スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」（60）関学ファイターズ、三連勝も難敵に苦笑いの神戸大学戦！

2023年10月1日（写真、文／T.ANDOH）

こんにちは！スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
今回は神戸市王子スタジアムで9月30日に開催された関学ファイターズの公式戦第３戦、神戸大学レイバンズ戦の様子をお伝えします。

神戸大学は昨シーズンも黒星をつけられている相手…
苦手意識があるわけではないのでしょうが、ファイターズは苦戦をする相手なんです。

ちなみに、アメフトでは、サッカーなどでいう「ダービー」みたいな記念的な試合を「〇〇ボウル」と呼びます。
T.ANDOHが個人的に推している、西宮市の関学と地元神戸大学との一戦を伝える今日は「K!SPOボウル」と言いますか（笑）。
そうしたら甲南大学さんに「ウチを忘れるなよ！」と言われそうですね。
兵庫県からは関学、神大、甲南の３校が、関西学生アメフトのトップリーグに参戦しております。

さてキックオフ！
苦手意識があるわけじゃないと言ったものの、神大のリターンから始まったゲームは、いきなり神大オフェンスが関学を襲います！！
じわじわと神大のゲインを許して、先制のタッチダウンは神大レイバンズ！
ゴールキックも決まって、いきなり関学はビハインドとなります。

それでも、この日スタメンのQB、４回生の鎌田選手が冷静にゲームメイクをしていきます。
1Qでランで攻める関学が、４回生の前島選手のランからさらに３回生RBの澤井選手のランでタッチダウンを奪い、同点となります。

2QはQBからのパスプレーが決まりつつも波に乗れず、両チームでFG（フィールドゴール）の３得点ずつ。
しかも関学は2度のチャンスを落とします！
神戸大学のライン（フロント）メンが押し返すんですよね。
関学の選手のポテンシャルは良いんですよ。
鎌田選手のパスがきれいに通ればしっかりゲインも重ねるし、RB陣のフィジカルの強さもまた大きなゲインを積み上げます。
しかし、それ以上にこの日の神大は「関学のボロを出せ」と言わんばかりのプレッシャーでラインメンをバラバラにし、またターゲットを狙い撃ちしてきます。
トータルでも獲得ヤード、攻撃のポゼッションは関学の方が多かったにも関わらず、決め手を欠く試合展開が進みました。

3Qはそのオフェンス陣がようやく持ち味を出してくるのですが、なんと無得点で終了。

４Qになって試合は動きました。
相手陣地まで侵入した関学は、鎌田選手から左サイドでパスを受けた１回生WR小段天響選手のタッチダウンで勝ち越し。
その後もパントリターンから小段選手のランでゲインしたファイターズが、３回生RBの伊丹選手のタッチダウンで引き離します。

さらに４回生の前島仁選手が、ラッシュを飛び越えてタッチダウンを決めるなどしてリードして、最終スコアは31対10で関学ファイターズが勝利を決めました。
４Qに攻守で決めるべき選手がよく決めた一戦となりましたが、神大のパワープレーに押される場面や、小さなミスの傷口を広げる神大の巧妙な攻撃にオフェンスだけでも大きく苦戦した一戦となりました。

「課題もまた勉強」
と戒めたのは大村監督のコメント。
キャプテン４回生LBの海崎選手も「一つ一つの課題が明確に浮き彫りになった試合」と振り返り、反省点がしっかりと意識できていること。
次に活かすために受け止める謙虚な気持ちは、いつ見ても「この子オトナやわぁ」と、倍の年をくっているいいオトナはいつも感心させられるのでした。

相手をしっかり研究してくる神戸大学には非常に興味深かったですね。
グッディー！な圧のあるディフェンスは見応えありましたし、オフェンスもパスが繋がると一気に湧き上がる場面がありました。
素人目に見てもファイターズを苦しめていることがよくわかりましたね。
とてもポテンシャルの高い選手が集まっています。

一方こちらも、ディフェンスも注目して試合を見ていましたが、やはりLBの海崎選手、そして３回生LBの永井選手のコンビネーションは面白くて、試合中もポジショニングの確認をしたり、声を掛け合ってプレーに臨んでいるとか。

また、QB鎌田選手も攻守交代の要所で「あとはまかせた」と海崎選手に声を掛ける場面がるなど、なんとか上級生がゲームを責任感持って引っ張っていったシーンが見受けられました。

個人的には鎌田選手って、好きですね～。
パスの判断は素早いし、自分で切り込む時もスマートに入っていくし。
アメフトをよく知っている一面を感じるのですが、それでも後輩QBである星野選手にスタメンを奪われていることも含め「自分はまだまだ下手な人間ですから」と、普段も練習から撤収まで手を抜かない真摯な姿勢が、とても清々しいんです。

まだまだ暑い日が続きそうな10月に突入ですが、関学ファイターズの試合はさらに佳境に進んでいきます。
今日頑張った海崎、鎌田、前島といった上級生が下級生に引き継いでいきたいこと。
この先の試合で下級生がどのように応えていけるか。
とても楽しみです。
課題いっぱいな試合内容もポジティブに受け止めて、さらなる高みを目指す関学ファイターズ。
次戦は10月15日(日)、神戸市王子スタジアムでの近畿大学戦となります。