オリックス2025年度新人選手入団発表記者会見、スカウトにインタビュー
2024年11月30日 (写真、文/K!SPO編集部)
11月29日(金)大阪市内のホテルで行われた「オリックス2025年度新人選手入団発表記者会見」。
記者会見の模様はネットでライブ中継もされ、各選手の紹介や発言は球団HPなどに掲載されているので、詳しくをそちらをご覧いただくとして、今回はスカウトのインタビューをお伝えしたい。
一流ホテルのきんらびやかな会見場に集まった多数の報道陣。周りには球団関係者の姿も。その中に、新人選手たちを保護者のような温かい視線で見守るスカウトの面々。牧田勝吾編成部副部長を筆頭に、山口和男グループ長、小松聖さん、下山真二さん、乾絵美さん、早川大輔さん、縞田拓弥さん、岡﨑大輔さん、小林敦さん、佐野如一さんたち。
プロ野球各チームのスカウトは、年間のほとんどを担当地域に行って高校から大学、社会人、独立リーグの野球の現場で過ごしている。オリックスも同様で、京セラドームや舞洲の球団施設でお見かけすることはほとんどない。
というわけで、なかなか会うことのできないスカウトの方々に、この機会にお話を伺った。
岸田新監督が冒頭の挨拶で「いつも素晴らしい選手を獲ってきてくださるスカウトの皆様、ありがとうございます」と感謝の言葉を贈った通り、スカウト陣の活躍があってこそのチーム編成なのだ。まさにチームを支える縁の下の力持ちである。
注目のドラフト1巡目、麦谷祐介選手(富士大学)の担当は岡﨑大輔スカウト。岡﨑さんは2021年に引退後、スカウトに転身して丸3年になる。6巡目の片山楽生投手(NTT東日本)、育成3巡目の上原堆我投手 (花咲徳栄)も担当。上原選手は母校の後輩だ。
ー一昨年の曽谷選手に続き、ドラ1の担当スカウトになりましたね。ドラフト会議はどんな思いで出席されていましたか?
「いや、ドラ1はたまたまというか、ご縁ですね。曽谷の時のドラフト会議は、僕も初めてだったので緊張したし、祈るような気持ちでしたけど。うちに決まったというのはご縁だと思っています」
ー麦谷選手のアピールポイントを教えてください。
「麦谷の良いところは走攻守ともに素晴らしく、即戦力として期待できます。特に脚と守備範囲はアマチュアのトップクラス。何より、強い気持ち、負けず嫌いですし、プロ野球選手として一番大切な気持ちの強さを持っているところが良いですね」
ー日々、アマチュアの試合や練習をご覧になって、スカウトするポイントとかあるんですか?
「試合前後や練習の姿も見て、監督さんに話を聞いたりして、人間性も含めて全体を見て。これができているから獲るとかでなく、獲りたい!うちに来てほしい!と思った選手をリストアップして追いかけています」
ースカウトとして来シーズンに向けての目標は?
「このまま毎年いい選手が入って、彼らが活躍してくれることですね」
麦谷選手が囲み取材を受けている様子を見ながら「彼はけっこうしっかりと、よく喋るんですよ」と言う岡﨑スカウト。ヒーローインタビューも今から楽しみです。
ドラフト3巡目、仙台育英高校の山口廉王(れお)投手の担当は、小松聖スカウト。小松さんは2016年に引退後、二軍と一軍の投手コーチを経て、2021年からスカウトに。今年で丸4年になる。
ー今日は一番ホッとする嬉しい日ですね。
「そうですね。僕も嬉しいけど、やっぱり選手本人と親御さんが一番嬉しいと思いますよ。このあとは来年入寮して、キャンプに送り出したら一区切りですね」
ードラフト会議はどんな思いで見ていますか?
「我々がこの選手が良い!って思う子たちをリストアップして、何度も話し合ってますから。ドラフト当日は運というか、ご縁というか。自分の担当の子だけでなく、みんなうちに来てほしい大事な選手という感じで見ています」
ースカウトする時のポイントなどはあるんですか?
「練習も試合も見ていますが、高校生の練習試合だと背番号もついていないので、どの選手かわからない時もあるんですが、その中で目立つ子っているんですよ。体格だけじゃなくて、身のこなしとか。目立つ子は練習着の時から持っているものがある。そこから何度も見ていると、成長していくストーリーが感じられますね。伸び代も含めて」
ー山口投手も大きく成長しそうですね。
「彼は高校の時、先輩たちが夏の甲子園に連続出場で優勝、準優勝して、期待やプレッシャーの中、結果的には甲子園に出れなかったけど、いろんな経験をして、ストイックな部分もあって。そういった野球に対する姿勢が良いパフォーマンスにつながっている。楽しみですね、時間さえ与えれば勝手に成長していくと思いますよ」
今年のドラフト支配下指名で唯一の高校生、山口投手。身長193cmとスケールも大きく、無限の可能性を秘めている。
昨年引退して、今年からスカウトとして新たな野球人生を始めた佐野如一さんにも話を伺った。佐野スカウトは、4巡目の山中稜真捕手(三菱重工East)と、5巡目の東山玲士投手(ENEOS)、そして、育成6巡目、母校の後輩である乾健斗投手(霞ヶ浦高校)を担当。(写真は山中選手)
ースカウトとして一年目、いかがでしたか?
「選手を獲ることの難しさと、獲得が決まった時の嬉しさを感じることができました。今日は親のような気持ちで。この日を迎えて嬉しいですね」
ードラフト会議当日はどんなお気持ちで?
「控え室でドキドキしながら見てました。3人も決まって、嬉しいご縁をいただけてよかったです」
ーご担当の山中選手と東山選手、乾選手の魅力を教えてください。
「山中は勝負強いバッティングと広角に長打を打てる力ですね。強肩で足も速いです。東山はストレートも良いし、空振りが取れるチェンジアップも良く勝負球として使えます。2人とも即戦力として期待しています。乾は将来性ですね。伸び代を感じます」
ースカウトする時のポイントなどはあるんですか?
「そこは感覚というか… 見てて良い選手だな、うちに来てほしいな、と感じる選手を見つけていく感じです」
ースカウトとして来シーズンに向けての目標は?
「変わらず、しっかり選手を見て、良い選手を獲得できるように頑張ります!」
昨年までユニフォーム姿だった佐野さんもスーツに身を包み、新人選手たちの写真を撮ったり保護者の方と話をしたり、すっかりスカウトの顔になっていた。
スカウトの皆さんが「ご縁」という言葉を何度も口にされたのも印象に残った。
新人選手にとっては、プロ野球選手として初の公式の場となる新人選手入団発表記者会見。毎年、取材させていただいているが、入社式というより家族も見守る中での入学式のような温かいお祝ムードに包まれている。
ここからがスタート、「ご縁」があってオリックスに入団した新人選手たちの活躍を期待したい。
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