南 郁夫の野球観察日記(170-1)2024年観察始動!オープン戦に行ってきた

2024年3月6日 (文/南 郁夫、写真/Yasutomo)

プロ野球開幕が粛々と近づいている。これってもちろん「すごく楽しみ」なことなのだが、実は「またあの野球野球野球!の日々が始まるのか、ふう~」となるかんじも、ある。ファン歴長い方ならわかってもらえるだろうか?今年もまた、膨大な時間を「野球」という答えのない哲学に費やすのかと。それはすごく楽しいことに決まってもいるが、なんとなく始まる前は気後れめいた感覚もあるのだ。

シーズンを迎えるにあたって、私も選手と同じように心身を野球に慣らしていく必要がある。キャンプ情報とかに興味ないのもあり、パタっと4カ月あまりNo Baseball生活に慣れてしまったせいだ。「慣らし」運転にはやはりオープン戦観察がよろしかろ、というわけで3月5日(火)オリックスvs中日に行って来た。

お昼前に京セラに到着してみれば、お馴染みのオリックス選手たちが整然と練習中。思えば、昨年の日本シリーズ最終戦以来の京セラドーム。あの日の大騒ぎ(阪神ファンの)が幻だったかのような静寂のもと、今年も彼らは着々と新しいシーズンの準備を整えている。昨シーズンの余韻など、どこにもない。年が変わればオールリセットでまた一から始まる、それが営々と続く野球の円環なのである。

選手の掛け声やカーンという乾いた打球音、グラブの音などを聞きながら、自分の身体を2023年野球シーズンに馴染ませていく贅沢なひととき。今年はどんなシーンが待っているんだろう?などと無人のスタンドでのんびり夢想したかったのだが… この日はドーム内なのに結構寒くてそれどころでない。冷たい雨が降る外気がそのまま入って来ているような… 空調止めてますか?

そんな中、中日ドラゴンズの選手もグラウンドに入ってきて… あちこちでペタペタお互いの体をタッチしての体育会系挨拶タイムが始まった。あの大物選手も、後藤駿太も!

さて。開門前のスタンドではスタッフの皆さんが全ての椅子の座面が「ちゃんと跳ね上がるか」をチェックするバタバタバタバタという音が鳴り響き、こちらも絶賛準備中である。なんせ人気球団になったオリックスは公式戦前売チケットの売り行きも大好調らしく、今年もドームに多くのお客さんが来る予定なのだから。

私が「ぼうっ」としていたオフの間に、選手も球場も準備万端。平日オープン戦というのに15000人以上もファンが詰めかけ(正気か?)、ファンも応援団も通常営業。もちろんプレイボールがかかれば両軍選手たちも公式戦さながらの動きなわけで、「うん、とっくに野球は始まっていたのね」と痛感させられた次第。例のSluggerのでっかい選手名鑑で両軍選手をチェックしながら(中日とオリックスは順位の関係で(笑)ページが隣どうしで見やすい)、私もなんとか野球についていく。

で。試合結果はこんなだが、オープン戦ゆえそれでどうなこうなは、ない。ただ…
やはりブルペン心配か?オリックス。

オリックス先発の2年目・曽谷龍平はテンポよく、5回無失点6Kの大好投。ローテ候補として十分な結果でよかったよかった。福也に代わる左腕として期待が高まるばかり。

何から何まで吉田正尚に見える新加入・西川龍馬先生も見れたし、Tさんがヒット打ったし、満足満足。

一方、何かと話題の尾張ドジャース、じゃなかった中日ドラゴンズはなかなかどうして楽しいチーム。先発の高橋宏斗の長い手足をもて余したようなピッチングにスケールを感じたし、どんどん出てくるキビキビ動く小粒な野手たちが活発活発。この日誕生日の駿太もヒットで両軍ファンから大喝采。貯めたランナーを新加入の「こういう系」の人がドッカーンと返す、というのが今年のチーム構想なのかな?と。

でも私が一番気に入ったのは、攻守とも「ドカベン岩鬼」みたいな風合いのこの人!中日って昔からオモロい外人おるよなあ。

「実直そのもの」な竜応援団の皆さんも、仕上がってました。いやあ、ほんと実直。

さて。専属カメラマンも始動です。次ページは、試合前練習から取材させていただいた写真集を、どぞー。

 

 

南 郁夫 (野球観察者・ライター)
通りがかりの草野球から他人がやってるパワプロ画面まで。野球なら何でもじっと見てしまう、ベースボール遊民。あくまで現場観戦主義。心の住所は「がらがらのグリーンスタジアム神戸の二階席」ブログ「三者凡退日記」
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