南 郁夫の野球観察日記(125-1)オリックス、シーズン最終盤、大事な試合の結果はまさかの!

2022年9月23日 (文/南 郁夫、写真/Yasutomo)

9月22日(木)京セラドームのロッテ戦。史上まれにみる混戦のパ・リーグ。残り5試合のシーズン最終盤、この日勝てばクライマックス進出決定で逆転優勝にさらなる弾みもつこうかという、大一番。平日なのに2階席もほぼ満員のオリッ・ファンが期待MAXの中で見せられたのは・・

ロッテ期待の若手・大阪出身の山口航輝#51の

「4打数4安打8打点3ホーマー」だったのである。

「秋の夜 まだ諦めぬ 3アーチ」

球界の俳人・山口くん、試合後の一句。そう、5位のロッテですらまだクライマックス進出のチャンスがあり、どのチームも何もあきらめていない、パ・リーグなのだ。先発・山岡のまさかの大乱調で

「しゅん」とスタンドが沈む中、ロッテ打線が見たこともない躍動を繰り広げたのだ。

山口のロマンあふれるホームラン軌道には「ため息」しか出ない。迷いなくそっくり返り気味で振り抜かれたバットから放たれた打球は、力強いワイヤーのような「確信」を維持したままレフトスタンドに突き刺さるのだ。ノー小細工で引っ張り倒すその打撃スタイルが、私の理想の右スラッガーそのもので、よだれが出てしまう。あと10センチ背が高ければ、アーロン・ジャッジになれる!

加えて、前試合で「鳥に襲われたZOZOマリン」を救ったヒーロー・角中勝也の勇敢なバットがこの日は鳥ならぬボールに向けられ、3ランホームラン含む3安打の大活躍をしたのも、笑えた。かの試合ではノーヒットなのにファンが選ぶチームMVPだったのだ。それにしてもあれは歴史的大事件だったなと、パ・リーグTVのみならず私も思う。

というわけで、よりによってこの大事な試合で見たこともない大敗を食らったオリッではあるが(うちの投手陣が13点も取られたとは・・・)、若武者・野口智哉のめちゃカッコいいフルスイングの鮮烈・プロ初ホームランも出たし、野球観察者としては至極満足な試合だったのだ。なんせ、6ホームランも観れたから。現地観察試合は乱戦に限る!実は1-0で勝つよりも・・・という自分の野球素人ぶりが、誇らしい。

立派に幕張の大砲と化した山口くん、飛ぶ鳥を落とす勢いの角中には、その勢いでソフトバンク4連戦に臨んでいただきたい。そのための試合だったと思えば、オリッには大した痛手ではないわけである。ああ他力本願。さて、ロッテは30日には京セラに戻ってきて最終戦を行うのだが、こちらも観察予定。その試合がどういう意味を持つ試合となるのか?

予想もつかないシーズン終盤である!

ロッテの話ばかりになったので、次ページはオリッ・ミニ写真集をお届け。

 


<過去コラム一挙掲載!>
オリックス、元メジャーリーガー、女子野球…ベースボール遊民・南郁夫の野球コラム集。

 

南 郁夫 (野球観察者・ライター)
通りがかりの草野球から他人がやってるパワプロ画面まで。野球なら何でもじっと見てしまう、ベースボール遊民。あくまで現場観戦主義。心の住所は「がらがらのグリーンスタジアム神戸の二階席」ブログ「三者凡退日記」
著書「野球観察日記 スタジアムの二階席から」好評発売中!
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