スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(166) 関学ファイターズ、Go to 甲子園! “ゼロヒャク”の覚悟で立ち向かう中京大との準々決勝!

2025年11月26日(イラスト・文/T.ANDOH、写真/Azusa Suzuki

こんにちは!スポーツイラストレーターの T.ANDOH です。
甲子園ボウルに向けた全日本大学選手権トーナメントが始まりました。
関学ファイターズは準々決勝の中京大学戦から登場。
11月23日に行われた試合のレポートをお届けします。

場所は名古屋市の「パロマ瑞穂ラグビー場」。
僕の地元、名古屋での開催となりました!
いつも関西で見ている関学を、名古屋の空の下で見られるのはなんだか不思議な気分で、嬉しかったですね。
ちなみに愛知県では来年「アジア競技大会」が開催されるため、県下のスポーツ施設が軒並みリニューアル工事を実施中。
このパロマ瑞穂ラグビー場も改修工事が完了したばかりで、スタンドもフィールドもバックヤードもすべてがリニューアルされていました!

対戦する中京大学は関学から金星を取ろうと「ゼロヒャクの覚悟で臨みたい!」と、決死の意気込み。
明らかに“勝ち”を取りに全開で攻めかかってきました。
中京大学の大橋誠ヘッドコーチは、社会人屈指の強豪・オービックシーガルズを日本一に導いた名将。関学・大村監督のオービックコーチ時代の”師弟関係”でもあることから、この一戦に特に思い入れを持ち、強い覚悟で臨んできました。

中京大学は試合開始のキックオフで、自ら攻撃権を奪いにいくオンサイドキックを敢行し、これを見事に獲得!
3回生QB(クォーターバック)石堂凌我選手と2回生RB(ランニングバック)高橋快斗選手のコンビネーションでじわじわとゲインを重ね、なんとファーストシリーズで高橋選手のランによる先制タッチダウンを挙げます!

その後もショートパスなどスペシャルプレーを織り交ぜて翻弄する中京大学に対し、関学は攻守で苦戦。
しかし、1Q終盤に石堂選手のパスをインターセプトした関学3回生LB(ラインバッカー)倉田我琉選手がそのままゴールに駆け込み、タッチダウンを決めます。

関学のスタメンQBは星野秀太選手。
「相手が全開で攻めかかってくることに対して、受けの姿勢になってしまい弾き返すことができなかったのは情けないです」(星野秀太選手)
オフェンスでも中京大の強烈なプレッシャーに受け身になってしまうほどの気迫を感じたとのこと。
慣れていない相手であり、対策以上に“捨て身の全力プレー”が関学の勢いを上回ってゲームを支配しつつある。
そんな緊張感が関学サイドにあったようです。

2Q冒頭、星野選手から3回生WR(ワイドレシーバー)小段天響選手へのパスが成功。
さらにロングランでゴール前まで進め、4回生RB井上誉之選手のタッチダウンランで勝ち越します。
しかし直後、中京大のキックオフリターンで2回生WR伊藤啓人選手がラッシュを抜け独走!
再び同点に追いつかれます。

中京大が勢いに乗ると、スタンドも大きく盛り上がります。
関学にとってはアウェイの逆風がさらに強くのしかかりました。

しかし関学もじわじわと“自分たちのアメフト”を取り戻し始めます。
星野選手のパスを受けた井上選手がゲインし、2回生RB永井秀選手がラッシュを抜け出してタッチダウン。

さらに、星野選手からのパスを受けた小段選手が相手ディフェンスをフェイントでかわし、サイドライン際を一気に駆け抜けタッチダウン!

続けて小段選手へのパスが通ってゲインを重ね、ランとパスを織り交ぜて攻撃権を維持。
最後は2回生RB平野日々輝選手が駆け抜けてタッチダウン!
前半を 35対14 の大幅リードで折り返します。

そして3Q開始、中京大のキックオフレシーブをQB石堂選手がファンブルして関学ボールに。
そのまま4回生RB井上選手のタッチダウンが決まり、追加点を挙げます。
しかし中京大はさらに仕掛けてきます。
4回生RB高橋選手がランで攻め込み、特異なフォーメーションからダイレクトスナップを受けて一気にタッチダウン。
後半、控えメンバーを投入した関学に対し、中京大の“諦めない姿勢”が功を奏しました。

3Qはその後、両者無得点として4Qへ。
関学3回生RB深村麟太郎選手が最初の攻撃シリーズでロングランを決め、得点圏へ。
平野選手のタッチダウンランにつなげます。

その後QBは星野選手から下級生に交代。
3回生・葛城悠太選手に続き、1回生・長澤崇夫選手が登場。

サックを受ける場面もありましたが、4回生WR川崎耀太郎選手と1回生RB森下修太郎選手のタッチダウンを演出しました。
最後まで関学の攻撃に食い下がる中京大の粘りも光りつつ、試合は大差で終了。

関西学院大学ファイターズ 63 × 21 中京大学イーグルス

関西学院大学ファイターズが準々決勝を制し、準決勝へ駒を進めました!

「サイン負けというより、自分たちのファンダメンタル(基礎)ができていなかった」(4回生DB・東田隆太郎選手)
これが同格の関西3傑との対戦だったら、自滅していたかもしれない。
ピンチこそ自分たちのスタンスを崩さず、相手に振り回されないアメフトをする必要があることを、この中京大戦で再認識したようです。

4回生RB・井上誉之選手
「(相手の)ディフェンスも人数を増やしてプレッシャーをかけてきて、そこをアジャストするのに手間取ったことが、最初リズムが悪かった原因だと思います」

4回生QB・星野秀太選手
「負けたら終わりの一戦を、中京大は100%のプレーで攻めてきたので、本当に怖かったです」
「(反省点は)自分が一番よく分かっているので、もう一度トーナメント戦ということを意識し直して、準決勝に臨みたいです」
立命館戦のときのように“自分たちのアメフト”をやり切って勝ち切る力。
どんな相手でも崩れず、相手を凌駕できる強さこそ、関学がトーナメントを勝ち抜く鍵になると感じました。

1回生QB・長澤崇夫選手
「試合の2日前くらいに声をかけられて遠征メンバーに入りました。練習で積み上げてきたことを評価してもらえたのかなと思います」
「自分はパスが得意なので、指示されたパスは全部決め切ろうと思って臨みました」
フレッシュな下級生の今後の活躍にも注目したいところです。

この週末で「甲子園ボウル」へ向けた4強が出揃いました。
関西の3傑は揃って進出を果たし、関学ファイターズはリーグ戦で引き分けを喫した関西大学との一戦となります。
「あと1週間でどれだけ詰められるか、どう過ごすかが勝敗に直結すると思うので、すべての時間を賭けて集中したいです」(4回生LB・大竹皓陽選手)

高いレベルでの戦いが予想される「一戦必勝」の準決勝。
ここで勝てば、いよいよ甲子園ボウル行きの切符を手にできます!
選手たちの“すべてを賭ける覚悟”を、次戦でもしっかり見届けたい。
そして、一人でも多くの方に注目してほしい!
なので今日も言います…

画像:中京戦22(アメフト見いひん?)

 

次回、関学ファイターズの甲子園ボウル行きを賭けた準決勝は
11月30日(日)ヤンマースタジアム長居での関西大学戦です!!

 

※イラスト・写真の転載・無断使用はご遠慮ください。使用をご希望の場合はK!SPO編集部までご連絡ください。


スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。
プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。
プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。
名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

Twitter でK!SPOをフォローしよう!