スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(98)関学ファイターズ、フレッシュマンに感動のJV戦!
2024年6月25日 (イラスト・文/T.ANDOH、写真/Azusa Suzuki)
こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
今回も関学ファイターズ、6月22日に開催されたJV戦の様子をお話ししましょう。
JV戦とはJunior Varsityの略で、まだまだ出場経験の少ない下級生を中心としたオープン戦のことで、春の交流戦の締めくくりとして数試合が展開されています。
まだ入りたての1回生選手も登場し、この先の夏の練習期間を迎える前の腕だめしの機会となるため、今後のファイターズを担う下級生選手をチェックしてきました。
対戦相手は神戸大学レイバンス!
JV戦のなかでも同じ関西のディビジョン1で戦うチーム同士なので、神大側も応援団やOBの方が駆けつけた試合でした。
地元とはいえ、こうした非公式戦でもOBやファンが駆けつけるんですよね。
ほんとうに関西学生アメフトのレベルと根強い人気を感じる光景です。
しかも今回は関学のキャンパス内の練習グラウンド!
僕的にも初めてお邪魔する、憧れの関学ファイターズの”本拠地”です。
ぜひ夏のオフシーズンなどにも練習見学などをして、関学ファイターズの強さのメソッドをレポートしてみたいですね。
試合は1回生QBの星野太吾選手を中心に展開しました。
アクティブな動きにパスを繰り出していきますが、この日はパス相手を見つけるのに苦戦したり、QBに相手ディフェンス選手が直接襲いかかるQBサックも受ければ、インターセプトも受ける苦しい展開もみられましたね。
すでに一戦級と大村監督の評価も高い星野選手ですが、この日はやはりJV戦なんでしょうか。
QBのプレーが光るのはボールを受けるRBやWRとのコンビネーションであったり、壁となってくれるライン陣のがんばりであったり…、オフェンスを戦う全ての選手の連携が攻撃のシステムを築いていくんですよね。
関学が下級生中心のなか、神大は上級生のレギュラーメンバーが出場して互角以上のプレーを見せてくる展開。
それに対抗する関学はディフェンスラインが対抗します。
あの花巻東高校野球部出身、2回生DLの八木駿太朗選手が好タックルを見せるなど、春の交流戦でもしっかり経験を積んでいる選手がさらに経験の浅い下級生を牽引する場面が見られました。
試合は2Qに星野選手のロングパスが決まり2つのタッチダウン。
神大も関学の先制直後にミドルパスからのランで1つタッチダウンを返して14対7で折り返します。
後半は3Qに再び関学が2つのタッチダウン。神大が1つのタッチダウンを決めます。
3Qはランでのタッチダウンが相次いだのですが、RBの中心となったのが2回生RBの深村麟太郎選手!
4回生エースRB伊丹選手の口からも期待されている深村選手は、当たりにも負けずパワフルでタフなランニングが印象的でした。
4Qは関学がフィールドゴールで3点を追加して試合終了。
関学31×14神戸大学
レギュラー選手も出場している神大相手ですが、4つのタッチダウンで勝つことができました!
JV戦はまったく新しい顔ぶれが見られる新鮮な目で試合を見届けられました。
と同時に…
やはり上級生のスキルはすごいんだなという印象も受けました。
勝利は飾ったけど、分かりやすいくらいミスも目立つ試合でした。
攻撃を活かすためのシステムを、上級生は当たり前のようにその数多くのセットプレーを高い完成度でこなしているんですね。
ほころびがなく、またそのほころびが生じても、しっかりと切り換えができて取りこぼさない。
そのあたりの僅かな精度の差などを感じる場面もありました。
一方で、力を試す機会として物怖じせず挑戦したプレーもありました。
タッチダウンを狙うロングパスのシチュエーション。
1回生DBの東耕選手がブロックに挑戦し、1度はファウルを取られてしまいましたが、再び神大も同じプレーを試みると東耕も再度ブロックの手を伸ばし見事インコンプリート!
こうして実践ならではのスキルも重ねていけるんですね。
JV戦はゲーム全体でアメフトをあらためて勉強する機会にもなりました。
「新人のがむしゃらなプレーを見られたのは僕たちにも良い刺激になりました」
キャプテンの4回生LB、永井励選手はコメントしています。
スキルを重ねるにも出場機会を得て経験することが大事で、自分達の新人時代を思い出させてくれる思いきりの良いプレーを、下級生の姿に見られたようですね。
失敗を恐れず、めいっぱいをぶつけて学ぶJV戦。
ラインでハードなディフェンスを見せていたのは3回生DLの小川晃弘選手。
広範囲に選手をマークしていましたね。
ディフェンスマンは概ねラインがとても頑張っている印象がある今季のチームです。
3回生なので、秋に向けてさらにチャンスを掴んでほしいですね。
「先輩方や仲間からたくさん声を掛けてくれて、新人らしく精いっぱいプレーに集中しました」
こちらは1回生DLの川口凛選手。
後半を中心にガッツあふれるディフェンスを見せて、二つのQBサックを奪いました!
勇気を出して強い気持ちで相手に立ち向かっていく。
永井キャプテンが好きなタイプの選手ですね。
JV戦は残り2試合が行われ、これで春の交流戦が終わります。
チームは9月に開幕する秋の公式戦を控え、合宿などを経てこの夏にいよいよチームを仕上げていきます。
入学と卒業があり毎年チームが変わっていく学生スポーツですから、下級生の底上げも重要なんですよね。
春の交流戦で得られた課題をしっかりとブラッシュアップして、前人未到の甲子園ボウル7連覇を目指す関学ファイターズ。
今年は春から競合チームと苦しいゲーム展開を繰り広げたので、試合で得たものは収穫と受け止め、ミスを気負いせずしっかりと乗り越えていけるチーム作りを期待します。
JV戦のフレッシュマンの気持ちも忘れず、精度の高いプレーを強いメンタルでこなしていく。
関学ファイターズにとって熱い夏が始まろうとしています!
てなわけで、今日も言います!
秋のシーズンに向けて、引き続きアメフトの魅力もお伝えしていきたいと思います。
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スポーツイラストレーターT.ANDOH
おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。 プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。 プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。 名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!? |
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