スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(118)甲子園ボウルへの道!関学ファイターズ、慶應大学戦@神戸ユニバ競技場
2024年11月26日(イラスト・文/T.ANDOH、写真/Azusa Suzuki)
こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。11月23日に神戸ユニバー記念競技場で開催されたアメフトの全日本大学選手権、関西学院大学ファイターズと慶應大学の準々決勝の様子をお送りいたします。
晴天ながらも時おりパラパラと雨が降り、北風が強く吹く冬らしい一日となりました。
関学ファイターズは2つ勝てば甲子園ボウル。
関東リーグ3位の慶應大学との対戦です。
試合は開始直後の関学オフェンスで先制点をあげます。
1回生QB星野太吾選手のロングパスを3回生WRの五十嵐太郎選手がキャッチしてゲインを重ねると、続く4回生RBの伊丹翔栄選手のランはエンド際でラッシュとなり、押し出すようにしてタッチダウンとなりました。慶應ディフェンスは伊丹選手、そしてWR陣を徹底的にマークしていましたが、それでもパワーで勝る関学が一気に押し込みました。
一方の慶應大学はパスを繰り出すオフェンスです。
これも、パワーとスピードで勝るだろう関学に対して、少しでもゲインを重ねるための戦略だったと思います。
功を奏し長いパスも決まってファーストダウンを獲得する場面もありましたが得点には至らず、2Qにはロングパスが逆に関学の4回生DB杉本涼選手にナイスキャッチとなりインターセプトとなります。
そして攻撃に代わった関学が、再び伊丹選手がランで駆け込みタッチダウン。
今度は相手ディフェンスをするすると切り抜けて、30ヤードほどを走り抜けての得点となりました。
3Qにも伊丹選手が、今度はラッシュを飛び越えて3つ目のタッチダウン!
押し込み、駆け抜け、次はダイブと、バリエーション豊かなプレーを見せてくれます。
身体は決して大きくはないが、フィジカルに強くてなによりも怪我をしない、身体の使い方が上手な伊丹選手です。
4Qも、追い上げる慶應大は引き続きパスで攻撃を展開しますが、再び4回生DBの杉本選手がしっかりと見ていました…!!
意表をついたショートパスを、レシーバーの動きを察知した杉本選手が奪ってエンド手前10ヤードまで激走!
得点には至りませんでしたが、ビッグプレーを見せつけてくれました!
(瞬間の写真が撮れなかったのが残念っ!イメージ画像をお楽しみください)
その後の慶應大の攻撃で30ヤードのロングパスがタッチダウンとなり慶應大にも得点が入りますが、関学のリードは変わらず試合は終了!!
関西学院大学ファイターズ 20 × 7 慶應義塾大学ユニコーンズ
前回のコラムで、この大学選手権のポイントとしてディフェンスバック陣を注目したいとお話をしました。
この試合、慶應大はパスを繰り出して幅のある攻撃に奮闘します。
フルバックの位置から広角にディフェンスすることが求められるなかで、ディフェンスバック陣に大きなプレーがありました。
その一人が、先のプレーで2つのインターセプトを決めた4回生DBの杉本涼選手。
「レシーバーに良い選手がいるので、パスに対してしっかりと準備できたことがプレーにつながったことが嬉しかったです」
レギュラーシーズンでは試合出場も少なかった杉本選手でしたが、チャンスをしっかりと掴んでビッグプレーを生み出しました。
「先輩方がうまくてなかなかチャンスが回ってこなかったですが、4回生になって責任感や自覚が自分の中にも根付いて、より考えることでチーム全員で上手くなってきた実感があって、その嬉しさと、やってやるという気持ちで試合に臨めています」
コメントを聞いてたら、同級生で同ポジションの岡村選手と岩本選手を呼び込んでくれました。
秋のシーズンにディフェンスメンバーとして奮闘した岩本航輝選手。
前の立命館大戦で果敢なタックルを決めた岡村寛伍選手。
彼らもサブでずっとチームを支えてきた選手たち。
レギュラーで華やかな選手たちではありませんが、彼らも自分達の役目をしっかりと意識して、チームのために努力をしています。
そして、伏兵の活躍がチームを盛り上げる。
こうした選手が活躍をしてくれると、応援したくなっちゃいますよね!!
見ていて、とても励まされます!
「もともとタックルに自信はあったけど活躍の場がなくて、今年(自分は)ダメかなと正直思った時もありましたけど、少しづつ出場機会が増えてきて、自分の力が出せたと思うと嬉しかった」
「今はチームをDBで勝たせたっていう試合が作れるようにしたいです」(岩本選手)
「負けたら終わりのトーナメントなので、絶対に負けたくないという気持ちでやっています」
「春から「DBが弱い」と言われていることも分かっていたので、ミスや反省もあったけど、杉本のように良いプレーを作ることもできます」
「自分達を信じて、負けられないという強い気持ちを持って戦います」(岡村選手)
「DBに注目してほしい!」
頼もしい言葉ですね!
最後の守りの砦となるディフェンスバック陣。
彼らも語るように、DBのプレーがゲームを大きく左右します。
レギュラーではない彼らもまた、チームの勝利のためと個々で挑戦を繰り返して、その努力がチーム力の向上にも繋がっていることが、お話を通じて実感できました。
4回生にとって、甲子園ボウルに出られるということは、まさしく“集大成“です。
すべての選手に“役目”があって、チャンスがある。
学生は特にこの4年間という限られたスパンの中で目標設定をし、さらに1年、そして次の試合次の試合…と、自分達の中で組み立てていく。
そんな選手たちの“成長”を間近で感じることができる。
自分を信じて、仲間を信じて、その高みに向かって努力をする姿が見られるのも学生スポーツの魅力ではないでしょうか。
そして“集大成”が迫ってきているこの3選手にも、輝く瞬間が舞い降りてほしい。
心からそう思って、最後まで応援したいと思います。
そして!そんな負けられない試合は来週も続きます!
各地で準々決勝が終わって、準決勝のカードが決まってきました。
関西3位の関西大学が脱落し、片方では立命館大と早稲田大学が対戦!
そして、関学ファイターズは、昨年の甲子園ボウルの再戦となる法政大学戦となります!!
東西決戦で決まる甲子園ボウルの対戦カード!
“真の頂上決戦”を目指す4強の熱い戦いを注目してほしいし、ぜひ甲子園ボウルまで、学生の夢を一緒に見届けていきたい!
たくさんの人にそう思ってほしいので、今日も言います。
関学ファイターズは次回、法政大学戦!
11月30日(土)に、東京に乗り込んでの準決勝です!!
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スポーツイラストレーターT.ANDOH
おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。 |
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