スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(114)関学ファイターズ、甲子園ボウルへの大一番!関西大学戦!!
2024年10月29日(イラスト・写真・文/T.ANDOH)
こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
今回は10月26日に開催された関学ファイターズと関西大学カイザーズの一戦をお送りしましょう。
この日の舞台はラグビーの聖地!花園ラグビー場!!
関西学生アメフトでもリーグ戦に使われるスタジアムなのですが、現行の関学生にとっては初めて踏み入れるフィールド。
僕も初めてお邪魔したのですが、さすがラグビーの聖地!
スタジアムの周辺も、所々にラグビーをモチーフにしたものがあり、街全体がラグビーの文化を作ろうとしている景色が楽しめました。
芝もふかふかです!!
しかし、このふかふかの芝は、逆に走りに影響しないかなと思いつつも…。
そんな慣れない環境で対戦するのが、優勝争いを繰り広げるライバル、関西大学!
昨年はリーグ最終戦でこの関大に敗れて同率優勝となり、くじ引きで幸いにも甲子園ボウルへの切符を手にした相手。
春の交流戦でも苦戦をした相手でもあり、関大とその後に続く立命館大との一戦に向けて今シーズンもリーグ戦を戦ってきました。
大一番を前に、今季初めてハドルを組んで校歌「Fight on KWANSEI」を歌うファイターズ。
やはり、この関大戦からはさらにギアを入れていくことになるんですよね。
熱戦を期待し、スタンドにも多くのファンが駆けつけた一戦となりました。
試合は関大のレシーブから1シリーズが終わると、関学の攻撃で早速試合が動きます!
ファーストプレーで4回生TEの安藤柊太選手へのパスでゲイン!
それまでブロックが主の動きをしていた安藤選手が初めて本格的にオフェンスに参加したプレーでした。
幸先よくゲインを進めたかと思った次のプレーで今度は関学に衝撃!!
なんと3回生エースQB、星野兄弟の「兄」秀太選手が負傷退場してしまいます!!
自らダウンを試みてスライディングした際に足を捻ったのでしょうか…
この日再びピッチに姿を表すことはありませんでした。
星野秀太選手が進めたゲインをフィールドゴールに持ち込みましたが失敗。
チームの動揺のごとくと感じる不安な立ち上がりです。
「兄」秀太選手が退場したことで、1回生QBの「弟」太吾選手が出場します。
その太吾選手はランを中心に攻撃を行い、伊丹・澤井というRBの両翼を駆使してゲインを重ね、先制のタッチダウンは4回生の澤井尋選手が取りました!
ロングランを4回生RB伊丹翔栄選手が担い、短いランを澤井選手が担うという連携を見せたオフェンスが功を奏します。
一方で太吾選手はパスターゲットの確立に苦しみ、サックを受ける場面もあれば自分でプレッシャーを逃げて足で稼ぐプレーもあり、関大ディフェンスも1Qから牙を剥いて襲い掛かってきました。
1Qはその後関大にフィールドゴールが入り3点。
2Qには再び伊丹選手のロングゲインに澤井選手がゴール手前ショートヤードを制してタッチダウン!
さらに両チームにフィールドゴールが決まります。
関大はエースQBの4回生須田啓太選手の絶妙なパスが通ってのチャンスメイクでした。
ロングもショートも、正確で機転の利いたパスプレーが目を見張ります。
WR溝口、RB坂下選手という連携もまた素晴らしい関大です。
しかし!
このチャンスメイクをタッチダウンに結びつけることができなかったことが、この試合の明暗を作りました。
関学ディフェンスがとても頑張ったんです!!
もともとディフェンス陣、とくにバックス陣に課題を感じずに得られなかったシーズンでしたが、この日は関大にタッチダウンを決めさせません。
この日光った選手が2回生DLの馬久地(めくち)匠選手。
パスブロックにQBサックと成果を上げました!!
そして3回生DLの山本桜汰(おうた)選手。
1つのQBサックも決めるなど、ただでさえハイレベルな動きの須田選手に対し積極的に攻めかかる姿勢が目立ちました。
さらに4回生LB、キャプテンの永井励選手!
相手のファンブルを誘発する果敢なタックルが要所で効きました。
広い守備範囲で数々の相手のチャンスを潰してきた永井選手ですが、この日は目の色がさらに変わっていたと思います。
パワフルなタックルはもちろんですが、気持ちで誰よりも勝っていました。
チームを牽引する身として、魂あふれるプレーに感動です。
それでも須田選手と溝口選手のホットラインが次々にプレッシャーをかけてきますが、後半に流れは一気に関学に傾きました。
3Qには星野太吾選手のロングパスが3回生WR五十嵐太郎選手に届きタッチダウン!!
スーパープレーが飛び出します。
4Qには関大にタッチダウンを奪われるも、再度伊丹選手のタッチダウンが決まりリードを広げて試合終了。
関西学院大学ファイターズ 31 × 15 関西大学カイザーズ
「兄」星野秀太選手の突然のけが離脱にも、「弟」太吾選手は落ち着いたプレーでゲームを牽引しました。
また、QBでは4回生の林孝亮選手も星野太吾選手とプレーをシェアし、ゲームを作っていきます。
エースの怪我にも、しっかりとリカバーできる層の厚さを見せつけた一戦でもありました。
関西学院大学ファイターズはこれで無敗として今季のリーグ優勝(1位以上確定)を決めました!
次の立命館大学戦でさらに全勝を目指します。
「この日のために用意してきました」
TE安藤柊太選手です。
攻撃のスパイスとなるTE(タイトエンド)というポジション。
オフェンスにより力を発揮していけば、パワフルな攻撃が期待できます。
「今日はショートパスに徹して、わずかな道も逃さずに攻めることができました。
良いタイミングで自分にボールが回ってきて嬉しいです」
RBの澤井尋選手は、しっかりと伊丹選手と役割を分担して自分の仕事を全うできました。
「関大さんのディフェンスは厚かったけど、しっかりと準備することができました」
「昨年は立命戦に勝って関大戦に驕りがあった。しっかり気を引き締めていきたいです」
伊丹翔栄選手は勝って身を引き締めています。
「存在だけでなく、プレーでしっかりと先導して、チームメイトが続いてくれるようなプレーを心がけました」
「スカティングもしっかりとできましたし、準備通りのプレーができました。ディフェンス陣はよくやったと思います!」
永井キャプテンも、このシーズンで初めてなくらい、充実した笑顔を見ることができました。
毎試合がキリキリした緊張感のもとで責任を背負ってきたキャプテンにとっても収穫のある試合だったようです。
この勝利を次の立命館大学戦にも活かし、チーム力をさらに強固なものにしてほしい関学ファイターズ。
昨年は個々の能力が圧倒した印象でしたが、今季はこの関大戦で“チーム力”をより感じるチームだと思いました。
それが証拠に、下級生もがチャンスをしっかりと掴んでいることにもあります。
チームとともに選手が成長し、また選手の成長がチームを作り上げる。
この試合の場所は、ラグビーの聖地花園。
その花園で、ラグビーの精神「One for ALL ALL for One」をアメフトのなかからも垣間見えた、大きな一勝でした。
次のリーグ最終戦は、立命館大学パンサーズとの試合は11月10日。
大阪の万博記念競技場での対戦となります。
リーグ戦が終わると、甲子園ボウルに向けて全日本選手権として関東をはじめとした全国のリーグ戦勝者と準々決勝、そして準決勝が待っています。
今季のルールでは、このトーナメントの戦績次第では、甲子園ボウルで再び対戦するかもしれない関大そして立命館。
終盤の大一番に来て、一戦一戦の対戦がじつは大きな影響をもたらすゾーンに入ってきました。
真の王者を目指して、負けた関大だってまだ諦めていない。
そして、関学ファイターズは次なる試合でどんなプレーを用意しているのか。
そして、この試合を教訓にさらにスカウティングをしてくるライバルたち。
甲子園ボウルに向けて、これからが真の熱き戦いとなります!!
学生アメフト大一番!
そして頂点に向けた選手たちの戦いを、ぜひたくさんの人に見てほしい!!
てことで、今日も声を大にして提唱します!!
目指せ甲子園ボウル!!
みんなで追いかけてみませんか!?
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スポーツイラストレーターT.ANDOH
おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。 |
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