った中嶋監督。
ともに山下投手のポテンシャルをつぶさずに、長所を生かし、また主体性を重視して見守ってきた二人の指揮官が、山下投手を仕上げてきました!
大谷投手の二刀流も然り、個性を伸ばす現代の新たな育成法がここにも表れているかもしれません。
長いシーズンはまだ始まったばかり!
これから研究もされて相手もどんどん手強くなっていくと思いますが、「伸ばす育成」をもってこれからも山下投手の成長が楽しみですね。
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スポーツイラストレーターT.ANDOH
おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。 プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。 プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。 名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!? |
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