スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(158)関学ファイターズ、ビッグプレーで勝利をつかみ取った近畿大学戦

2025年9月24日(イラスト・文/T.ANDOH、写真/Azusa Suzuki

こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
今回は9月21日に開催された関西学院大学ファイターズと近畿大学BIG BLUEの一戦の模様をお届けしましょう。

会場は神戸ユニバー記念競技場。
お隣のほっともっとフィールドでは大学野球も行われていました。
急に訪れた秋の空気に加えて風もあったので、日が暮れると肌寒さを感じるほど。
山あいの総合運動公園周辺は、この季節になると街中よりぐっと冷えるんですよね。
この夏の暑さですっかり忘れていました。
周辺にお住まいの皆さんは、気温差による体調変化にはくれぐれもお気をつけください。

この日のスタメンQB(クォーターバック)は4回生の星野秀太。
久々に「星野兄弟」の兄がスタメンで登場です。
初回のシリーズから積極的にパスを投じていきますが、得点には至りません。

近大は序盤からアグレッシブに攻め、3回生QB小林洋也選手のパスを関学3回生DB(ディフェンスバック)伊東利晃選手がインターセプト!
ここで流れをつかみたい関学でしたが、近大ディフェンスの粘りもあり、1Qは両チーム無得点に終わります。

2Qに入ると近大の攻撃。
ラッシュをかいくぐった小林選手のパスを、フリーになっていた1回生WR(ワイドレシーバー)池内翔柾選手がキャッチし、そのままエンドゾーンへタッチダウン!
なんと!関学は今季初めて先制点を許してしまいます。
近大の勢いに対して、関学ディフェンスは苦戦しました。
「相手に対してのタックル意識の甘さや、視野の狭さがタックルミスにつながりました」(4回生DL山本選手)
ディフェンス陣からは口を揃えて反省の声が上がりました。
近大は序盤から思い切った仕掛けを続け、主導権を握ろうとする印象が強かったです。

しかし関学もすぐに反撃。
直後のシリーズで3回生WR百田槙吾選手がナイスキャッチを見せ、ゴール前へ大きくゲイン。

そこから2回生RB永井秀選手がラッシュからダイブしてタッチダウン!
すぐに試合を振り出しに戻します。

ところがその直後、近大のキックオフリターン。
2回生WR小野真選手が巧みにディフェンスをすり抜け、そのままゴールへ駆け込みタッチダウン!
またしても思い切りの良いプレーで流れを引き寄せます。

関学も慌てることなく、次のシリーズはラン中心の展開へ。
途中でQB星野秀太選手のヘルメットが外れ、弟の2回生・星野太吾選手に交代する場面もありましたが、しっかりとゲインを重ねます。
最後は4回生RB井上誉之選手が力強くエンドゾーンへ飛び込み、タッチダウン。
前半は14対14の同点で折り返しました。

後半も近大は勢いを持って攻め、タッチダウンこそ奪えなかったもののフィールドゴールで再びリード。
しかし関学もすぐに反撃。
星野秀太選手のロングパスを4回生WR五十嵐太郎選手がキャッチ、そのまま40ヤード以上を駆け抜けてタッチダウン!

さらに星野選手は井上選手へのショベルパスで意表を突き、続けて3回生WRリンスコット・トバヤス選手へタッチダウンパスを成功。
後半に入るとパスを中心にビッグプレーを繰り出し、流れをつかんでいきます。
一方の近大は、スタメンQB小林選手がタックルを受けて一時退場。
これも試合の潮目が変わった一場面なのかなと思いました。

その直後の近大の攻撃で、関学1回生DL武野晋平選手がインターセプト!
前線でブロックをしていた武野選手の目の前に飛び込んできたパスを逃さずキャッチし、そのままエンドゾーンへ突っ込んでタッチダウン!
恵まれた体躯に加えて柔軟な視野と反応。
1回生ながら堂々としたプレーを披露した武野選手、今後が楽しみな選手です。

4Qに入るとQBは弟・星野太吾選手へ。
ランを中心にじわじわと前進し、最後は3回生WR小段天響選手へのパスでタッチダウン!
最終的には、関学が大きく相手を振り払う得点ラッシュで圧倒しました。

関西学院大学ファイターズ 41 × 17 近畿大学BIG BLUE

振り返れば、随所でビッグプレーが飛び出した一戦。
ビッグプレーにはビッグプレーで応じ、これまで以上に多彩な攻撃で制することができました。

3回生DB伊東利晃選手
「インターセプトはラッキーでした。それでもオフェンスが点を取れない厳しい場面で良いプレーが出ると、チームがノッてくると思うので、これからもタックルやディフェンスらしいプレーで流れを引き寄せたいです」
2つのインターセプトで流れを変えようと奮闘した伊東選手。
ディフェンス面での反省を次へ活かしたいと語りました。

3回生WR百田槙吾選手
「キャッチで貢献できましたが、自分の得意とするブロックでは想定外の動きも多く、まだ対応力が足りないと感じました。もっと想定の幅を広げて準備したいです。」
得点につながるキャッチや、ナイスリターンも決めた百田選手。
攻撃だけでなく守備的な役割にも磨きをかけ、さらなる成長を誓っていました。

4回生QB星野秀太選手
「(相手の)ディフェンスを崩すならパスで勝負するしかないと試合前から話していました。縦のパスを通してタッチダウンにつなげられたのはよかったです」
この日はスタメンとして長いプレータイムを獲得しました。
弟・太吾選手がコンディション不良もあって控えていたそうですが、どちらが出ても落ち着いたプレーができる準備が整っていたと振り返ります。

序盤からビッグプレーを許す苦しい展開もありましたが、チーム全体で落ち着いて立て直せたことが大きな収穫でした。
今回の近大をはじめ、京都大、神戸大といった上位への食い込みを目指すチームには、多彩な仕掛けで関学を翻弄しようとしてきます。
さらに関西大・立命館大といった上位チームとの対戦では、もっと複雑で精度の高いスペシャルプレーが待っているでしょう。
攻守ともに「幅の広さ」を課題に掲げた関学ファイターズ。
リーグ戦を通じてさらに多彩で奥深いプレーを展開し、どんな仕掛けにも対応して相手を上回ることを期待したいです。

次は9月28日(日)、ヤンマースタジアム長居での京都大学ギャングスターズ戦。
1週間の試合間隔であり、気の抜けない相手との一戦となります。

アメフトの奥深さ、駆け引きの妙を、もっと多くの人に知ってほしい。
ので、今日も言います!

 

ぜひ次戦もご注目ください!

※イラスト・写真の転載・無断使用はご遠慮ください。使用をご希望の場合はK!SPO編集部までご連絡ください。


スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。
プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。
プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。
名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

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