南 郁夫の野球観察日記(205-1)がんばってまオリックス・絶賛首位争い中

2025年7月7日 (文/南 郁夫、写真/Yasutomo)

ちょうどほぼ折り返し点まで消化した現在、オリックス・バファローズは予想と「裏腹」にリーグトップのチーム得点・打率で、絶賛「打ち勝って」首位争い中。そんな現状と今後の展望について、7月4日、5日の神戸開催(vsロッテ)の様子を観察しながら考察してみようと思う。

さて。7月4日の試合が始まる段階でなんとオリッは首位。ぬおおおおおお。でも、なんで?としか思えないほど「強い」実感ない。たぶん、最小得点を勝利の方程式とやらで抑え切って僅差で勝つ!のを「強い」と思い込まされてきたからだ。ぐだぐだの打撃戦を打ち勝つなんてのに、慣れてない。でも勝ちは勝ちで、貯金10以上と結果出てる… てことは、「采配やん!」。誰も言わないが、新監督・岸田マモさんの頭の回転って「すごい」のではないの?(ガムを噛む速度に連動)

というわけで、もう神戸では「通常の光景」にしか見えなくなってきた、ブルーウェーブ復刻シリーズに参戦である。7月4日、5日両日とも球場は満員で、場内にはBW復刻ユニ(来田ユニ多し!)を着た(来田?)ファンが溢れ、リトルネプチューンが「普通に」流れ、別にビジョンに昔の映像を流す必要もないくらい定着しているので、毎年これでやったらあかんの?と思う。

私が感じるに、今年のオリッの戦いはこの3パターン。
1)九里亜蓮が必死こいて投げ勝つ
2)集中打で打撃戦を打ち勝つ
3)投手陣が崩れてあっさり負ける

 

▪️7月4日:典型的なパターン2

初回に3本もホームラン出るなんて(宗、杉本、西野)、近年見られなかった光景。先日の神宮では同じ初回に西川、宗の連続ホームランなんてのもあり(目撃)、誰が?とかじゃなくどっかで引火したら打線爆発止まらん傾向を、オリッは開幕時から維持している。これが今年最大の強み。

廣岡の離脱で復帰した宗の活躍は大きい。今のところ見たこともないほど打撃も好調で、まあ元はと言えばレギュラー宗だったよね、という選手層の厚みは、やはりV3したオリッの強みではある。

西川龍馬の沖縄での怪我は衝撃だったが、今年のラオウの「確実性」が、補ってあまりある安心材料。マモさんがうまく休ませながら使ってる感もあるが。やはり、チームにこのキャラは欠かせない。

この試合で膝に死球を受け悶絶退場した紅林が次の日に「けろっ」と出場してたのは笑った。「怪我に強い選手」はそれだけで、ポイント10倍である。彼がショートにいることが大切なのだ。

太田もこのシリーズで復帰し、まだ調子は上がらないがまずは内野は安泰である。
でも、君らも頑張りや、野口くん、大里くん。

さて。西川の離脱で期待されるのが、神戸の期待の星・来田くん。沖縄でブレークしかかって期待された神戸シリーズだったが… ちょっと力入りすぎたか、二塁打一本のみ。でも、守備では泥だらけで頑張ってたぞ。

というわけで、何年も言い続けてるが、この人の外野定着がオリッには絶対に必要。後半戦のキーマンその1である。無敵率と守備率を「も少し」上げてほしい!人気は一流なんだから。

あ、キャプテンはずっと頑張ってる。もちろん、今年はそこが地味に大きいポイント。

という打線のおかげで勝ち投手になり、九里と並んでチームの勝ち頭となった曽谷くん。勝ち運ってあるので。今年の投手陣はけっこう彼が中心となりつつある。夏を乗り切れるか!?

 

▪️7月5日:典型的なパターン3

田嶋の調子ってようわからん… とかいう話よりも、この日はロッテのニューヒーローを讃える日。このヒップホップダイナマイトロマン砲・山本大斗くんの鮮烈な2ホームランを、賞賛しようではないか。

いやあ、絵に描いたようにカッコええ。ともすれば応援団の方が元気?と思ってしまうロッテに彗星のように現れた育成出身の22歳。「30本打ちます」なんてビッグマウス、低迷するチームに一番必要なもの。彼や19歳捕手・寺地くんなど若い力で、チームの未来を描いてほしいな。あ、ロッテのビジター・ユニ、カッコええね。

大敗の中「打球前に飛ばしたん見たことない」と私が言った途端に来日初ホームランを打ったディアス、ロングリリーフを無難にこなした高島王子など、オリッにも好材料はあった。

さて。現地観察はしてないが7月6日@京セラは「パターン1」で九里が必死こいて、勝利。なんと、この3連戦で私の分析全パターンが揃ってしまった。つまり、勝ち越せるやん!それが今年のオリッでしょ?という、私の見事な情緒メトリクス分析、どうだろう?

というわけで首位争いに残ってはいるものの、酷暑の後半戦をどう乗り切っていくのか?怪我人出たり、ベテラン休ませたり、マモさんの頭(とガム)はずっと高速回転を余儀なくされるであろう。どうか、オーバーヒートせずに粘ってほしい、と思うばかりだ。

個人的に、後半戦のキーマンその2はこの人だと思う。

さすがにいまだにホームラン0本はおかしすぎるし、ある意味不気味ではなかろうか? キャッチャーは(足腰が)きつそうなので、DHでずっと出るとかは?ダメでしょうか、マモさん。マモさん?

あ、高速でガムを… 。

というわけで、次ページは専属カメラマンによる、「ブルーウェーブ復刻!神戸の光景」をどうぞ~

 

 

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南 郁夫 (野球観察者・ライター)
通りがかりの草野球から他人がやってるパワプロ画面まで。野球なら何でもじっと見てしまう、ベースボール遊民。あくまで現場観戦主義。心の住所は「がらがらのグリーンスタジアム神戸の二階席」ブログ「三者凡退日記」
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