スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(167) 関学ファイターズ、決めた!甲子園ボウル!圧倒の関西大学戦
2025年12月3日(イラスト・文/T.ANDOH、写真/Azusa Suzuki)

こんにちは!スポーツイラストレーターの T.ANDOH です。
関西学院大学ファイターズは、甲子園ボウルに向けた全日本大学選手権の準決勝を戦いました。
11月30日に行われた関西大学カイザース戦の様子をお届けします!

関西大学カイザースは、リーグ戦で関学が唯一「引き分け」た相手。
同じ轍を踏んで足元をすくわれないよう、関学はなんとしても先制点を挙げてリードをしたい。
試合前は全員で校歌「Fight on KWANSEI」を歌い、チーム一丸となって臨みました。

試合は関学の攻撃からスタート。
スタメンQB(クォーターバック)は2回生の星野太吾選手。
パスなどがしっかり通ってゲインを重ね、タッチダウンこそ得られませんでしたが、早々にフィールドゴールで3点を先制します。

続いて関大の攻撃となりますが、最初のプレーで関大1回生QBの土居翔和選手を関学3回生LB(ラインバッカー)の倉田我琉選手がQBサック!!
リーグ戦ではこの土居選手の1回生ながらアクティブなプレーに苦戦をしただけに、今回は関学が大いに対策を打ってきたのか、ブリッツ(QBを直接攻撃するプレー)を多用し、関大にプレッシャーをかけていきました。

そして中盤の関大の攻撃で、今度は土居選手が投じたパスを関学3回生DB(ディフェンスバック)の永井慎太郎選手がキャッチしてインターセプト!
そのまま永井選手がエンドゾーンへ駆け込みタッチダウンとなりました!!

1Qはさらに土居選手へのサックが決まるなど関学ディフェンスがしっかりとプレッシャーをかける一方、オフェンスでは終盤にランを中心に攻撃を進めると、星野太吾選手が中央を抜けて50ヤード以上を一気に走り2つ目のタッチダウンを決めます!

2Qに入っても最初のプレーで関学はQBサックを決めて関大の攻撃の芽を摘むと、次の攻撃ではフォーメーションを揺さぶって4thダウンギャンブルに成功。
続けて攻撃を重ねると、4回生WR(ワイドレシーバー)の五十嵐太郎選手へのパスが決まり、3つ目のタッチダウンが決まりました!!

前半はこれ以降無得点となり終了しますが、ほんとうに関学はディフェンスで関大を圧巻した印象です。
前半だけで土居選手を相手に5つのサックを決めたのもすごい記録ですが、2Qは関大もパスが決まってゲインを重ねるなか、しっかりとゼロで抑えていきます。
ラインで特出すると、2回生DL(ディフェンスライン)の田中志門選手や、1回生DLの武野晋平選手といった下級生選手の活躍が光りました。
こちらの武野晋平選手は、実兄の武野公太郎選手が関大の4回生LBでプレーしており、後半ではこの武野公太郎選手がQBとして登場していきます。

後半はその武野公太郎選手が指揮する関大の攻撃からスタートします。
最初のプレーでパスが決まりファーストダウンを更新しますが、武野選手に対しても出足早く関学ディフェンスが襲い掛かりQBサックに成功します。

攻撃が入れ替わると、関学もパスで攻撃を進めていきます。
五十嵐選手、3回生WR小段天響選手とパスを繋げると、続くプレーで今度は3回生WR百田慎梧選手へのロングパスが決まってタッチダウン!!
リードを広げていきます。

関大QBの武野選手は自らのランでファーストダウンを更新するなど奮闘しますが得点を得るには至らず。
関学は3Qはランを中心にゲインを重ねていき、クォーターを跨いで4Qの冒頭に、星野太吾選手から3回生TE(タイトエンド)大倉篤勲選手へのパスが成功してエンド前まで前進すると、続いて2回生RB(ランニングバック)平野日々輝選手がラッシュを飛び越えてタッチダウン!!
リードを38点に伸ばします。

しかし、関学キックからのリターンで、関大3回生DB吉田優太選手が一気に駆け抜けてリターンタッチダウン!!
関大は4Qにしてチーム初得点を派手に飾りました。

その後、関学はQBに星野兄弟の兄、4回生の星野秀太選手が登場。
平野・永井選手のランを中心に攻撃をし、小段選手へのロングパスが決まりファーストダウンを更新すると、2回生RBの永井秀選手のタッチダウンランが決まります。

さらに攻守交代して関大の攻撃では、武野選手に対しこの試合6個目のQBサックを、3回生DL八木駿太朗選手が決めました!

さらに試合終盤には、この日関学にとって7個目のQBサックとなる4回生DL小川晃弘選手のタックルが決まると、ファンブルしたボールを4回生DL新井イケンナ望在選手がリカバー。

関学が敵陣で攻撃権を獲ると、サブメンバーが登場して得点を狙っていきます。
4回生RBの岡将太郎選手、同じく4回生RBの東耕傳之助がショートヤードのランでタッチダウンを狙いますが、ここは関大ディフェンスに阻まれます。
関大も意地のブロックで守り切り、見応えのある場面でした。

4thダウンギャンブルを阻み攻守交代した関大は、諦めず武野選手がパスを投げますが、これを1回生DB増田有亮選手がキャッチしてインターセプト!
そしてそのままエンドゾーンに飛び込みタッチダウン。

ダメ押しとなる51点目の得点を挙げると、続くトライフォーポイントもしっかりと決め、関大を圧倒した試合は終了しました。

関西学院大学ファイターズ 52 × 7 関西大学カイザース
これによって、関西学院大学ファイターズは準決勝を制し、甲子園ボウル進出を決定させました!!

4回生、東田選手と星野秀太選手は、安堵と喜びから涙がこぼれ落ちていました。
昨年、目前で甲子園ボウルを逃した雪辱を果たした、大きな意味を持つ涙となりました。

3回生DB・永井慎太郎選手
「リーグ戦の関大戦は怪我で出られなくて、試合に引き分けたことで『自分が出られれば…』という思いも重なってとても悔しかったので、今回は完封させることを徹底して試合に臨んだら、自分のところにもチャンスが巡ってきたので、タッチダウンまで決められることができたのは嬉しかったです」

2回生RB・永井秀選手
「この1週間は遅くまで学校に残ってスカウティングを繰り返して準備をしました」
「前半は納得のいくランができていなかったのですが、自分の身体の強さを活かすしかないと思って、後半は(相手に)当たることも意識してランに臨んだらゲインを稼ぐことができました」

3回生DB・藤田昂太郎選手
「関大戦までの準備はほんとうに大変でしたが、コーチからもチャンスを頂けていたので、そのチャンスを活かそうと思って練習に取り組みました」
「練習ではキツいことも多くて、チームメイトとも意見や思いをぶつけ合う場面もあったけど、自分たちの準備してきたこと、やるべきことを信じて懸命にやってきたら、試合でも良い方に成果が出ました」

試合後には武野兄弟が健闘を称えるシーンもありました。
大学選手権の対戦形式が変わり、関西の3傑にとってはどのチームにも可能性がありました。
兄の思いは弟へ託され、いよいよ「頂点」を目指す「聖地・甲子園」が待っています!!

今年で80回の記念大会を迎える「甲子園ボウル」は、関西学院大学ファイターズと立命館大学パンサーズとの戦いとなりました。
史上初の「関西同士」での甲子園ボウル。
頂点を極める大会にふさわしい激戦がリーグ戦からありました!
関学コラムを書かせてもらうようになってこの3シーズンですが、年々関西のリーグ戦の戦いは面白くなってきています。
高いレベルで争っていることが伝わってきている中で、あらためてトーナメントも勝ち抜いた2つの雄がぶつかり合う!
ぜひ「甲子園ボウル」には読者の皆さんにも大いに注目をしてほしいと思います!
ということで、今日も言いますよ!!

ファミリーマート杯、第80回甲子園ボウルは12月14日(日)
甲子園球場で開催されます!
テレビでもよみうりテレビ、BS日テレで完全中継しますので、ぜひ楽しみにしてください!!
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スポーツイラストレーターT.ANDOH
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