スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(149)球団通算9,000号ホームラン!紅林弘太郎

2025年7月23日(イラスト・文/T.ANDOH)

こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
7月10日(木)、福岡ソフトバンクホークス戦で紅林弘太郎選手が放った満塁ホームランが、球団通算9,000号のホームランとなりました!!

首位争いを繰り広げているソフトバンク、日本ハムと取りこぼしたくない相手に苦戦をしたバファローズでしたが、この日は紅林選手のこの満塁ホームランが飛び出して連敗を阻止。
紅林選手にとっても前の打者頓宮選手を敬遠され満塁策で回ってきた打席。
一矢報いたく何としても打ちたいと初球から振りにいった一打が、豪快にもスタンド上段席まで飛び込みました!!
低めのスライダーをしっかりすくいましたね。
体勢をやや崩しながらも打球を上段席まで運ぶんですから、本当に会心の一打となりました。

球団創設89年。
そう、来年は巨人、阪神に次いで創立90年となるオリックス・バファローズ。
ご存知のとおり阪急ブレーブス、ブルーウェーブ、そして球団合併…と、親会社がかわり、歴史の波を乗り越えてきて繋いできた89年ですが、プロ野球発足最古参チームの一つとして大きな節目の記録となりました。

ちなみに9,000号は5球団目。
巨人、西武(西鉄―太平洋―クラウン)、ソフトバンク(南海―ダイエー)、中日に次いでの5球団目なんだそうです。
巨人は王さんが一人で約10分の1を担っているし、ソフトバンク(南海)や中日も戦前からあるチームなので分かりますが、2番目に早く9,000号を打ったのは西武なんですね!
西武は前身の西鉄が発足したのが1950年。戦後です。歴史は浅いのに、よく打ってるってことですね。

そして阪急・オリックスの歴代で一番多くホームランを打っているのは長池徳士選手で338本。次に加藤英司選手の285本と、阪急ブレーブスの選手がトップに連なります。
やっぱり阪急ブレーブスの歴史って偉大ですね。
いわゆるV3時代の中心打者が長池さんと加藤さんで、さらに代打ホームラン記録の高井保弘選手も通算130本のホームランを打っていて、9,000本の記録の中で貢献しています。

近年でいえば”ミスター・ブルーウェーブ”といえる藤井康雄選手が282本で歴代3位となります。
康雄さんといえば、イチローさんがいなくなり、すっかり人気のなくなった2000年代初頭のブルーウェーブのなかでは心の拠り所でした。
安定したスイングで放たれる綺麗な弾道の中でも、この目で見た印象的な一発が、2001年のホーム最終戦(だったはず)のロッテ戦、3点ビハインドの9回2アウトで飛び出した代打満塁逆転サヨナラホームランですよ。
小雨も降っていて全然お客さんがいない中で飛び出したこの一発は、わずかな見ている者にも”ご褒美”をもらった気分になれるようなホームランでした。

そう!
89年の歴史もあれば、いろんなファンの心の中にその人の“青春”があります。
そしてチームとともに歩んできた歴史の中に、それぞれの時代の”スラッガー”と、忘れられないこの目で見た“ホームラン”があります。

地元胴上げを決めたあの試合の、D.Jの同点ホームランとか、
腹痛を我慢して打ったトロイ・ニールのホームランとか、
ロッテの18連敗、ジョニー黒木の涙を誘ったプリアムのホームランとか、
後藤光尊選手の乱打の試合を延長で制したサヨナラホームランとか、
同じ試合で飛び出した山﨑武司選手、谷佳知選手、オーティズのホームランとか、
ハマの守護神クルーンから打った清原和博選手のサヨナラホームランとか、
合併後の新たなヒーロー、T-岡田選手の美しい弾道とか、
度肝を抜かれた、CSで和田投手から打った吉田正尚選手の一発とか、

僕だけでも、振り返ればこんな”ホームランの思い出”が蘇ります。
その一つ一つが積み重なって9,000号。
皆さんが見たホームラン1本1本もまた歴史です。

皆さんには”思い出のホームラン”はありますか?
時代を超えてその思い出は、チームの歴史として皆さんの心に生きます。
そして古きを知ってこそ今のヒーローもまた讃えられる。
そうやって、いまを見ているファンの人にも、思い出と記録が積み重なってまた次の時代に語り継いでいってほしい。

節目となる9,000号が、次代のヒーローである紅林選手の手から放たれた”ドラマチック”な一発となったことは、野球の神様が打つべくして打つ選手にチャンスをもたらしたとも思います。

 

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スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。
プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。
プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。
名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

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