スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(116)関学ファイターズシーズン最終戦、立命館大戦

2024年10月29日(イラスト・文/T.ANDOH、写真/Azusa Suzuki

こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
11月10日に開催された関学ファイターズと立命館大学パンサーズとのリーグ最終戦の様子をお送りします
関西学生アメフトリーグはレギュラーシーズン最終戦。
8チームが1回ずつ対戦して、1チームあたり全7試合で順位を争います。

こちらが試合直前の順位です。
同率順位となるチームも現れるなかで、関学ファイターズは前節に関西大学に勝利して6勝0敗の暫定1位で優勝が決まりました。
しかし、暫定という通り、この日に対戦する立命館大学が5勝1敗と迫っている状態。
この日の対戦で関学が勝てば、7勝全勝で完全優勝。
関学が負けたら、立命館と6勝1敗の同率優勝となります。

甲子園ボウルに出場するには、リーグ戦上位3チームと関東リーグの上位3チーム、ならびに東北や九州などの国内各地の上位進出チームとの大学選手権(分かりやすくプレーオフと記載します)に出ることで、トーナメント戦となるためその組み合わせが順位によって決まってきます。
この日の勝敗でプレーオフの戦い方にも影響するため、最後の最後まで目が離せない。
しかも、昨シーズン3強の三つ巴を繰り広げた立命館大との対戦です!!

立ち上がりは両チームともがランを繰り広げてオフェンスを試みます。
立命館の山嵜、蓑部というRB陣のランオフェンスを、2回生LBの倉田雅琉選手の好タックルなどでしのぎますが、1Qに立命館大、QBの竹田選手から大きなパスが決まると、次いで蓑部選手のランが決まり先制のタッチダウンを奪われます。

2Qに入ると得点の取り合いになります!
開始直後のランオフェンスから4回生RBの伊丹翔栄選手のランでタッチダウン!
この際のトライフォーポイントは外してしまいますが、追い上げの口火となります。

しかも、このタッチダウンにつながるオフェンスでは、本来LB登録の1回生、永井秀選手がRBとして登場すると、ファーストダウンを奪うランを決めてくれました!
ところが!!
直後の立命館のオフェンスで、QB竹田選手からハンドオフで受け取ったRB山嵜選手が関学ディフェンスを一気に抜け出し、そのままタッチダウン!!
ロングパスからの先制点に続き、35ヤード地点から一気にゴールまでのランと、立命館には不動のオフェンス陣によるビッグプレーが相次ぎました。

負けてられない関学ファイターズ。
今度は伊丹選手と4回生RB井上選手のランを中心にゲインを重ねると、再び伊丹選手がタッチダウン!!

そして、トライフォーポイントではタッチダウンで2点を獲得できる2ポイントコンバージョンを選択!
見事に伊丹選手が駆け込んで2点を獲得!!
先のトライキック失敗を取り戻す得点を得られました。
ただ、2Q終了直前には、立命館にあわやタッチダウンとなるサイドラインへの攻撃を受け、結果フィールドゴールが決まり、3点ビハインドで終了します。

3Qは膠着状態となり無得点となります。
ディフェンス陣に注目していたんですけどね、タレントが揃っている立命館オフェンス陣に対して、対策できた良いディフェンスも見られました。

4回生DBの岡村寛伍選手。
上級生DBの伏兵として行く手を阻む良いタックルが決まりました。

そして、1回生DBの木暮朋生選手!
後半には下級生も登場してきましたが、期待に応える好タックルを見せました。
立命館戦で、蓑部選手相手に果敢なプレー!
これからが楽しみな選手です。
しかし、
得点にからんだオフェンスに対しては、立命館側もしっかりと準備されたプレーが決まると、強靭なオフェンスラインが関学の壁を破り、またバックス陣が追う立場になってしまった関学側にとっては、それが勝敗を分けることとなりました。

4Qには再び山嵜選手のランが決まり、タッチダウンを許します。
試合は関学が巻き返しにオフェンスを展開しますが、4回生QB柴原選手がQBサックを受けると万事休す。

関西学院大学ファイターズ 14 × 24 立命館大学パンサーズ

この試合をもって、立命館大学パンサーズも6勝1敗となり2校の同率優勝。
そして直接対決の勝敗により、立命館大学パンサーズが1位相当。
関学ファイターズは2位相当としてプレーオフを臨むことになりました。

こちらが大学選手権(プレーオフ)の対戦となります!
今までは関西と関東のそれぞれの1位通過校が西日本大会と東日本大会に分かれてプレーオフを戦いましたが、今年は枠が広がり、また東西がシャッフルもされています。
関学ファイターズは2位通過ということで関東3位の慶應義塾大学と対戦です。
慶應に勝っても関東1位の法政大学との対戦ということで、すでに甲子園ボウルばりの豪華カードとなります。

もう片方の枠も激戦です。
進出次第では関西の強豪校同士が再び対決ともなります。
そして、東西ではなく西同士、東同士の甲子園ボウルという可能性も出てきました。
リーグの活性化をはかった新たなレギュレーションとなりましたが、選手たちにとっては再びの激戦が待っています。

「一貫して自分達のフットボールをやるだけなので、あとはいつも言い聞かせているスタート・フィニッシュをしっかりとやる」
「誰が出ても、どんな相手にもしっかりと立ち向かっていくことを徹底して取り組んで、それが日本一のレベルであれば、自ずと甲子園ボウルへの道は見えてくる」
「当たり前のことをしっかりとこだわっていきます」

慣れない関東の相手にも、激戦を戦った西のチームにも、揺るぎないハートとしっかりと準備をしたプレーで、自分達を信じて戦うのみと、強い気持ちを語ってくれた4回生の永井励キャプテン。
シーズンを通して反省もたくさんして、そのたびに自分達のプレーの質にこだわってきたキャプテンの熱い気持ちが、ほんとうに報われてほしいと心から願っています。
ファイターズが日本一を狙うチームだという大いなる自信も感じられますが、その自信はまだまだこれからの戦いで証明されてくる。
そのために全力で戦うという、実力をも動かす強い意志を感じました。

関西学院大学ファイターズが慶應義塾大学と対戦する準々決勝は、11月23日に神戸ユニバー記念競技場で開催されます。

甲子園ボウルを楽しむためにも、ぜひこの大学選手権をたくさんの人に見てほしい。
なので、まだまだ言います!!

 

目指せ甲子園ボウル!
そして、その戦いはもうあと1カ月あまりです。

 

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スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。
プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。
プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。
名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

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