スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(163)関学ファイターズ大竹皓陽、主務と選手の二刀流でチームの守りの要を目指す

2025年11月5日(イラスト・文/T.ANDOH、写真/Azusa Suzuki

こんにちは!スポーツイラストレーターの T.ANDOH です。
関学ファイターズの戦いもいよいよ大詰め。
今週末には、レギュラーシーズン最終戦となる立命館大学との一戦が迫っています。
優勝を争う最大のライバルであり、その先の甲子園ボウルでも再び相まみえる可能性の高い相手。
昨年の雪辱を果たすためにも、全国制覇のためにも、どうしても勝たなければならない一戦です。
総力戦が予想されるこの大一番を前に、今日は一人の選手に注目しながら、立命戦への想いを追っていきたいと思います。

大竹皓陽選手は4回生のLB(ラインバッカー)。
フィールドではディフェンス中軸の一翼として活躍する一方で、「主務」というもう一つの顔も持っています。
主務とは、プロチームで言えばGM(ゼネラルマネージャー)にも例えられる存在。
チーム全体の運営を担うマネージャー陣を統括し、選手との連携を図るうえでも極めて重要なポジションです。
その「主務」を、選手として活動しながら兼任しているのが大竹選手なのです。

 「各マネージャーが行う業務を統括して取りまとめたり、スタッフの動きにも目を配って、選手との間に生じる小さな認識のズレを防ぐ。そんな“橋渡し”のような役割を担っていると思います
選手としての活動に加え、チーム全体を俯瞰して見守る主務の仕事は、想像以上に重責です。
それでも大竹選手は、自ら立候補して今年からこの役職を務めています。
なぜ、あえてその道を選んだのか。

「もともとは主将に立候補したんです。ほかの立候補者とも話し合いを重ねる中で、“今年は前田(涼太選手=4回生DL)がふさわしい”という結論に至りました」
「そのあと主務をどうするかという話になった時、自分から立候補しました。前田からも『お前に任せる』と言ってもらえたので、迷いはなかったです」
「主務になりたかった理由を一言でいえば、“チームを勝たせたい”という思いでした。」

昨シーズン、あと一歩で甲子園ボウル出場を逃した悔しさを胸に、「今年こそは強いチームを作りたい」という一心でキャプテンに立候補。
主務という立場でも、チームを牽引する立場で関わりたい。
そんな強い覚悟が大竹選手にはありました。

選手とスタッフ、両方の視点を持つ彼だからこそ見えてきたものもあるといいます。
「スタッフ目線でチームを見るようになって、意外と知らなかったことも多かったです。
選手としての視点だけでなく、スタッフの立場で考えるようになったことで、より広い視野を持てるようになりました。
考えることも増えてしんどいですが、発見も多くて、自分にとって本当に良い経験になっていると思います。」

選手としては、春の交流戦からスタメンに名を連ね、秋の公式戦では一試合のみスタメンを譲ったものの、守備の中軸としてチームを支えています。
昨年、主将としてチームを引っ張った永井励選手がいたポジションを受け継ぎ、見事にレギュラーの座をつかんだのも大竹選手でした。

春の交流戦後、大村監督にも話をうかがいました。
「春先は与えられた役割をしっかりこなす印象でしたが、終盤にかけて自分のプレーを前面に出せるようになってきました。
責任感が強く頭もいい選手なので、今後はもっと自分を出してチームを引っ張っていってほしいですね。」

責任感の強さゆえに、主将・主務とチームをまとめる役割を自ら望んできた大竹選手。
そうした経験が、プレーにも好影響を与えているのかもしれません。

今年のファイターズは、ディフェンス陣の結束が特に際立っています。
主将の前田選手を中心に、山本・小川両選手が両翼を固め、後方を構える東田選手や、とくにDB(ディフェンスバック)加藤選手の勝ちへの意識も、秋になって大きく変化したと感じています。
その中で、ディフェンスの軸としてチームを支えるのがLBの大竹選手です。

「主務の仕事も、選手としての活動も、一人の力では成り立たない。
多くの人に支えられ、後輩たちがついてきてくれることで、チームという形ができているのを日々実感します」
主務として培った「もう一つの視野」をフィールド上でも発揮できるのは、大竹選手ならではの強み。
すべては「日本一のチームを作るために」。
その強い信念を胸に、自らを磨き、チームを甲子園の舞台へと導こうとしています。
主務と選手、二つの顔を持ちながらチームの守りの要を担う大竹選手。
その覚悟が、いまチーム全員の力をひとつにして立命館戦へ向かっていきます。

総力で挑む関学ファイターズの戦いに、注目してほしい!
ので、今日も言います!!

優勝もかかる運命の最終戦。
立命館大学パンサーズ戦は11月9日(日)、万博記念公園競技場で14時からキックオフ!
ぜひ秋のスポーツ観戦にお出かけください!!

 

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スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。
プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。
プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。
名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

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