南 郁夫の野球観察日記(183)とにかく「打てない」オリックス、ラオウが意地を見せる!
2024年8月24日 (文/南 郁夫、写真/Yasutomo)
2024年オリックス。リーグV4を目論んだチームは開幕直後からもがき続け、ついに浮上のきっかけをつかめないままシーズン終盤を迎えてしまった。首位から20ゲーム離されたらさすがにリーグ優勝は絶望、クライマックス進出すらオールモストおぼつかない現状である。ま。永遠に続く栄華などあるわけない。それが、野球。要因は種々あろうが、とにかく「打てない」に尽きる。点の入らない試合を見てるほど辛いものはないのである。
そんなこんなの、8月23日(金)。「もらいもん」のチケットがあるというので、専属カメラマンと久しぶりに京セラドームへ。もとより京セラにはなかなか足が向かない私だが「ただ」なら足運ぶんかい、という姑息な観戦了見だ。しかし相手のロッテともども連敗中どうしの対決ということで、嫌な予感しかなかったのだが。
予感、的中。
「野球って、たしか得点を競い合うスポーツでしたよね?」と叫びたくなるよな、両チーム律儀に「0」行進の南無阿弥陀仏展開。試合はあっちう間に何も起こらず0-0のまま、9回裏2アウト。「もらいもん」のチケットがまたそれに相応しく「上段席の最上段」ということも相まって、投手戦(貧打戦)が苦手な私が気絶昇天しかかっていた、そのとき。
昇天したのだ、この男が。
この試合で初めて聞いた快音を後に残し、ラオウの打球はあっという間にバックスクリーン横へ!サヨナラホームラン!この日初めての大歓声で目が覚めたらゲームセットという、なんか笑っちゃうような顛末。延長なら確実に寝てたわ、ありがとうラオウ!
私は京セラにあんまり来ないが、来たらサヨナラ勝ちばかり見ている気がする。で。後から言うのは簡単なのだが、実は延長を覚悟してた(ごめんラオウ)私が、益田の最後の一球の直前に「あるかも!」と思ったことを付け加えたい。っていうか、言わせて!
というのは、相変わらず足を「くいくい」させて打者をだまくらかしていた益田のリズムが、そこで止まってしまったから。フルカウントになり、さっさと「性格の悪い」シンカーを投げ込んで勝負を終わらせたい益田が、グラブをひらひらさせてニューボールを要求しているのに。そこでかなり長い「妙な」間が、空いてしまったのである。そのとき審判の手元にボールがなく、それを運ぶはずのボールボーイがなぜかめっちゃ手間取ってしまったのだ。
「あ、これ益田めちゃイライラするやつやん」と私(と専属カメラマン)は察知し、おかげで私は目が覚め、カメラマンはその瞬間を捉えられた!というわけだ。ようやくボールをもらえた益田が待ちくたびれた!とばかりに「えいやっ」と投じた球は明らかに「高めの棒球」…。あとで益田がボールボーイを追いかけ回してなければいいのだが。
ヒーローインタビューで「打率2割そこそこの僕を応援してくれて・・」と自虐をかましていたラオウ。この日は意地を見せてくれたのは嬉しいが、そう。そこなのである。チーム低迷の最大の要因は、V3を支えたはずのチーム生え抜き中堅野手たちの軒並みの不調である。誰がどうとかは言わないが、中堅が軒並み一軍と二軍を行ったり来たりなのは、最大の誤算というか伝統というか…。
とはいえ、まだクライマックス進出のチャンスはあるはず。(あるよね?)まがりなりにもV3を達成した意地を見せてほしいし、とりあえずこの日はラオウが見せてくれたことは明るい話題である。5位という状況でも球場には(昔と違って)大勢のファンが詰めかけてくれる。とにかく彼らに残り試合は「面白い」野球を見せてほしいのである。
6-7とかなら、負けてもいいからね。(あくまで個人の感想です)
パワプロコラボは楽しかった。
南 郁夫 (野球観察者・ライター) 通りがかりの草野球から他人がやってるパワプロ画面まで。野球なら何でもじっと見てしまう、ベースボール遊民。あくまで現場観戦主義。心の住所は「がらがらのグリーンスタジアム神戸の二階席」ブログ「三者凡退日記」 |
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