スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(121)12月15日は甲子園ボウル!立命館大と法政大の一戦に

2024年12月12日(イラスト・文/T.ANDOH、写真/Azusa Suzuki

こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
「目指せ甲子園ボウル」とかかげ、関西学院大学ファイターズを追いかけてきたK!SPOですが、すでにご存知のとおり、残念ながら関学は甲子園ボウルをかけた全日本大学選手権の準決勝で敗れ、甲子園ボウル出場とはなりませんでした。
しかし!
地元西宮、そしてアメフトとしても「聖地」である甲子園での頂上決戦ですから!
「アメフト見いひん?」
の言葉のごとく、アメフトの魅力発信を続たい思いで甲子園ボウルを引き続き紹介していきたいと思います。

「第79回毎日甲子園ボウル」
今年の対戦は、関西リーグ1位の立命館大学と、関東1位の法政大学となりました。
奇しくも関学をくだした学校同士の対戦となります。
立命館大は、リーグ最終戦で順位が決定する一戦で勝利をし、法政大は大学選手権の準決勝で、負けられない試合を制しました。
今年に限っては、いずれの試合も関学は「らしさ」を出さない…出せないゲーム、でもありました。
その分、今回の両チームは関学戦を見ていた限りでは、フィールド上では良さを発揮していましたね。
てなわけで、
今回はとりわけ関西代表の立命館大学の視点から、甲子園ボウルの展望をお話ししたいと思います。

立命館大学パンサーズ
今シーズンも関学、立命館、そして関大が関西リーグ3強として、この甲子園ボウル出場を目指していました。
リーグ戦を全勝できていた関学と立命館にとって、今季の最大のキーとなったのが両校ともに関大戦。
関大に勝って全勝街道を進みたかった立命館は、今季関大に敗れて1敗をつけました。
関学にとっては昨年土をつけられたのが関大。
その関大に勝ったことで全勝をキープ。
しかし、最終戦に立命館が関学に勝ったことで、2校同時優勝、そして直接対決の結果で順位を決したチームです。
それだけこの3校は直接第決上でも”三つ巴”を繰り広げてきたんですよね。
リーグ戦終了後の大学選手権では、準々決勝で東北大学を下し、そして準決勝では関東2位の早稲田大学に勝利して甲子園ボウル出場となりました。

そんな立命館は、関学戦を通じても、ちょっとした怖さがありました。
リーグ戦で勝利したことは先述のとおりですが、春の交流戦でも後半に追いついて引き分けに追い込んでいます。
直前で関大に負けた必死さが立命館にはあったリーグ戦より、春の交流戦の引き分けの方が、その後半の追い上げっぷりと、同点に追い込んだ2ポイントコンバージョンを成功させるなどの”戦術”の思いきりの良さを感じたんですよね。

関学同様ラン攻撃に強い立命館ですが、春の交流戦で見せた”ここ一番”のパス攻撃。
そして分厚いオフェンスラインでしっかりとオフェンスを成功させる。
甲子園ボウルでも、試合のペースを掴むための”何か”を用意しているかもしれない。
そんな立命館大学の注目選手を紹介しましょう。

QBは3回生の竹田剛選手。
3回生ながら落ち着いたプレーで立命館のエースQBを務めています。
とくに圧倒的なラン攻撃を中心のオフェンスのなかで、精度が高く、距離の長いパスも投げられる選手ですね。
それでも敗戦した関西大学戦では、落としてはならない試合というプレッシャーにも勝てなかったと反省をしていたのですが、竹田選手にはこののち大きなひとつの”転機”となる出来事がありました。

なんと、実兄で三菱重工Westの野球部に所属している竹田祐投手が、今年のプロ野球ドラフト会議で横浜DeNAベイスターズから1位指名を受けたんです!
三菱重工Westもまた、神戸を本拠地とする社会人野球チームですよねぇ~!!

QBは試合をコントロールする孤独なポジション。
同様に、ひとりマウンドで己とも戦うピッチャーをしている兄からも、敗戦から立ち直るメンタルを学んだという竹田選手。
関大戦の次節、京大戦ではドラフト指名を受けた兄の刺激もあってか、京大を圧倒して勝ち星を積み上げることができました。
まだ3回生ですから、来年もエースQBとして関西リーグの脅威となることでしょう。

そして4回生RBでキャプテンの山嵜大央選手。
ランオフェンス2枚看板のひとり。
スピードもあるし突破力もある山嵜選手は関学戦でも二つのタッチダウンを決めましたし、山嵜選手のランオフェンスが甲子園ボウルでも注目の的となるでしょう。

さらにランオフェンスももう一枚なのが、2回生RBの蓑部雄望選手です。
小柄なのに身体が強い!
そして身動きが素早いですね。
1回生である昨シーズンからRBとしてタッチダウンを奪っては、学内の新人賞にも輝いた、次代をも担う選手です。
法政大はディフェンスも動きの良い選手たちが目立ちましたが、このオフェンシブなバックスを大型オフェンスラインがしっかりとサポートすれば、得点量産も十分に可能性があります。

ディフェンス陣でいけば、LBの4回生大谷昂希選手。
副将としても貫禄あるプレーでチームを牽引しています。

個人的には3回生LBの酒井大輝選手も注目したいです。
敗戦した関大戦でも随所に良いディフェンスをしたと思いましたし、関学戦では試合を決定するQBサックを決めた選手です。

ちなみに、
相手の法政大学とは今シーズン、春の交流戦で対戦もしています!
このときは34対19と前半から大きくリードをした立命館大が勝利をしましたが、それでも4Qに食い下がる法政大がパス攻撃でタッチダウンを決めたりと、意外性のあるプレーで得点を積み上げました。
甲子園ボウルに向けて、どんなプレーを準備しているか。
両チームの戦い方は非常に興味深いです。
個人的には、やはり関学のためにも、関大のためにも、関西代表の立命館に勝ってほしい…!
可能性は十分あると思いますが、法政大も乗せると不気味ですからね。
両校にとってもシーズンの集大成である「甲子園ボウル」を、最後の1秒まで精いっぱいのプレーで試合を楽しんでほしいです。

「第79回毎日甲子園ボウル」は今週末の12月15日(日)に開催です。
NHKでも13時から生中継が予定されていますので、ぜひK!SPO読者の皆さんもぜひチェックしてください。
とくに今年は甲子園開場100周年!
いろんな関連イベントがありましたが、甲子園ボウルは100周年事業の最後のイベント。
野球オフの冬のシーズン、箱根駅伝やラグビー早慶戦とならぶ学生スポーツの一大イベントとしても注目の大会です。
地元のスポーツ文化としても、一人でもたくさんの人に見てもらいたいので、今日も言います!!

次回はこの「甲子園ボウル」の様子をご紹介したいと思います!

 

※イラスト・写真の転載・無断使用はご遠慮ください。使用をご希望の場合はK!SPO編集部までご連絡ください。


スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。
プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。
プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。
名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

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