スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(111)関学ファイターズ、勝って兜の緒を締める!近大戦

2024年10月3日(イラスト・文/T.ANDOH、写真/Azusa Suzuki

こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
9月29日に行われた関学ファイターズと近畿大学ビッグブルー戦の様子をお伝えしましょう。
前回の神戸大戦に苦戦をした関学ファイターズ。
近畿大学も強豪関学に対して一矢報いらんと燃えているチーム。
やはり優勝候補の関西大学に対して勝ちをもぎ取っているので、関学からも勝ちを得てプレーオフ進出をねらうべく、この関学戦に備えてきました。

試合前に会場がざわつきます。
お!
オール巨人師匠が!!
たしかにデカいっ!!(公称184cm)

なんと、オール阪神・巨人の巨人師匠が観戦に訪れ、サプライズでコイントスセレモニーをつとめられました。
近大の応援に訪れたそうですが、コイントスセレモニーは急きょリーグ側の打診に快諾してくれての参加。
こうして著名人がご好意でアメフトの試合にも参加をしてくれる。
嬉しいことですねぇ。
芸に厳しく、ファンにはやさしいと有名な巨人師匠。
大物オーラを放ちつつも、さわやかでやわらかな雰囲気をももたらす、素敵な方でした。

さて試合です!
巨人師匠の応援もあってか、近大が先制します。
近大のプレッシャーのなか、1回生QBの星野太吾選手が投げたパスが、近代ディフェンダーの手に当たりさらにインターセプトに。
代わった近大の攻撃は、QB勝見選手がWR小野選手にパスを通し、そのまま走り切ってのタッチダウン。
ノーマークとなった小野選手に近い距離のパスが通り、インターセプト直後から近大ペースで失点を喰らいます。

しかし関学もすぐに次のプレーでゲインを重ね、4回生RBの伊丹翔栄選手のタッチダウンが決まります。

変わらずプレッシャーが厳しいなか、しっかりとゲインを重ねました。
長いパスもよく繰り出した試合でしたが、2回生WRの百田慎梧選手などレシーバー陣がしっかりとフォローします。

その百田選手のパスが通り、クオーターが変わった2Qの開始直後、再び伊丹選手が2つ目のタッチダウンを奪います!!
このオフェンスでは、外に回り込んだ伊丹選手がレシーバーのようにパスを受け取るというスペシャルプレー。
デザインされた奇襲と思いますが、QB星野選手はよく見ていましたね。

しかし近大も負けていません。
2つの4thダウンギャンブルがパスで決まってのタッチダウンで再び同点となります。
4thダウンギャンブルで放ったロングパスが繋がって得点につながる…。
こちらも”奇策”ではあるのですが、ディフェンスバック陣への課題となったのではないでしょうか。

しかし、パスにはパスで返します!
直後の関学の攻撃で伊丹選手のロングランが決まると、星野選手から2回生WRの小段天響選手へのロングパスが決まってタッチダウン!!

さらにWR百田選手へのパスも決まってタッチダウンと、2ポゼッションをあけるリードで前半を終えました。

近大はQB勝見選手とRB島田選手のパワープレーでグイグイとパワープレーで押していくチーム。
パスプレーでバリエーションを広げられてはバックス陣が苦戦しますが、一方でラインバッカーの2回生、倉田我琉選手の果敢なタックルが今節も見られたり、

後半には永井励キャプテンの弟で、1回生の永井秀選手も良いプレーが光りました。
45番が兄の励選手で、32番が秀選手。
大村監督からは「まんま兄貴」と言われる秀選手ですが、一本気で熱血漢は兄弟ゆずり。

この日も4QにはガッツあふれるプレーでQBサックも決めます!
直前に星野選手のパスがインターセプトになってからのプレーなだけに、ゲームの流れをも変えるプレーは記録以上にチームを後押ししますね。
広角な倉田選手と猛進の秀選手。
どちらも自分らしいプレーで守備を全うできると、励キャプテンがかなりがっしりと構えてポジションを取れる。
昨年の励選手と海崎選手の関係のように、両翼が役割を持てて良い布陣となれると思います。

4Qは、伊丹選手のロングゲインから澤井選手のタッチダウン。
さらに近大の攻撃をしっかりと抑えてフィールドゴールによる追加点。
ダメ押しは4回生QBの林選手からRBの門山選手のランと、4回生サブがタッチダウンを稼ぎリードを広げて試合終了。

関学ファイターズ 44 × 14 近畿大学ビッグブルー

大差をつけることができましたが、次への課題もいろいろと見つかった試合ともなりました。

「欲張りすぎず、テンポ良くオフェンスを進めることの大事さをあらためて感じました」
星野太吾選手はインターセプトもあったりと苦戦もしました。
もちろんゲームメイクはしっかりと出来ていると思いますが、対策も打ってくる相手に対して堅実に素早く判断することを求められるのがQBです。

「点差ほど力差はないとも思った試合でした」
「これからさらに強い相手とぶつかるので、よりしっかりと1対1の勝負にも勝ち抜けられるプレーをしていきたい」
ほんとうに、いろんなパターンを想定して対策に対して対策を打つ。
練習で積み上げていくことの難しさと面白さがアメフトにはあるんですよね。
「(星野選手が)絶対(自分に)放ってくれると信じて走ったら、良いパスを投げてくれた」
タッチダウンパスについては、日々の練習で作り上げた星野選手との信頼感も見受けられるコメントもくれました。 

こちらもパスでタッチダウンを得た2回生WRの百田選手。
「神大戦の課題を踏まえて、ファーストプレーからしっかりと取ってやろうという気持ちで臨みました」
「しっかりと準備したプレーをこなすことが自分らしいと思っているので、キャッチ、ブロックと練習からしっかりと積み上げていきたいと思っています」

この先は京都大学、そして関西大学、立命館大学と強豪校との対戦が待ってます。
優勝争いに関わってきますし、1対1でも十分に警戒をしなければいけない強い相手となります。
よりファンダメンタル(基礎)を強化して備えていく必要を、全ての選手が口にしてくれました。

「9月は試合間隔も短くて、正直疲れましたが、良い経験にはなったと思います」
「これからもっと1試合1試合がしんどい試合が続くと思うんで、チャレンジャーとして気を抜かずに臨みたいと思います」
永井キャプテンにとってもハードな連戦となったようですが、総当たりでも1試合しかあたらない短いシーズン。
一戦一戦をかみ締めるように対戦し、さらにシーズンを通してチームを仕上げていくためにも、つねに前向きに受け止めて、次に活かしていくというチームの姿勢を感じました。

次は10月13日(日)王子スタジアムで京都大学ギャングスターズとの試合となります!
優勝に向けてひとつひとつが大きな一戦となってきます。
ぜひこのコラムで興味を持ってくれた方が、試合にも足を運んでくれると嬉しいです。

てことで、今日も言います! 

目指せ甲子園ボウル!!
冬の聖地の祭典もお楽しみに。

 

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スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。
プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。
プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。
名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

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