スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(99)神戸ユニフォームがあった頃…ダブルフランチャイズだったオリックス・バファローズ

2024年7月5日 (イラスト・写真・文/T.ANDOH)

こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
オリックスは明日7月6日(土)、ほっともっとフィールド神戸での試合です。
夏の神戸ナイターなのでたくさんのファンの方が楽しみにしていると思います。

僕もブルーウェーブ時代からのオリックスファンですから、神戸のナイターと聞くとワクワクします。
ただ、最近は生活環境も変わり、それに神戸はめちゃめちゃお客さんが集まるので、その足は遠のきつつあります・・・。
それでも神戸での試合は僕のファンの原点なんで、こうした機会は何よりも優先して駆けつけるべきなんですけどね。

オリックスが球団合併し、大阪と神戸で試合をするようになって20年です。
もう20年経ったんですよね。
20年前は球団合併の余韻もあって、神戸の球場への執着心もあったのか、その頃は週末の神戸はねらいを定めて観戦に訪れました。

その当時の”ダブルフランチャイズ”という定義は、ファンも球団もいろいろと模索をしていたことが思い出されます。
そのひとつがユニフォームでした。
この当時、神戸と大阪で2種類のユニフォームを着ていたことを覚えていますか?

2005年のオリックス・バファローズ初年度は、オリックス・ブルーウェブのユニフォームがそのままバファローズになっただけのユニフォーム。
書体もそのまま、オリックスと近鉄のロゴマークが両袖につくという、まさに“合併球団”を絵に描いたようなユニフォームでした。

「やっぱオリックスなんだなぁ・・・と実感しました」
当時の北川博敏選手のコメントはいまでも印象的です。
オリックス色が残ったユニフォームに戸惑いを感じた近鉄出身の方々に対して、僕らからしたら「カラーはオリックスなのに名前がバファローズ」。
合併の現実を突きつけられるユニフォームでしたね。

そんな印象からあらためて、二つのBのつくチームの融合を表現して登場したのが、左胸にBsというロゴが入ったユニフォームでした。

合併初年度の2005年途中から登場し、大阪ドームだけで着用されたラグラン袖が青に切り替えられたユニフォームは、往年の近鉄バファローズもオマージュしたものでしょう。
そしてその大阪ユニフォームに対し、真っ白にBsと入って翌2006年に登場したのが神戸ユニフォーム。

この神戸ユニフォームを身にまとった当時の写真が偶然出てきたんです。
当時、幸運にもフィールドシートの最前列の席が手に入った時に撮影した写真なので、ぜひ一緒に振り返ってください。

合併球団も前向きに応援しようというクチだったので、こうして新しいロゴという象徴ができたのは個人的には嬉しかったです。
ロゴもかっこよかったですからね。

それに、神戸の青い空と球場の緑に、白と青のユニフォームはとても似合っていました。

2006年といえば、清原和博さんが入団してきたシーズン。
亡くなられた仰木監督が最後の置き土産として入団した経緯もあって、新しい球団として心機一転する清原選手にも期待が集待っていました。

そして、そんな清原さんは、5月27日の横浜ベイスターズ戦でサヨナラホームランを放ち、自身の復活をも示す大きな一発を神戸の夜空に飛ばしました。

この試合もじつは、フィールドシートで観戦してたんです・・・!!

そんな神戸バージョンのユニフォームも3シーズンでお役御免となり、2009年からはラグラン袖の大阪ユニフォームに統一されましたが、2011年には青色が濃紺になり、Bsマークはそのままゴールドに変わって、今にいたるユニフォームに変わりました。

10年ひと昔と言いますが、もういまのオリックスのチームカラーしか知らないファンも増えてきたと思うので、ときどきはこんな時代を伝えることも良いかなと思い、書きまとめてみました。

合併しても低迷していたチームでしたし、合併という衝撃的な事実にファン感情も複雑な時代。
球団だっていろいろ模索していたんだと思います。
チームは合併後も長らく低迷していましたから、こうした模索の時代も経て、今、強いチームとなり新しいファンもたくさん増えてチームが盛り上がっていることは本当に嬉しいことです。

そして時代は移り変わり、いまや試合数も減り、老朽化も口ずさまれているほっともっとフィールドですが、変わらずオリックスの歴史とともに多くの選手やファンを見守ってきた球場ですから、いつまでも自分たちの”居場所”として居続けてほしいと思います。

そうだ!次のチャンスには、ほっともっと神戸に行こう!
ぜひ関西のオリックスファンの皆さん、
ちょっと遠くて古くなった球場ですが、青い空と緑の山を背景にした素晴らしい眺めが自慢。
ぜひ足を運んでたくさんの歴史を紡いでください。

 

※イラストの転載・無断使用はご遠慮ください。使用をご希望の場合はK!SPO編集部までご連絡ください。


スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。

プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。

プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。

名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

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