スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(39)カタカナバファローズに見るオリックスのブランディング

2023年5月13日 (文・イラスト/T.ANDOH)

こんにちは!イラストレーターのT.ANDOHです。
今日は、オリックス・バファローズのお話です。

5月5日のこどもの日を含むゴールデンウイーク後半の西武ライオンズ戦は、「Bsオリっこデー」という子ども向けイベントで、企画ユニフォームを着用しました。

それが、カタカバファローズのユニフォーム!
通常Buffaloesと表記されているチームロゴを、なんとカタカナで表記するという思いきった企画ユニフォームとなりました!!
昨年の「オリっこデー」では、背ネームに選手のニックネームをアルファベット表記していただけだったのですが、今年はその背ネームもカタカナ表記です。
振り切りましたねー!!
漢字表記は高校野球はもちろん戦前戦中のチームにはあったでしょうが、カタカナ表記は球界初でしょうか!?
子どもにも読めるようにカタカナ表記にしたわけですね。
ニックネームを背ネームにつける戦略はメジャーリーグにもあります。

ここんところ
企画ユニフォームってのがもう通例になっていて、最初は面白おかしくのこの展開を皆さん楽しんでおられたと思いますが、最近ではネタ切れ感も否めず、どこの球団もいかに奇をてらうかが先行して、若干エスカレートしている感も感じるのは僕だけでしょうか?
企画自体にもこじつけ感が多く、昇華プリント技術の発展がさらに後押しをして、ただ派手になってきており、デザイン目線でいけば、脈略のない企画の濫用という懸念をも感じています。
集客目的も大事ですが、プロ球団なのでそれなりに球団のポリシーと風格を持って、ファンが誇れるものをユニフォームにも表現してほしいと思うんですよね。

思えば、オリックスもその迷走っぷりを見せている時期もありました。(↑懐かしいですね〜)
しかし、最近になってその傾向は一貫性のあるポリシー付けができていて、何かしらのブランディングが確立されたような気がします。

近年の「夏の陣ユニフォーム」も、Buffaloesの書体を上手に活かしながら、ブラック×ブラックのカッコいいデザインを出してきたりしてますよね。

そこにきて今回のカタカナ「バファローズ」
最初はやっぱり「ほんまに大丈夫か?」と思いましたが、出てきてみたら案外と違和感はなかったです。
ちゃんと野球のユニフォームの良いところも生かされていると思いました。
個人の感想ですが
しっかりとBuffaloesの書体を踏襲し、バランスも考えられたタイポグラフィ。
Buffaloesの書体のユニークさに、球団もやっと気づいたのかな?
そこをブランディングの対象としてしっかりと確立できたような
上から目線ですが(笑)この流れと完成度を評価したいと思います。

ポリシーを書体やカラーにしっかりと反映させたブランディングは、球団の誇りでありファンの憧れの対象です。
あえて“イジりすぎない”ことは、その印象をさらに根付かせて発展できる可能性があります。
日本ハムやソフトバンクなども、ちゃんとベースを持っていて展開してますよね。
地域性や企業が押し出すカラーといったポイントをしっかりと捉えています。
さらに、一貫したブランディングと企画ユニをしっかりと融合して発展しているのが、ヤクルトや楽天でしょうか。
ここは、Larry大岩氏というスポーツ専門のデザイナーさんがついているおかげで、ロゴマークや企画自体にもしっかりと絡めた企画力と訴求力を持っています。

今後も芯の通った企画展開で、ファンに印象的でかつ「面白い」+「誇りを持てる」デザインを展開してほしい。
そのうえでの今年の「オリっこデー」の遊び心は、僕は前向きに受け止めます。

最後に独りごと笑)
個性を出さないのが個性の中嶋監督も、ちょっとイジってほしかったなぁ(笑)

 

※イラストの転載・無断使用はご遠慮ください。使用をご希望の場合はK!SPO編集部までご連絡ください。


スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。

プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。

プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。

名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

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