スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(156)勝って兜の緒を締めよ!関西学院大学ファイターズ、同志社大学戦
2025年9月9日(イラスト・文/T.ANDOH、写真/Azusa Suzuki)
こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
今回は関西学院大学ファイターズ秋の公式戦、9月6日ヤンマースタジアム長居での同志社大学WILD ROVER戦の模様をお送りします。
概ね隔週で開催される公式戦なのですが、9月は少し日程が詰まっていて、8月31日の開幕戦を含めて4試合の開催。
先週末から1週間も空かない状況で体勢を整え、次の準備に入るのは選手たちにとっても大変ですね。
しかも対戦相手の同志社大学は、甲南大学とともに今シーズン1部昇格をしてきたチーム。
実力面では格下と言えますが、対戦したことのないチームとの試合は油断ができません。
試合は1Qから得点をあげていきます。
関学は最初の攻撃からランを中心にゲインを重ね、2回生RB(ランニングバック)の永井秀選手がスクランブルを突破し先制のタッチダウンを決めます。
続くシリーズも永井選手が相手に脚をつかまれながらもゴールにねじ込み、2つ目のタッチダウン。
永井選手の強靭なフィジカルが発揮されたタッチダウンとなりました。
先発のQB(クォーターバック)は2回生の星野太吾選手。自らが走り込んでゲインすることも多かったですね。
「(攻撃の)テンポを崩すことをしたくなかった。スクランブルにも自信があったので、無理をせずサイドラインも意識して走ることができました」
RB陣のランが良かった分、QBとしてもその攻撃のリズムを生かして自らも走り込んでのプレーだったようですね。
2Qはフィールドゴールが決まり3点追加となり、さらにリードを追加します。
後半には星野兄弟の「兄」4回生QB星野秀太選手が登場。最初の攻撃シリーズで星野選手のロングパスを4回生WR(ワイドレシーバー)五十嵐太郎選手がキャッチしてタッチダウンを取りました。
しかし、この後の攻撃シリーズは同志社のパスがよく決まってゲインを重ね、タッチダウンをひとつ献上してしまいます。
同志社大は1部昇格ながら、強豪相手に一矢報わんと積極的に攻めてきます。
関学ディフェンスはひとつひとつの攻撃に対してチェックに追われて苦戦している印象がありました。
そんな中でも、3回生LB(ラインバッカー)の油谷壮馬選手のタックルなど、必死に相手を止めに行くプレーが目立ちました。
「まだまだ振り切れていない部分があります。7失点以上の反省があります」
4回生DL(ディフェンスライン)の山本桜汰選手は語ってくれました。
準備期間が短かったことはありますが、それを言い訳にはできない。コミュニケーションを深め、チーム全体で思いきりよくプレーに臨める体制をとっていきたいところ。
ディフェンス陣は結束力が強いはずなので、目の前のプレッシャーを全員で弾き返せるチーム力をもって、この後の試合にも臨んでほしいですね。
4Qに入ると、同志社大の攻勢をオフェンス陣が振り払うように得点ラッシュとなりました。
クォーターまたぎの関学の攻撃では、3回生WRリンスコット・トバヤス選手のパスキャッチが決まりタッチダウン。
冷静にパスを決めることができましたね。タッチラインぎりぎりのところでしたが、しっかりと足を残して得点を決めました。
そして3回生RBの深村麟太郎選手にもタッチダウンランが決まります。
「ゾーンの走り方が今までになく良かった。もしかしたら化けるかもしれない」
大村監督も評していた深村選手はラグビー部仕込みのスピードあふれるプレーが持ち味。これからのプレーにも注目です。
最後も深村選手がゴール際まで果敢にゲインしたのちに2回生RB平野日々輝選手が、次々とやってくる相手タックルに負けず前進してタッチダウンを決め、最終的には大差をつけて勝利を飾ることができました。
関西学院大学ファイターズ 45 × 7 同志社大学WILD ROVER
この2戦は格下とはいえ、相手の動きに翻弄されるケースが多かった試合。
甲子園ボウル出場をかけて頭ひとつ抜け出すためには、開幕2戦もより精度の高いプレーで相手を圧倒したかった。
とはいえ、強豪チームを相手に痛いミスを起こすより、あらためて気を引き締めるきっかけを得られたことは良かったのかもしれないですね。
3回生LB、油谷壮馬選手
「スタメン起用で緊張しましたが、想定していたプレーができました」
「相手のQBが走ってくる選手だったので、しっかりと準備して警戒していた動きができてよかったです」
貴重なチャンスにしっかりと仕事ができた油谷選手。これからも出場機会を勝ち得てほしいです。
3回生RB、深村麟太郎選手と松村亘選手。
「ますます強い相手との戦いになってくるので、チャンス掴んだらいいプレーできるように、さらに力をつけていきたいです」(深村選手)
この二人は、短いプレータイムの中でもそれぞれの持ち味を活かしていたと思います。
深村選手はしっかりと長い距離をランでゲインしましたし、松村選手はスクランブルをジャンプして乗り越えるプレーを見せ、フルバックらしいパワープレーを試みる場面がありました。
2回生RB平野日々輝選手と永井秀選手
「今日の永井はすごかった」
先輩からもそう評された永井選手のプレーは、強靭なフィジカルでグイグイとランを牽引しました。
平野選手も持ち前の器用さを活かしてスクランブルを切り抜けるプレーが光りました。
前回からRB陣に注目をしていますけど、それぞれが持ち味を活かして攻撃にバリエーションを増やしてほしい。
ランが攻撃を牽引しリズムをもたらすと、チームにも勢いがつくと思います。
反省点も多い試合だったと一同に振り返った同志社戦でしたが、勝って兜の緒を締めて、質の高いゲームを展開してくれることを期待したいです。
次回の試合は9月21日(日)の近畿大学BIG BLUE戦。
神戸ユニバーシアード記念競技場での試合となります。
課題や反省も「伸びしろ」。
そんな若い選手たちの成長の歩みを、ぜひ皆さんも体感してみてはいかがでしょうか。
神戸での試合なので、多くの神戸の皆さんにも試合観戦に来てほしい!
ので、今日も言います!
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スポーツイラストレーターT.ANDOH
おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。 |
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