スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(110)関西学生アメフト、関学ファイターズ、神戸ダービー

2024年9月25日(イラスト・文/T.ANDOH、写真/Azusa Suzuki

こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
関学ファイターズは9月22日に神戸大学レイバンスと対戦しました。
3連休の中日であり神戸での今季初試合。
関学にとっても神大にとっても本拠地「王子スタジアム」での一戦です。
両チームともたくさんのお客さんが詰めかけました!

神大にとってもホーム神戸での一戦。
「関学を喰ってやろう」と全力でかかってくる神大のエネルギーは関学に大いにプレッシャーをかけてきます。
対戦カードも少ないリーグ戦なので、関関立のどれかに1勝でも上げればプレーオフの進出の希望がつながる。
一方で、ここで負けるとその可能性はなくなるので、神大は必死で取りにきます。
しかも、そんな神大に対しやや苦手意識も感じている関学なので、あなどれない相手なんです。

立ち上がり関学のオフェンスから、神大のプレッシャーは厚くかかってきます!
伊丹、澤井のランニングバックがランでゲインを試みますが得点に絡められず。
1Qは両チーム無得点のまま終了します。
神大の長身LB、4回生の伊原昂紀選手などの活躍で、関学に走られないディフェンスをしていました。

2Qになると神大の攻撃を関学の2回生LB、倉田雅琉選手がインターセプト!!
これが得点につながります。
パスとランを交互に繰り出してゲインを重ねルト、4回生RBの伊丹翔栄のランが決まりタッチダウン!
スクランブルを見事にすり抜けた伊丹選手のランが決まった得点でした。
しかし、ポゼッションが取れたのはこのあと両チームで1回ずつ。
フィールドゴールを一つずつ決めて、関学10×7神大 で前半を終了します。

星野選手はこの日も力を発揮しました。
この日目立ったのは自分でも走る星野選手。

とくに相手ディフェンスのプレッシャーが強く、ブリッツ(QBを直接攻撃する奇襲攻撃)も多かった試合なので、星野選手はとりわけワイドに動きながらターゲットを探しては自分でも走り、チャンスを広げようと奮闘します。

相手ディフェンスの頭を飛び越える軽快な身のこなしも見せてくれました。

後半に入っても決定力に欠け、3Qは無得点となります。
しかし、必死の神大はほんとうにいろんなプレーを仕掛けてくるんですよね。

しかも、選手の気迫はスタンドもよく分かっている。
神大が関学を3rdダウンに追い込めば、神大スタンドからは大きな声援が響きます。
グラウンドレベルに立って初めて分かった「クラウドノイズ」!!
クラウドノイズとは、甲子園球場で例えれば阪神ファンが与えるあの「圧」です。
観客の声援でグラウンド内の声が聞こえない。
声援、拍手がプレッシャーとなってくる。

王子スタジアムのキャパとはいえ、その迫力は十分に感じられました。
だから、何万人規模のプロスポーツが与えるそのプレッシャーたるや…。
スポーツがもたらす人の力の凄さを実感しましたね。

苦戦しますが、もちろん関学には随所に良いプレーが見られました。

ディフェンス陣の左から2回生LBの倉田我琉選手、1回生DL、田中志門選手、4回生DBの松島颯来(そら)選手。
いろんなパターンで翻弄してくる神大に対してLBやDBは予測が難しいプレーを求められましたが、倉田選手は随所で好タックルを決めてくれます。

さらに1回生DLの田中志門選手。
チームからもかなり期待を受けている選手ですが、この日もスタメンで出場し、前半からハードなディフェンスに駆け回りました。

4Qには相手のプレッシャーを見事にかわしてQBサックを決めます!
関学がフィールドゴールで追加点を挙げた直後のプレー。
チームのボルテージが上がるタイミングでの好プレーでした。

試合は4Qになり、田中選手の好プレーもありましたが、攻守が変わって直後の星野選手のパスがインターセプト。
神大の攻撃に切り替わりそのままタッチダウンとなります!
しかしその直後の関学の攻撃ではランを中心に攻撃を展開し、澤井選手がタッチダウンをしてなんとか突き放します。
神大はその後の攻撃でもパスを通してゲインを重ね、再度得点圏でタッチダウンのチャンスを得ますが、4thダウンギャンブルを決められず無得点で試合は終了。

関西学院大学 20×9 神戸大学

神大は終始関学に対しプレッシャーをかけ続けてきました。
4Qまで逆転の可能性を十分に得ていましたが、ファウルによる罰退がチャンスを奪う場面もあり惜敗。
そして関学サイドとしては、失うものなしで攻めかかってくる神大に対して翻弄される場面もあり、勝利を飾るも反省点の多い試合となりました。
「身を引き締める機会となった」
とは、戦術に対して後手になってしまった部分を振り返る大村監督。
「気迫で負けていたところがあった。上級生はもっと強い気持ちを持たないと」
永井キャプテンも、全力で戦う神大に対する関学の姿勢を振り返りました。

1回生QBの星野太吾選手です。
「ワイドでいい感じにテンポが取れていたけど、タッチダウンに結びつけられなかったのは課題だったと思います」
「連携をしっかりと話し合い、練習から厳しく突き詰めてミスをなくしていけるようにしたいです」
スクランブルでの球離れの良さ、ハンドリングを得意と語る分、その戦術の精度を高めて得点に結びつけていきたいところですね。

そして1回生DLの田中志門選手。
「ずっと使ってくださっている中で、やっと大きなプレーができたのが嬉しいです」
1回生ながら起用してもらっていることに喜びを感じながらも、大学生のゲームに適用できるようスタートダッシュのスピードアップなどを課題に取り組んでいるとのこと。
増量にも取り組んでいるそうで、自炊しているという田中選手。
好きな食べ物はお母さんの作るそぼろ丼で、得意な料理は鶏の照り焼きなんだそうです。

関学ファイターズは1週間後に近畿大学ビッグブルーとの試合が控えています。
近大もまた、神大に続き上位への進出を目指して燃えているチーム。
というのも、前節で優勝候補の関西大学から勝利!
京都大学にも勝利をして現在3位と大健闘しているチームなんです。

今年は3位までに入ればプレーオフ進出となります。
準々決勝以降は負ければ敗退のトーナメント。
どのチームにも甲子園ボウルへのチャンスがあります!
そこにきて今シーズンのジョーカーとなりつつある近大なので、取りこぼしは許されない。
神大と同様に挑戦者としてめいっぱいのプレーを仕掛けてくるでしょう。
今までになく混戦の予感の中、この神大との一戦でギアをあげて近大を撃破することができるか。
ぜひとも注目してほしいと思います。

てことで、今日も言います!

 

近畿大学との一戦は今週末の9月29日(日)、王子スタジアムでのゲームとなります。

 

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スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。

プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。

プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。

名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

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