スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(148)ちょっと贅沢な野球観戦。京セラドーム大阪のビスタルームに行ってきた!

2025年7月11日(写真・文/T.ANDOH)

こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
今回は、7月4~6日に行われた千葉ロッテマリーンズ戦の観戦記をお届けします。
早め
の夏休みとしゃれ込んで3連戦を観戦してきました。
7月4・5日がほっともっとフィールド神戸。そして6日が京セラドーム大阪だったわけですが、神戸の様子は「南郁夫の野球観察日記」でお楽しみいただけていると思うので、僕は6日の京セラドームの試合をお伝えしたいと思います。

とはいえ、僕にとっては2シーズンぶりの神戸の試合。
日程がなかなか都合と合わずに行きそびれていた神戸の試合も十分に楽しめましたよ。
ほっともっとフィールド神戸はやっぱりフィールドとスタンドの距離感が最高ですね。
花火ももちろん楽しませていただきました。
古くなった感は否めませんが、それも”味”と理解してもらえて、いつまでも主催試合を開催してほしい。
あれだけのお客さんを動員できているので、バファローズの試合としてだけでなく”関西パ・リーグの文化”として、生き続けてほしい神戸の試合でした。

さて話は変わって京セラドームのお話です。
今回、じつはビスタルームと呼ばれるVIPルームにお招きをいただけたので!
なかなか立ち入ることのできる場所でもないだけに、ぜひこちらの体験をリポートさせていただきたいと思います。

京セラドーム大阪の「ビスタルーム」。
ビスタといえば、昔の近鉄特急の2階建て車両を「ビスタカー」と呼びましたね…。
近鉄バファローズの大阪ドーム時代からネーミングは変わっていないので、ひょっとしたら近鉄のビスタカーから着想しているのかもしれません。
名前のごとく、球場全体を見渡せる京セラドームの一番高い天井に近いレベルにある、内野スタンドから外野席の一部までぐるっと3フロア約100室もの個室があるんだそうです!!
こちらのお部屋は年間契約なので、一般にチケットとして発売されておりません。
どれだけの部屋が契約されているか分からないですけど、こうしたお部屋を利用できている人が少なからずいるわけですね。

僕は今回は!
そんな中でも6階にある一室にお邪魔することができました。
このお部屋はじつはオリックスの選手OB会が会員のために契約しているお部屋でして、同じ愛知在住のオリックス選手OBの方からのお招きでした。
選手OBが年に一回お部屋を借りることができるんだそうです。

京セラドーム2階のショップゾーンを通り過ぎて、客足も少なくなってくるドーム北側に専用の入り口があり…

そこからは専用のエレベーターでビスタルームに向かいます。

お部屋に入ってみれば!
扉の先には二つのBが重なったロゴマークがお出迎え!
このBは、BravesとBlueWaveのBじゃないですか!?

お部屋に入っても、阪急とオリックス時代を物語るインテリアのお部屋となっておりました!!
この部屋は他の部屋とは違い、OB専用ルームならではの仕様となっているそうです。

壁には阪急とオリックスの栄光の歴史を掲げる写真の数々。

そしてトイレやクロークにまで!
阪急時代の優勝時の新聞記事のレプリカなどが飾られている、こだわりのお部屋でした。
今後は、ここに中嶋オリックスの3連覇も刻まれていくのかな…。

お部屋のレイアウトが公開されているので、こちらをご覧いただきましょう。
このお部屋は横長のレイアウトで、奥行きがない分お部屋の中にいても球場の景色が飛び込んでくるので、臨場感があって良かったですね。

トイレも個室完備なうえ、ミニキッチンがついていて、そこにある冷蔵庫にはドリンクが用意されています。

もちろんルームサービスなので有料ですよ。
さらに個別に食事を注文することもできますが、もちろんながら一流ホテルレベルの価格帯となっていました…!!

お部屋の外はバルコニーとなっていて、ソファー席から試合を観戦できます!
このお部屋はライトスタンドの真上。すぐ下は5階席の最上段です。
僕は高所恐怖症なので、京セラドームの上段席は苦手なんです…。
それでも、この席は不思議と怖さは感じることはなく。
やはりちゃんとしたお部屋になっていて、バルコニーになっているだけでも違いますね。

試合はロッテのソト選手の先制ホームランが飛び出したものの、3回に宗選手のタイムリーと頓宮選手の犠牲フライで3点を挙げ逆転!
先発の九里亜蓮投手が結局7回までをソト選手の1失点で抑える好投でバファローズの勝利で終わりました。
前夜がロッテに好き放題やられた感があっただけに、この日もソト選手のホームランは乱戦を予想させられましたが、ナイスゲームでカード勝ち越しを見届けることができました!!

そしてこのビスタルームの観戦は貴重な経験となりました。
というのも、スポーツビジネスの観点でいくと、こうしたVIPルームの設置はいまいろんなスポーツの施設で促進されているんですよね。
サッカーJリーグやバスケットボールのBリーグでも専用スタジアム建設が盛んです。
今年オープンした神戸のジーライオンアリーナもそうですよね。
こうした新設のスタジアムには、各リーグが建設条件としてこうしたVIPルームの設置を必須としています。

国際レベルの大会の会場としても使用するに相応しい環境の一つということですね。
国レベルの要人や本当のVIPの方も呼べる場所を作ることで、その会場で行われる大会の質を高めるうえ、接待や福利厚生の一環としてスポーツ観戦が利用されているなかで、スポーツに疎いVIPの方や、幅広い層に利用してもらえるように用意されているわけです。
そういう場所が増え、機会が増えることで、スポーツ観戦への消費が増え、業界の価値を上げるねらいがあります。

京セラドームは今年で開業28年。
ドーム建設ラッシュに建てられ、VIPルームの設置では先駆けと言える存在ですが、現在ではエスコンフィールドに見られるように、プロ野球の球場もどんどんすごいものが出来ていますよね。
ショーアップの要素も年々増してきて、そういえばこの日もバファローズは「オリ姫デー」でした。
「推し活」の象徴のような試合で、ファンの消費もめざましいものがありますが、一方でそんなファンの球場に落とす消費の「単価」も上がってきていますね。
スポーツ業界の活性や消費の増上は良いことでもある一方で、球場行くのにもお金がかかるような時代にもなってきているのかなとも思います。

前日まではほっともっとフィールド神戸で古き良き球場の情緒を感じ、翌日はこうして京セラドームで通常とは違う“特別感”を体験した3連戦。
個人的には、野球場は気軽に家族や仲間と見に行ける場所であってほしいですが、楽しむ要素は広がっていて、こうしたVIPルームを利用してビジネスを広げてくれるお客層にも魅力的な場所となってくれれば、球界の人気や利用価値が高まってくれる期待もあります。

ビスタルームではなくとも、ほっともっとフィールド神戸にはレストランシートもありますし、ちょっと特別な日を仕立ててみてはいかがでしょうか。

 

※イラスト・写真の転載・無断使用はご遠慮ください。使用をご希望の場合はK!SPO編集部までご連絡ください。


スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。
プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。
プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。
名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

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