スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(61)やったぜ平野佳寿!日米通算250セーブ!!

2023年10月4日 (イラスト、文/T.ANDOH)

こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
オリックスの平野佳寿投手が、10月2日の北海道日本ハムファイターズ戦で9回に登板し、日米通算250セーブを達成しました!!

トップのイラストは2009年ごろに描いたものです。
そのころ、オリックス職員の花木聡さんが公開していた公式ブログ「閑話球題」のなかで、花木さん主催のイベントがちょいちょい開催されていたんですけど、その時のにぎやかしに、何人かのイラストを描いたんですよね。
2006年の入団当初は先発を任されてきましたが、たしか2008年は怪我で登板がなくって、その翌年には復帰したんですけど調子の良いシーズンではありませんでした。若手として期待している選手の一人として、当時の大引選手などと一緒に描いた1枚です。

平野投手とは、何かとご縁のある選手だと思っているんです。
こっちだけの話ですけどね。
2回だけ会ったことあるのですが、先方はもう覚えていないでしょう。
それでも、自分のオリックスファン人生の中でも大きな存在の選手です。

2010年に中継ぎに転向。
この中継ぎ転向を提案したのは、当時の岡田彰布監督。今年は、阪神の監督としてセ・リーグのリーグ優勝を飾りました。
そして、平野投手は中継ぎとして39ホールド!オールスター選出!!
その後セットアッパーからクローザーとなり、いまに至るピッチングスタイルを確固たるものにしてくれました。

ちなみに、2010年ごろから3シーズンほど、他のオリックス職員さんのご依頼で、オリックス選手有志がチャリティでシーズンシートを寄付する企画があり、その時のメンバー、加藤大輔元投手、小松聖現コーチ、岸田護現コーチと、平野投手を書かせてもらったこともありました。
岸田・平野のコンビは当時のオリックスの勝利のパターンでしたね。
2017年にはWBCにも選出されて勝ち星を上げるなど、地味な暗黒時代のオリックスを支えてくれましたね。

平野投手は、1984年3月生まれ。
寺原隼人投手で沸いた甲子園世代で、京都府立鳥羽高校で甲子園にも出ています。ただ、高校時代は腰痛持ちでエースにはなれなかった。救援投手という立ち位置も、「地味を笑うな」という自身の著書にも、この頃の思いがあるものだと思います。

愚直に積み上げてきた救援投手という地位を確立して、平野投手が目指したのはメジャーリーグ!
ダイヤモンドバックスで2年契約を結ぶと、メジャーでもセットアッパーやクローザーに指名されて75試合登板32ホールドは、これもまた派手な成績ではないけれど、その実力を証明して中継ぎ投手としての実力を見せつけてくれました。

印象深かったのは、2020年シーズンにシアトル・マリナーズに移籍したこと。
そう、僕が応援しているマリナーズに来てくれたんです。
しかし、コロナ禍の真っ最中。メジャーリーグもシーズンが中断されて、アメリカにいた平野投手も自主練習の日々を送っていましたが、コロナにかかってしまいました。
結局60試合に短縮された異例のシーズン。しかも、コロナの影響でチームに合流したのは8月22日。
それでも、前年にエドウィン・ディアス投手の放出があったマリナーズのクローザーの座について、実質30試合ほどの中で13試合登板、4セーブはすごい健闘でした。

マリナーズは西海岸なので、現地日曜日のデーゲームはこっちで月曜の早朝。
出勤前にマリナーズを見ることを「朝活マリナーズ」と称して観戦していた僕なんですが、シーズン最終戦となった現地時間9月27日。
早朝から眠い目を擦りながら観戦して、そらぁもう、勝ち試合が見られれば明るく週明けを迎えられるわけです。しかもこの日は最終戦、シーズンを勝って締めくくってほしい気持ちはもちろん。
いつものように救援投手として登板したアスレチックス戦だったのですが、まさかの救援失敗してサヨナラ負け。
唯一の黒星が最終戦の救援失敗というほろ苦な締めくくり方は、これもまた平野投手らしい一幕でした。

そう、ポカも時々ある平野投手です。
9回のセーブシチュエーションで一発を打たれるシーンもオリックスファンにとっては平野投手のもう一つの姿でしょう。
ストレートとフォークで全力投球で攻める平野投手にとって、クローザーとしての宿命なのが一発による救援失敗。

それでも、ファンは平野投手のその勝負心を応援します。
日米で積み重ねてきたセーブ、そしてホールドの記録は、イチかバチかのシチュエーションでそのゲームの白星を背負って投げるという重心と潔さにファンとして熱量というか美学すら感じます。
そんななかでも積み上げた日米通算250セーブは信頼の証。
250セーブのうちメジャーでは通算で8セーブだったため、来年も頑張ってくれれば、日本の成績だけでも250セーブに届くこともできます!

勝ち試合じゃないと成績にならないクローザー投手の成績。名球会入りの難しさはご存知の通りです。地道に積み上げて、投げて投げて、投げ続けてきた平野投手の金字塔。
それでも、地道にとは言い切れないほどのプレシャーに打ち勝つ気持ちで投げ続けてきたからこそ得られた成績であり、投球スタイルです。

ぜひこれからもその強い勝負心をファンの心に刻んでほしい。
そして、個人的にも”ご縁”を感じる平野投手の大記録を心から祝福し、この後のポストシーズンや来年以降の変わらぬ活躍を、自分の励みにもしていきたいです。

 

※イラストの転載・無断使用はご遠慮ください。使用をご希望の場合はK!SPO編集部までご連絡ください。


スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。

プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。

プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。

名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

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