スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(142)関学ファイターズ春の大一番!関関戦!
2025年5月27日(イラスト・文/T.ANDOH、写真/Azusa Suzuki)
こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
今回は、5月25日(日)に行われた学生アメフト・関学ファイターズと関西大学カイザースの一戦をお伝えします。
昨シーズン、リーグ戦で三つ巴を展開したのが関学、立命館、そして関西大学。
今年も関大と立命館は甲子園ボウルを争う最大のライバルとして警戒をするチームです。
春の交流戦とはいえ、この関西トップレベルの試合を見るがために、王子スタジアムには立ち見客も現れるような大観衆が集まりました!
試合は両チームの意地を感じる重い雰囲気がありました。
最初のシリーズでは関大のRBでキャプテン山嵜選手と前川選手のラン攻撃を関学ディフェンス陣が懸命に押さえます。
3回生DL馬久地(めくち)匠選手と、この日初スタメンの1回生DL武野晋平選手が関大QBの高井選手に襲いかかる活躍があり攻撃権を奪いました。
しかし攻守が変わったシリーズの直後、関学2回生QB星野太吾のパスを関大の4回生LB武野選手がキャッチしてインターセプト!
ランでゲインを許し、フィールドゴールで先制を許してしまいます。
ただ、関学も次のシリーズで4回生キッカー大西悠太選手が47ヤードのフィールドゴールキックを見事に決めます。
1Q終了直前、再開後のリターンでは、関大の山嵜選手にエンドゾーンへ90ヤードを走られるランを決められます。
このプレーはファウルが発生しタッチダウンは認められませんでしたが、関大ペースで試合が展開します。
2Qは両チームにインターセプト、そしてファンブルリターンと攻守が転換するプレーがあり、それだけ両チームのディフェンスを感じるプレーが目立ちました。
関学の星野太吾選手はパスターゲットを探して奔走するなど、プレッシャーも強かったですね。
相手からマークも厳しくなっているなかで、星野選手にとってはこれも成長のための壁かもしれません。
これ乗り越えられると、ほんとうにすごい選手になりそうな気がしますが…。
そんななか前半終了直前にも、QBサックを狙われた星野選手がタックルでボールをファンブルしリターンを許すなど、苦しい場面が続きます。
後半に入ると3Qには再び星野選手のパスがインターセプトに!
攻守が変わり関大が2つめのフィールドゴールでリードとなります。
さらに関大にはもう一本フィールドゴールが決まり、関学3×9関大とリードが広がりました。
ところが!4Qになると流れが一変しました!
星野選手のロングパスを3回生WR小段天響選手が見事キャッチしてこの試合初のタッチダウン!
一気に逆転をします!!
一度会心のプレーが飛び出すと、この重苦しい雰囲気も一転しますね。
RBに2回生の平野日々輝選手を起用し、4回生RB井上誉之選手と共に中央突破を試みるなどオフェンスにも活気が出てきました。
そしてふたたびチャンスを掴んだのは小段天響選手。
ロングの場面で星野選手が投じたロングパスを見事にサイドラインぎりぎりで掴み取り2本目のタッチダウン!!
「(星野)太吾とオフェンスラインが頑張ってくれたおかげです」
と殊勝に語ってはくれましたが、マークが厳しい中でしっかりと抜け出してチャンスを掴み取りました。
試合はこのタッチダウンがダメ押しとなり、関学が勝利!!
関西学院大学ファイターズ 17 × 9 関西大学カイザース
ディフェンスがとても頑張った試合でした。
フィールドゴールは献上したとはいえゼロに抑えた試合。
プレッシャーを十分に与えられる大柄なDL選手たちが存在感を作り出しました。
そのうちの一人が、新人の武野晋平選手です。
「もっとスピードをつけたいです。まだまだ遅いと思っていますので」
本人は機動力をもっとつけたいと目標を語ってくれました。
その点は先輩DL陣も期待している様子です。
「日頃の練習が全て出ています。良いところも悪いところも。これを一つ一つ4回生が責任持ってクリアしていかないといけないです」
前線でものすごく良いプレーを連発していた4回生LBの大竹皓陽選手は勝利にも引き締めます。
試合全体を通してもインターセプトが多かった試合。ディフェンスが頑張った分オフェンスの連携ミスも多かったということ。
一つのミスが命取りにならないよう、秋に向けて少しずつ反省点をクリアしていってほしいですね。
ますますながら頑張ってほしいのがオフェンス陣。
そのオフェンスの起爆剤となれる選手になってほしいのが、ムードメーカーでもある小段天響選手です。
2つのタッチダウンは理想的なビッグプレーとなりました。
「なかなか春にいいところを見せられてなかったので、これからも練習で詰めていくしかないです。一発で流れを変えることができるのがレシーバーなので、いつでも対応できるよう準備していきたいです」
コメントにも上級生感のある落ち着きが増した小段選手です。
今回の2つのタッチダウンでオフェンス陣に自信がついてくれると嬉しいですね。
そういう意味でも、小段選手をはじめとしたレシーバー陣は、明るくてメンタルも強い選手が揃っているので、フィールドの内外で流れを引き寄せられるようなパフォーマンスに期待したいです。
まだまだチームは課題を抱きつつも、関西リーグのライバル関大にしっかりと勝利を飾った関学ファイターズ。
次は春の交流戦の最後となる法政大学戦!
昨年、甲子園ボウル行きを阻んだ相手です。
「前回何もできなかった悔しさをここにぶつけていきたいです」
先述の小段選手も法政戦への思いを語ってくれました。
春の集大成として好ゲームとなることを期待です!
成長するチームの、若い選手たちをたくさんの人に見てもらいたい。
ので、今日も言います…
次回の関学ファイターズの試合は、6月8日(日)王子スタジアムでの法政大学戦です。
王子スタジアムでの最後の試合ともなりますので、王子スタジアムの見納めにも、ぜひ観戦にお出かけしください。
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スポーツイラストレーターT.ANDOH
おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。 |
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